ヨガインストラクターをつとめる筆者のレッスンに参加してくださる生徒さんにもデスクワークに従事する方は多く、「座っていると腰痛がツラい」という悩み相談を受けることが多々あります。
そこでこの記事では、腰痛を感じたらいつでも取り入れて欲しい簡単なヨガポーズをご紹介。
腰痛が慢性的になると、ぎっくり腰や歩行困難などの原因にもなりかねないので、こまめにケアして腰痛とおさらばしましょう。
腰痛が起こる原因とは
腰痛は立ち仕事や力仕事、重い物を持ち上げたときに起こると思われがちですが、長時間座って過ごすことでも痛みが出る恐れがあります。
それは、座る姿勢だと「上半身の重さが腰への負担になる」から。
特に気を付けたいのが、猫背の姿勢で座ることです。
試しに、猫背の姿勢で座ってみてください。
腰が丸まっていて、明らかに負担がかかっているのがわかりますよね。
誤った座り方
- 体がデスクに対して真正面を向いていない(斜めや横向きになっている)
- 足を組んでいる。
- 机にヒジをついて座る。
- 頭が左右に傾いている。
正しくない姿勢・座り方をしていると、背骨や骨盤に歪みが生じ、腰を伸ばした姿勢で座るのが難しくなります。
腰はスッと伸びた状態が負担がかかりにくいと言われているので、猫背気味だと自覚のある方や誤った座り方をしている人は背筋を伸ばして骨盤を立てて座ってみてください(背もたれには寄り掛からないようにしましょう)。
年齢を重ねるごとに慢性的な肉体の悩みも増えてくるものです。 腰痛もその代表のひとつ。 今回は、現役ヨガインストラクターである筆者が腰痛の手助けになるかも知れないヨガポーズ をご紹介します! ヨガが効く?慢性的な腰痛の原因 […]
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コリによる腰の痛みはヨガで筋膜リリース
しかし、「姿勢正しく座りたいけれど腰が伸びない」という方も少なくありません。
心当たりのある方は、腰まわりの筋膜リリースをしてみてはいかがでしょうか。
第二の骨格ともいわれている筋肉の周囲の膜のこと。
主成分は、膠原繊維コラーゲンで弾性繊維エラスチンが混在している。
頭頂部から足の先までネット状の線維でおおわれていますが、筋膜を介して体の内側の骨、筋肉、内臓、神経、血管などを支える役割がある。
筋膜は短縮したり、ねじれたりすることで姿勢や動きが制限がされてコリを生じさせるので、伸張してあげるとよいでしょう。
方法は難しくありません。
ヨガのポーズを用いて、気になる箇所を90秒以上伸ばしてあげれば良いのです。
腰痛には「反り腰タイプ」と「丸腰タイプ」がある
よく言われるように、腰痛には「反り腰タイプ」と「丸腰タイプ」があります。
担当するヨガのクラスで腰痛持ちの生徒さんを見させていただいても、腰痛のタイプはこの2つと、2つが合わさったミックス型の3つに分類できると思います。
「反り腰タイプ」とは腰の部分に極端なカーブがかかっていて、鼠蹊部がおへそより内側に入り込んでいる人が当てはまります。
どちらかと言えば立ち仕事が多かったり、太腿の前側が張り出していたり、ヒールを履く習慣のある女性に多い印象です。
一方、「丸腰タイプ」は腰の部分にくびれやカーブが少なく、背中全体に脂肪が乗っていて、猫背で首も前に出ていて、かかとの外側がすり減っている人が該当します。
デスクワークや座り仕事、運動不足で腹筋がない人も丸腰タイプになりがちです。
腰痛をやわらげるおすすめヨガポーズ4選
ここからは、腰まわりの筋膜を伸張して姿勢を改善し、腰痛を和らげるアーサナを紹介します。
筋膜は時間をかけないと伸張されにくいため、じっくりと丁寧にやっていきましょう。
ヨガのポーズは、どれかひとつで効果を発揮するというものではありません。
この中から選んでおこなうというよりは、連続して行うことをオススメします。
※痛みや違和感が続くようであれば自己判断はせず、専門の医療機関で診察を受けるようにしましょう。
背面を伸ばすポーズ
背面を伸ばすポーズのやりかた
- 両足を前に伸ばして座り、背筋を伸ばす。
- 息を吐きながら上体を前に倒したら、背面の伸びを感じながら90秒キープ。
- 背骨をひとつずつ積み重ねるように上体を起こしてくる。
カメのポーズ
カメのポーズのやりかた
- 両足の裏をつけて座り、背筋を伸ばす。
- 両手をふくらはぎの下につく。
- 息を吐きながら上体を前に倒し額をつま先に近付けたら、90秒キープ。
- 背骨をひとつずつ積み重ねるように上体を起こしてくる。
猫のポーズ(キャットアンドカウ)
猫のポーズのやりかた
- 四つばいになる
ポイント
手は肩幅、足は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつきましょう。
- 息を吸いながら斜め上を見るように背中を反らせて、骨盤を前傾させる。
ポイント
痛めることがないように、腰のそらせすぎに注意しましょう。
- 息を吐きながらへそをのぞきこむように背中を丸めて、骨盤を後傾させる。
- この動きを呼吸に合わせて何度か繰り返し、違和感がないようであれば②・③それぞれで静止し90秒ずつキープする。
ポイント
上の写真のような「猫の伸びのポーズ」を取り入れている方も腰をそらせすぎないようにヘソを軽く引き上げ、腰のカーブが大きくならないようにします。
ヨガで腰を痛めないための注意点
ヨガのポーズは、腰まわりの筋膜リリースや腰痛を和らげるのに役立つ反面、「腰を痛めてしまう」ことがあるのでポーズを行うときは注意が必要です。
なかでも、腰を大きく反らせることによって痛めてしまうケースが多いので気を付けてくださいね。
そして、「腰を丸めて終える」こともポイント。
腰を反らせるアーサナで終了すると、腰が緊張状態のままになってしまうからです。
“丸めてゆるめて”、終わりにしましょう。
「チャイルドポーズ」は、腰まわりを緩めてくれます。
チャイルドポーズ
チャイルドポーズのやりかた
- 正座の姿勢から両手を前に伸ばす。
ポイント
重心は後ろにかけます。
- 上体を前に倒し額を床につけたら、呼吸を5回繰り返す。
ポイント
背面は力を抜いてリラックスさせましょう。
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座っている時も立っている時もお腹の奥を引き締めておく
腰痛を予防するのにもっとも効果的な方法は「腰に負担をかけない」ということです。
腰に負担をかけないようにするためには「お腹の奥を引き締めておき、インナーマッスルを効かせておく」というのがコツになります。
お腹の奥の力が抜けると、上半身の負担が全部腰にかかり、また重力で下方向に引っ張られるので肋骨と骨盤の間も縮み腰回りに負荷がかかります。
ウエストにくびれがある人は、腹筋がある人ではなく、骨盤と肋骨の間に十分な距離がある人で、くびれがある人はお腹の奥を常に引き締めて安定させておくことで、骨盤と肋骨の間に距離を取っているのです。
つまり、腰痛をあまり感じない人は下腹が引き締まっていてくびれがある人とも言い換えられます。
ヨガで腰痛をやわらげよう
座りすぎで腰が痛いという人は、今回紹介したヨガで筋膜リリースをしてみましょう。
腰痛に効果的な筋膜リリースヨガ
腰の痛みにお悩みの方は多いと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なお、ヨガには腰痛解消の他にも信じられないような効果が山ほどあります。
次の記事で具体的な体験談を紹介していますので、気になる人はご参考ください。
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