他にも姿勢改善や腰痛の予防などさまざまな嬉しい効果が期待できます。
ヨガ未経験の方でも取り入れられるヨガポーズですが、間違ったやり方だと腕や手首ばかりが痛くなり、肝心な効果が得られないこともあります。
しっかり効果を得るために正しいやり方を覚えておきましょう。
今回は、ヨガのプランクポーズの効果と正しいやり方について詳しく解説していきます。
ヨガのプランクポーズとは
プランクポーズは、「太陽礼拝」にも登場するヨガの基本ポーズです。
プランクは英語で板の意味があり、板のように身体を真っすぐに保つことから名づけられました。
同ポーズは両手を床につき、両手の平とつま先のみで身体全体を支えます。
腕立て伏せの準備ポーズにも似ていますね。
腕の筋肉以上に体幹の筋肉を刺激することのできるヨガポーズです。
本ポーズで鍛えられる体幹とは、腕や脚を除いた胴体部分のことです。
「体幹ダイエット」という言葉があるように、体幹は全身のスタイルを大きく左右する重要な箇所です。
体幹が弱っていると姿勢が悪くなり、スタイルが崩れ、お腹もぽっこり出てしまいます。
疲れやすくなる、腰痛が起きるなどさまざまなデメリットにも繋がります。
反対に、体幹がしっかりしているとお腹がへこみ、美しい姿勢で立ったり歩いたりすることが容易となり、運動能力も向上します。
プランクポーズが上手くできないのは、ずばり体幹の弱さが原因です!
プランクポーズを続けていくうちに体幹が鍛えられると、お腹痩せや姿勢改善などスタイルアップに効果を発揮してくれます。
→体幹トレーニングに最適なヨガポーズ3選!体幹を鍛えて美しく若返ろう
筋トレとヨガのプランクポーズの違いは?
プランクポーズは筋トレメニューの一つにもありますが、強度や身体への効かせ方が多少異なります。
ヨガのプランクポーズでは両手の平を床につくのに対し、筋トレのプランクポーズは前腕をつき両手の平を組み合わせるのが一般的です。
そして、もっとも異なるのは呼吸法です。ヨガは鼻呼吸が基本なので、プランクポーズの間も鼻呼吸を続けます。
一方、筋トレで行うプランクポーズの場合は、鼻から息を吸い口から息を吐き出します。
また、ヨガのプランクポーズは単体で用いられることはなく、「太陽礼拝」に代表されるように、多くは「四肢のポーズ」そして「アップドッグ」へと移行していきます。
息を吸いながらプランクポーズ→息を吐きながら四肢のポーズという風に流れていくので、長くホールドしないのです。
ジャンプバッグを用いた強度の高いヨガフローになると、プランクポーズの時間はほとんどなく、すぐに四肢のポーズへと移行します。
例外として、他のヨガポーズの安定性を高めるためにプランクポーズを長くホールドするアーサナを取り入れることもあります。
プランクポーズで得られる効果
ここからは、ヨガのプランクポーズを行うことで期待できる効果をご紹介していきます。
お腹痩せ効果
体幹を鍛えるプランクポーズの一番の効果は、お腹痩せです。
体幹は主に腹筋と背筋で支えられており、同ポーズでは主に腹筋側を強化することができます。
腹筋といってもシックスパックに割れる腹筋はアウターマッスルと呼ばれる外側の筋肉で、同ポーズで鍛えられるのはインナーマッスルと呼ばれる深層部にある筋肉です。
インナーマッスルは内臓を支え、お腹をギュッと引き締めるコルセットの役割をしています。
腹筋運動をしてもぽっこりお腹がへこまなかったという方でも、プランクポーズなら確実にお腹痩せを叶えることができます。
→お腹痩せダイエットにオススメなおうちヨガ!即効でぽっこりお腹をへこますヨガポーズ3選
姿勢改善効果
プランクポーズによって、お腹痩せ効果よりも先に感じられるのが姿勢の改善効果です。
体幹の腹筋側が強くなることで反り腰を改善し、美しい姿勢を保つことが可能になります。
反り腰は一見正しい姿勢に見えますが、内股を引き起こし、太ももが太くなる原因にもなっているので要注意です。ぽっこりお腹の元凶にも。
また、スマホやパソコンが手放せない現代人に多い猫背や巻き肩といった悪い姿勢の改善もできます。
→姿勢が悪いとどうなるの?姿勢改善のコツと厳選した姿勢改善ヨガ2つ
疲労軽減効果
意識をしなくても正しい姿勢が取れるようになると、全身の疲労を軽減することができます。
「何となくだるい」「疲れやすい」「疲れが抜けない」という症状は、間違った姿勢によって引き起こされていることも多いのです。
猫背になっているとお腹が丸まり、内臓機能が低下。疲労の原因に直結します。
反対に胸を張り、反り腰になっていると、背中の筋肉が常に緊張した状態になり疲れてしまいます。
プランクポーズによって体幹を強化し、正しい姿勢を身に着ければ、疲れにくいアクティブな身体を手に入れることができます。
→疲労回復方法としてのヨガ!疲労回復に効果的なヨガポーズ3選
腰痛予防・軽減効果
反り腰を改善するプランクポーズは、腰痛の予防や改善にも一役買ってくれます。
筆者自身も同ポーズによって辛かった腰痛を改善できたと感じています。
また、妊娠・出産を2度経験していますが、その際も一度も腰痛になったことはありません。
ステイホームや在宅ワークが当たり前になり、運動不足がたたり腰痛に悩む人が急増しています。 ヨガインストラクターをつとめる筆者のレッスンに参加してくださる生徒さんにもデスクワークに従事する方は多く、「座っていると腰痛がツラい」という悩み[…]
→腰痛をやわらげるおすすめヨガポーズ4選!おうちヨガで腰をケアしよう
二の腕引き締め効果
ヨガのプランクポーズを行うと二の腕の筋肉も刺激されるので、たるんだ二の腕の引き締めにも効果的です。
さらに、ほとんどの場合は「四肢のポーズ」とセットで行われるため、プランクポーズを取り入れたヨガフローを続けていくうちにどんどん二の腕が引き締まっていきます。
特にたるみが気になる上腕三頭筋を効果的に刺激することができます。
→二の腕痩せに効果的なヨガ!おうちで簡単にできる二の腕すっきりヨガポーズ2選
ヨガのスキルアップ
身体の軸となる体幹はもちろん、腕や肩、胸の力も使うプランクポーズを極めることで、ヨガのあらゆるポーズの安定性が増していきます。
特に、難易度が高く苦手意識を持つ方が多い「四肢のポーズ」は、プランクポーズがアライメント(体の各部のポジショニング)の基礎になっています。
プランクポーズを取得することで、力を無理に入れなくても体を一直線にしたまま腕を曲げることができるようになります。
他にも「木のポーズ」「英雄のポーズ」といった体幹の安定性を必要とする立位のポーズも心地よく行えるようになります。
運動パフォーマンスの向上
体幹が鍛えられると、あらゆるスポーツの能力が向上します。
著名なアスリートたちが、通常トレーニングとは別に体幹トレーニングを取り入れているのはそのためです。
体幹トレーニングを推奨しているアスリートとしては、サッカーの長友佑都選手が有名ですよね。
私の生徒さんの中にも、プランクができるようになったら「長距離走るのが楽になった」「マラソンのタイムが縮まった」という方がいらっしゃいました。
体幹は、どんなスポーツにとっても重要なのです。
ヨガのプランクポーズでお腹が痩せない理由
お腹痩せに効果があることで知られるヨガのプランクポーズですが、「プランクを毎日しているのにお腹が痩せない」「プランクポーズを1分間できるようになったのに体型に変化がない」といった声も耳にします。
それはずばり、アライメント(体の各部のポジショニング)が間違っているからです。
筆者が声を大にして言いたいのは「プランクポーズは正しく行わないと全く意味がない!」ということ。
シンプルなポーズなので一見簡単に見えますが、プランクポーズは奥が深く、ヨガに長年親しんでいる方でも追及が止まらないポーズの一つです。
正しいやり方で続ければ、短い時間でも十分な効果が得られるので、ぜひポイントを抑えて極めてみてください。
ヨガのプランクポーズの正しいやり方
ヨガのプランクポーズの正しいやり方を細かくチェックしていきましょう。
ただし、ご紹介するやり方はあくまでも基本です。
骨格や体型によっても適切なアライメントが変わってくるので、ヨガの講師に教わるなど微調整することをおすすめします。
プランクポーズのやり方
- 四つん這いの姿勢になります
ポイント
- 両手は肩幅より気持ち広く開き、肩の真下に手首がくるように
- 両足は腰幅に開き(安定すると感じる幅)腰の真下に膝がくるように
- 手の指を均等に広げて、中指を真っすぐ前へ向ける
- 体重が手のひら全体に均等にかかるように(手首だけに負担をかけない!)
- 手で強く床を押し、背中が沈まないように
- 肘をロックせずに緩めておく(肘が真っすぐに伸びすぎないように)
- 足のつま先を立てます
- 片足ずつ後ろに伸ばし、頭頂からかかとまでが一直線の姿勢になります
ポイント
- お腹を引き上げるイメージで腹圧をかける(一番重要!)
- 手で強く床を押し、背中が沈まないようにする(横から見たときに、肩より背中の方が少し高いくらいでOK!)
- 肩と耳を遠ざける
- 目線は少し前方の床へ(斜め前へ)
プランクポーズはわずか10秒で効果あり!
ヨガのプランクポーズは、一体どのくらいで効果があるのか気になりますよね。
実際のヨガフローでは1~2秒程度で行うことが多く、長くホールドする場合でも数十秒程度だと思います。
それでも1つのヨガレッスンの中で頻繁に出てくるので徐々に体幹が鍛えられていきます。
このことから、プランクポーズの効果を得るためには、ホールドする時間にはこだわる必要はないと考えられます。
それよりも、いかに腹圧を使って真っすぐに身体を保てるかが重要です。
お腹痩せなどダイエット目的にプランクポーズのみで取り入れたい場合でも、1回10秒×3セットでお腹痩せ効果が期待できます。
正しいアライメントで行うと、10秒でも「きつい!」と感じられるはずです。
さらにその間、呼吸を何度も繰り返すのではなく、1回長く息を吐くのみにするとより効果的です。
ヨガのプランクポーズで簡単スタイルアップ!
プランクポーズは、手軽にスタイルアップしたい方にとてもおすすめなヨガポーズです。
効果を最大限引き出すために、ぜひ正しいやり方を覚えて挑戦してみてください。
ヨガのあらゆるポーズの安定性向上に通ずるポーズなので、ヨガのスキルアップを目指したい方にもうってつけです。