外転筋は、股関節の安定性・柔軟性に関わっている筋肉群。
主に足を外側に開く動作のときに使われるのですが、外転筋の働きが弱くなっていると股関節の動きが不安定になり、体のバランスの取りにくさを引き起こすことがあるのです。
そのため、「ヨガのバランス系のポーズが苦手」だという方は、体幹の強化だけではなく外転筋にも意識を向けてあげるとポーズの上達につながるでしょう。
また、この外転筋が位置するのは骨盤の外側~太ももの外側です。
プニプニとしたお肉が気になり、スッキリさせたいという方もいるのでは?
そこで今回は、外転筋を鍛えるヨガのポーズを3つ紹介していきたいと思います。
外転筋とは?
外転筋は、中臀筋、小臀筋、大腿筋膜張筋からなる筋肉群で、骨盤の外側から太ももの外側に位置します。
中臀筋の機能
- 股関節の外転/股関節の外転に伴う股関節の外旋
小臀筋の機能
- 股関節の外転/股関節の外転に伴う股関節の内旋
中臀筋と小臀筋は、ランニング中に股関節の外転位を保つために働いたり、歩行中に体重が片側にかかったときに、反対側の臀部が下に落ち込まないように支えたりする役割を担っています。
大腿筋膜張筋の機能
- 股関節の外転/股関節の屈曲(同時に股関節を内旋)
大腿筋膜張筋は、歩行時やランニング中に、足が真っすぐ前に出るように導いてくれる筋肉です。
このように、これら3つの筋肉の主な機能は「股関節の外転」。
足を外側に開くときの動作に大きく関わってくるのと同時に、股関節の安定性を高め、下半身の動きをスムーズにしてくれる筋肉なのです。
では、外転筋を鍛えるにはどのような動きをしたらいいのでしょうか。
外転筋を鍛えるヨガのポーズ3選
ここからは、外転筋を鍛えるヨガのポーズを3つ紹介していきます。
次のような横向きになって股関節を外転させる(足を持ち上げる)動きや、太ももを外側に回転させるような動きによって外転筋は強化されますので、★マークの部分を特に意識してポーズを取ってみてください。
「アナンタのポーズ」アナンタ・アーサナ
やり方
- 右体側を下にして横向きになり、ひじを支えにして上体を起こす
ポイント
- 両足を揃えて重ね、つま先を正面に向ける
- 頭が下がってこないように、首筋を長く保つ
- バランスを取りながら、左足を持ち上げる~呼吸を5回繰り返す
ポイント
- 肩の下にひじをつく
- ★足は姿勢が崩れないところまで持ち上げる(外転筋を意識しながら)
- お尻をうしろに突き出さない
- 反対側も同様におこなう
「かんぬきのポーズ」パリガ・アーサナ
やり方
- ひざ立ちになり、両手を腰に添える
ポイント
- 足は腰幅程度に開き、指を立てておく
- 右足を真横に伸ばし、左手を頭上に持ち上げる
ポイント
- 右のつま先は外側に向ける
- 右手は太ももに軽くのせる
- 左ひざから左手までが一直線になるように、軸を意識する
- 息を吐きながら、上体を右側に倒す~呼吸を5回繰り返す
ポイント
- ★右の太ももを外側に回転させるようにして、ひざを伸ばす(右太ももの外側に意識を向ける
- 体が前に倒れないようにバランスを取る
- 右手は右のすねに向かって滑らせる
- 反対側も同様におこなう
→ヨガのかんぬきのポーズとは?5つの効果と正しいやり方を徹底解説
ヨガのどんなポーズに挑戦したいですか? 比較的行いやすいポーズから難しいポーズまでいろいろありますが、今回ご紹介するのは、比較的行いやすい「かんぬきのポーズ」です。 自宅でも気軽に行いやすいので、カラダが凝ったなあ~と感じた時に[…]
「英雄のポーズⅡ&戦闘をやめた英雄のポーズ」ヴィーラバドラ・アーサナⅡ&ヴィパリータ・ヴィーラバドラ・アーサナⅡ
やり方
- 腕と足を大きく開いて立ち、右つま先を真横に向ける
ポイント
- 腕は肩の高さに持ち上げる
- 目線は右手のほうに向ける
- 左のつま先はやや内側に
- 右ひざを90度に曲げる~呼吸を5回繰り返す【英雄のポーズⅡ】
ポイント
- ★右太ももを外側に回転させ、ひざを正面に向ける
- ひざがつま先よりも前に出ないようにする
- 背骨は床に対して垂直
- 右手のひらを上に向け、腕を天井方向に持ち上げて体を反らせる~呼吸を5回繰り返す【戦闘をやめた英雄のポーズ】
ポイント
- ★右太ももを外側に回転させ、ひざを正面に向ける
- 重心がうしろに傾かないように、右足をしっかりと踏み込む
- 反対側も同様におこなう
→ヨガの英雄のポーズとは?英雄のポーズ1〜3の正しいやり方と効果を徹底解説
ヨガのクラスで頻繁に登場する「英雄のポーズ」。 形もかっこよく、効果も高いので、英雄のポーズをクラスに使用することを好むインストラクターも多い人気ポーズです。 今回は、英雄のポーズの正しいやり方、そして実は豊富にある様々な効果に[…]
まとめ
以上、外転筋を鍛えるヨガのポーズを3つ紹介しました。
これらのポーズを行うことで、股関節の安定性の向上のほかにも動脈や静脈、リンパの流れが促されて、下半身の冷え・むくみの改善といった効果に期待できるでしょう。
また、外転筋も、ほかの筋肉と同様に年齢を重ねることで衰えていくうえに、最近では長時間のデスクワークに従事する方も増えてきていますから、筋力の低下が顕著なパーツだということができます。
最初にお話した片足立ちでグラグラする方、そして、日常的に運動不足だと感じている方は、“外転筋”を意識したヨガのポーズを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。