しっかり自分のものにできると非常に気持ちが良く、嬉しい効果がたくさん得られるポーズなので、ぜひ細かいポイントをおさえて実践してみてください。
今回は、三角のポーズの効果や正しいやり方、軽減法などについて詳しくご紹介していきます。
三角のポーズは全身のストレッチになる!
三角のポーズはヨガの代表的な立位のポーズで、その名の通り身体で三角形を作り全身をストレッチするポーズです。
サンスクリット語で“トリ=三、コナ=角、アーサナ=ポーズ”が合わさり「トリコナーサナ」、または「ウッティタ・トリコナーサナ」と呼ばれています。
英語では、「トライアングル・ポーズ」「エクステンディッド・トライアングル・ポーズ」と呼ばれています。
三角のポーズでは、上体を左右に倒し、体側を伸ばしていきます。
同時に股関節も大きくストレッチされます。
同ポーズは上半身の動きが特徴的ですが、下半身も効果的にストレッチし、強化することのできるポーズなのです。
股関節以外にも太もも裏の筋肉、肩回り、背中など全身のさまざまな箇所がストレッチされます。
このポーズ一つで全身を効果的にほぐすことができます。
三角のポーズは簡単でヨガ初心者向き!?
「初心者でも実践しやすいポーズ」と紹介されることの多い三角のポーズですが、心地良さを感じながら行うまでにはある程度の練習を必要とするポーズです。
身体の硬さが壁となることもあり、またアライメント(体の各部のポジション)が難しいので、間違ったやり方だと関節や筋肉に違和感を覚えやすく、苦手に感じる方も多いポーズだと言えます。
反対に、もし「三角のポーズはとても簡単」だと感じている場合は、間違ったアライメントで行っている可能性があるので注意した方が良いかもしれません。
- 上半身が前傾していませんか?
- 深く沈みすぎて綺麗な三角形が崩れてしまっていませんか?
ヨガ初心者ではない方も、一度見直してみましょう。
そのままだと思ったような効果が得られないこともあるので、正しいやり方をチェックしてみてはいかがでしょうか。
伸びる範囲も変わり、心地良さもアップするはずです。
三角のポーズで得られる8つの効果
三角のポーズを行うことで期待できる効果をご紹介していきます。
疲労回復効果
全身を伸ばす三角のポーズは緊張した筋肉を和らげることができ、疲労回復に効果的です。
普段は縮こまっている股関節や体側、肩周りを伸ばすととても気持ちが良く、身体が楽になるのを感じられるはずです。
また、三角のポーズは胸を開くポーズなので深い呼吸が可能となり、疲労の回復と予防に役立ちます。
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リラックス効果
胸を大きく開き、深い呼吸を続けることでリラックス効果も得られます。
イライラする感情を落ち着けたい時や緊張をほぐしたい時に最適。
ダイナミックなポーズなので、自信を持ちたい時にも良いですね。
眠る前のヨガアーサナに取り入れれば、リラックスしてぐっすり眠りにつけます。
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美脚効果
三角のポーズは上半身の動きが注目されがちですが、実は土台となる下半身の筋肉が効果的に使われています。
引き締まった下半身を手に入れるためにはうってつけのヨガポーズなのです。
凝り固まったお尻や、太ももの裏にあるハムストリングスもストレッチされ、美脚作りにアプローチできます。
ただし、美脚効果を得るためには適切な脚幅まで開く必要があるので、しっかり大きく開いていきましょう。
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お腹引き締め効果
骨盤を左右に動かす三角のポーズは、骨盤の歪みを調整する効果も期待できます。
骨盤の歪みは腰回りが太くなる、ぽっこりお腹になる、代謝が低下するなどの原因になり得るので、しっかりケアしていきたいですね。
また、自然と下腹部に力の入るポーズなので、ダイレクトにお腹の引き締めに役立ちます。
ただし、前傾姿勢になるなど間違った三角のポーズを続けていると効果がありません。
正確な動きができるように練習してみましょう。
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血行促進効果
下半身の大きな筋肉を使い、肩甲骨も動かす三角のポーズは全身の血行促進にも有効です。
冷えやむくみの改善効果が期待できるでしょう。
ポーズをとりながら深い呼吸を続けると、全身の巡りが良くなっていく心地良さを感じられます。
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便秘解消効果(内臓機能の改善)
三角のポーズは、お腹を強く伸ばすので動きが鈍った内臓機能の活性化にも効果を発揮。
特に腸を刺激しやすいので、便秘がちな方には最適です。
深い呼吸と共に行うことで、副交感神経が優位になり、腸の蠕動運動も活発になっていきます。しっかり排出する身体になるためには、習慣化して取り入れるのがおすすめです。
→便秘はヨガで解消できる!便秘解消に即効性のある腹式呼吸とヨガポーズ4選を解説
猫背(巻き肩)改善効果
胸を大きく開く三角のポーズは、続けることで良い姿勢が身に付きます。
特にスマホを使う現代人に多い“巻き肩”の改善に効果的です。
“巻き肩”が改善されるとバストトップの位置も上がり、凛とした美しい姿勢に近づけます。
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集中力アップ効果
三角のポーズは、集中力の強化にも役立ちます。
足の向きや骨盤の位置、手の伸ばし方、胸の開き具合…など意識を向けるべき箇所が非常に多いポーズだからです。
ヨガはもともと、インドにおいて心身の鍛錬のための訓練だったので、まさにその効果が発揮されます。
集中力が切れているときには、ヨガの経験が長い方でもあってもバランスが上手く取れなくなることのあるポーズです。
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三角のポーズの正しいやり方
ここからは、三角のポーズの正しいやり方を詳しく解説していきます。
細かいアライメントを見ていきましょう。
三角のポーズのやり方
- 足幅を肩幅の2.5倍程度に開きます
ポイント
- 右足のつま先を真っすぐ前に向け、左足のつま先は斜め外側に向ける。
- 両足のかかと同士は直線上にあるようにする。
- 息を吸いながら、両腕を左右に開きます
ポイント
- 手の平を下にして、肩の高さで一直線に伸ばす。
- 胸は軽く張りつつ、反り腰にならないようお腹に力を入れる。
- 肩の力を抜いて、耳と肩を遠ざける。
- 指先は遠くへ伸ばす。
- 息を吐きながら、上体をやや右側にスライドさせます
ポイント
- 下半身は動かさず、右手の先を前へ前へ伸ばすイメージ。
- 上体を倒していき右手で右の足首を掴みます
- 胸を大きく開き、目線を左手の先の天井へ向けます
ポイント
- 背中が丸まらないように注意。
- 左手が天井から引っ張られるイメージを持ち、上半身が沈みこまないようにバランスを取る。
- そのまま姿勢を数呼吸キープします
ポイント
- 呼吸するごとに身体の伸びを感じる
- 息を吸いながらゆっくり上体を起こし元の姿勢に戻ります。反対側も同様に行いましょう。
ポーズに違和感がある方は、脚幅を見直してみましょう。
狭すぎると効果的なストレッチができません。
美脚効果も得られないので、脚幅は広めにとってみましょう。
初心者向け!三角のポーズの軽減法
三角のポーズにありがちな間違いは、手を足首や床につけることをゴールにすることで上体が前に倒れ、背中が丸まってしまうことです。
しかし、それでは本来の三角のポーズが目指すものから遠ざかってしまいます。
深く倒れることを目的にせず、体側やハムストリングスがしっかりと伸びていること、胸を開くことに意識を向けましょう。
軽減法では、基本のやり方の⑤の際に、手を太もも~膝上付近に軽く置きます。
もしくは、右足のすぐ横にブロックを置き高さを出して、そこに手をついてみましょう。
以下のようになっている場合は、軽減法で行うことをおすすめします。
- 曲げたほうの脇腹に違和感がある
- 綺麗な三角形が崩れている(沈みすぎている)
- 背中が丸まっている(上体が前傾している)
- お尻が出ている
初心者向け!壁を使った三角のポーズのやり方
三角のポーズでは、身体を前傾しないこと、背中を丸めないことがポイントとなってきますが、その感覚を掴むのは難しいですよね。
練習方法として、壁を使った三角のポーズという方法があるのでご紹介します。
恐らく、この方法で三角のポーズを行うと上体をなかなか深く倒せませんが、始めのうちはそれで良いのです。
他の細かなポイントに意識を向けて、快適さを追求していきましょう。
壁を使った三角のポーズのやり方
- 壁に背中をつけます(ぴったりつかなくてもOK)
ポイント
- 両足のかかとを壁につけておく。
- 右足のつま先を真っすぐ前に向け、左足のつま先は斜め外側に向ける。
- 両手を左右に大きく広げます
ポイント
- 指先を遠くまで伸ばし、胸を開き、肩の力を抜く。
- ポイントを意識しつつ数呼吸。
- 息を吐きながら、上体をやや右側にスライドさせ、右に倒していきます
ポイント
- このとき背中(両肩)が壁から離れないように意識。
- 右手で足首を掴むか、軽減法を用います。
- 数呼吸キープして、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。
中級者向け!三角のポーズは胸を回して開く
三角のポーズに慣れてきたら、胸を開くときに胸全体を回し上げるイメージでもう一段感大きく開いてみましょう。
肩甲骨を軽く寄せるとやりやすいと思います。
胸が快適に開けるようになると、三角のポーズの心地良さがぐっと増します。
呼吸がたっぷりと入るようになり、リフレッシュ効果もアップしますよ。
三角のポーズを極めて心地よい身体に!
三角のポーズは全身を心地良くストレッチできるポーズで、疲労回復効果やスタイルアップ効果など嬉しいメリットもたくさんあります。
細かなポイントを押さえることで、より高い効果が得られるので、ぜひ意識してみてください。
また、三角のポーズに限らず、ヨガでは軽減法を用いた方が正しいアライメントを実現しやすいこともあります。
自分の今の状態に目を向け、積極的に軽減法を使ってみてくださいね。