腸内環境を改善し、体調を整えたり、ダイエットに役立てたりするための活動のことを指します。
「腸活」は食生活や運動習慣を見直すのが一般的ですが、「腸活ヨガ」も注目を浴びています。
そこで今回は、腸機能を高めるヨガポーズをご紹介していきます。
ヨガ未経験の方やヨガ初心者でも取り組みやすいポーズばかりなので、ぜひ挑戦してみてください。
話題の腸活ヨガとは?
腸内環境の乱れは、太りやすい、肌が荒れがち、疲れが抜けないといったお悩みに直結します。
腸内環境を整えるためには「食生活を整えること」や「適度な運動をすること」が大事と分かっていても、完璧を目指すのはとても難しいですよね。
そこでおすすめなのが、腸の働きを外側と内側から整えることのできるヨガです。
腸活にヨガが効果的に働く理由は、
- 腸を刺激するヨガポーズで外側からの刺激を与えられる
- 自律神経を整えて内側から腸の動きを活性化できる
ためです。
後者の自立神経に働きかけて腸活するというのは、他のスポーツではなかなかできないことです。
そもそも便秘には自立神経の乱れが関係しています。
内臓機能にも関わっている自律神経には交感神経と副交感神経があり、副交感神経が優位になるときに腸の動きが活発になります。
しかし、ストレスや緊張で交感神経ばかりが優位になることで、腸の動きが停滞し便秘に繋がるのです。
便秘が起こるということは老廃物が腸に長く居座ることになるので、腸内環境はどんどん悪化し、腸の機能が低下していってしまいます。
ヨガは深い呼吸を行いながら体を動かすことで芯からリラックスでき、誰でも手軽に自立神経を整えることができます。
腸機能は低い?高い?腸機能をチェックする方法
あなたの腸の機能が低下しているかどうかは、毎日の便通と便の状態をチェックすることで簡単に分かります。
腸内環境が整っている場合は、ニオイが少ないバナナ型の便がするりと出てきます。
反対に、腸内環境が乱れている場合はニオイが強く、コロコロだったり軟便だったり形が定まりません。
- 便が毎日出る
- 黄色に近い茶色
- バナナ型(固すぎず柔らかすぎず)
- 悪臭がしない
- 便秘になったり、下痢になったりする
- 固くて黒っぽい
- 途切れて出てくる(コロコロ)
- 固形ではなく色が薄い
- 悪臭がする
- 普段からおならの頻度が多い
自分の腸の機能はどうなのかの判断材料として参考にしてみてください。
腸機能を高めるメリット
「腸活」が注目されているのは、腸の機能を高めると美容と健康に良いことがたくさん起こるからです。
筆者自身、腸内環境を整えたことで体感したことがたくさんあります。
一体どんなメリットがあるのか具体的にご紹介していきましょう。
下痢、腹痛がなくなる
腸機能が高まりもっとも良かったと感じたのが、急な下痢や腹痛に襲われることがなくなったことです。
以前の私はちょっと冷えたり緊張するだけで、すぐにお腹が痛くなる性質でした。
「そういうものだろう」と思っていたのですが、原因は腸の機能が低下していたからなのです。
ヨガや生活習慣を整えて腸が強くなってからは、そのような冷や汗が出るシーンは一切なくなりました。
痩せやすくなる
腸の機能が低下すると、基礎代謝が落ち、消費されるカロリーが減ってしまいます。
そんな状態でいくらダイエットをしても効率が悪いだけ。
腸の機能が高まれば、巡りが良くなり、ダイエットも効率良く進められます。
実際にアメリカのワシントン大学が総合科学雑誌「nature」にて、“無菌のマウスに肥満の腸内細菌を移植したらマウスが肥満になった”という研究結果を発表しています。
腸機能が上がることでむくみにくくなり、見た目もすっきりします。
→初心者でもできるダイエットヨガのビフォーアフター!ダイエットヨガの頻度はどれくらい?
風邪を引きにくくなる
腸の機能が高まると、風邪を引きにくくなります。
人間の免疫細胞は半分以上が腸の中に生息しており、腸内環境を整えることで免疫力を高められると言われています。
アレルギー症状を抑える効果もあると考えられています。(花粉症にヨーグルトが良い!などと謳われるのはそのためです)
これも筆者自身が実感していることで、腸内環境が整ってからは全く風邪を引かなくなりました。
少し忙しい毎日を送っても、2人出産&育児で寝不足になっても、5年以上風邪を引いていません。
→ヨガで免疫力を高めて風邪予防!免疫力を高めるヨガポーズ3選
肌が綺麗になる
便秘によって腸内環境が悪くなっていると、肌が荒れてしまいます。
それは、活発化した悪玉菌が腐敗物や有毒ガスが発生するようになるからだと言われています。
実際に腸の機能が低下し便秘が続いていたときは、吹き出物が出て肌もくすんでいました。
腸内環境が整ってからは肌トラブルが大幅に減ります。
肌荒れが治らない!とお悩みの方は、便が出ているか、またその便はどんな様子かを観察することから始めてみてください。
→アンチエイジングで美肌に?朝・昼・夜で美肌になれちゃうアンチエイジングのヨガポーズ8選
気持ちが安定し、幸福度が上がる
私たちが日々安定した温かい気持ちになれるかどうかを左右しているのが、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」という神経伝達物質です。
リラックスや安心感、そして幸福感をもたらす非常に重要な存在。
その「セロトニン」は、なんと約90%が腸で生成されているそうです。
つまり、腸の働きが良ければ幸せを感じやすく、反対に腸の働きが低下していれば幸せを感じにくい精神状態になってしまうのです。
腸活をすることで、幸福度が上がる効果も期待できそうですね。
→幸福度がアップするヴィパッサナー瞑想とは?やり方、効果を徹底解説
腸の働きを活性化させる腸活ヨガポーズ5選
ここからは、簡単にできる腸活ヨガポーズを5つご紹介します。
自立神経を整えるためにはいくつかのポーズを組み合わせて10分以上行うのがおすすめです。
また、深い呼吸も鍵となりますので、リラックスして鼻呼吸に意識を向けてみましょう。
コブラのポーズ
うつ伏せになり、上半身を起こすコブラのポーズは、腸を刺激するのに最適なポーズ。
胸を開くことで呼吸が深まりやすくなるので、副交感神経を優位にするのにも役立ちます。
- うつ伏せになります。足は腰幅に開き、足の甲を床につけます。
- 両手の平を胸の横へ置き、脇を締めます。
- 息を吸いながら両手の平で床をゆっくりと押し、顔から胸までを床から浮かせます。
- 息を吐きながら、肩の力を抜き、耳と肩を遠ざけます。
- 呼吸を続けながら、余裕があれば肘を伸ばしてぐっと胸を開きます。目線は斜め上へ。
- 3呼吸ほどキープしたら、息を吐きながら腕を曲げていき床に下ります。
無理に上体を反らせる必要はありませんので、自分のできる範囲で気持ち良くストレッチして、身体の緊張を緩めましょう。
→ヨガのコブラのポーズとは?得られる驚きの効果!正しいやり方を徹底解説
チャイルドポーズ
腰を反るコブラポーズの後には、チャイルドポーズで背中を丸めて負担を和らげてあげましょう。
チャイルドポーズはお腹の中にいる赤ちゃんのように身体を丸めるリラックスできるポーズです。
自分の呼吸の音が聞こえやすいので、耳を傾けてあげると心が休まり、自立神経を整えることができます。
- 四つん這いになり、両足の親指同士をつけます。
- 息を吐きながら腰を落としていき、かかとの上に座ります。両手は前方に楽に伸ばし体側を伸ばします。(もしくは、両手を下げてかかとのあたりで手の平を上向きにして置きます。)
- 額を床につけ、腰が軽く丸まった状態でリラックス。
- 3~5呼吸ホールドして、ゆっくりと顔を上げます。
柔軟性に自信がなく脚に違和感がある場合は、太ももの裏とふくらはぎの間に畳んだタオルなどを挟みましょう。
→ヨガのチャイルドポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
うさぎのポーズ
うさぎのポーズは自律神経の乱れを整えるポーズとして知られています。
リフレッシュにも最適で、行うとスッキリと頭が冴えてきます。
準備ポーズ
- かかと同士をつけ、膝を開いた正座で座ります。
- 両手を身体の後ろで組みます。組んだ手を身体から離していき、肩甲骨を寄せます。
- 何度か繰り返して、肩甲骨回りをほぐしてから始めましょう。
- かかと同士をつけ、膝を開いた正座の状態で両手を床につき、床に頭頂をつけます。
- 安定したら両手を身体の後ろで組みます。
- 息を吐きながらお尻を持ち上げ、肩甲骨を寄せて組んだ手を天井へ上げます。
- 3呼吸ほどホールドして、息を吐きながらゆっくりと正座の状態に戻ります。
- 最後に手をほどき、呼吸を整えます。
首に負担がかかるポーズなので、無理のない範囲で行ってみてください。
→ヨガのうさぎのポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
ガス抜きのポーズ
腹部に適度な圧がかかるガス抜きのポーズは、その名の通り“ガス(おなら)”を出すのに最適なポーズ。
家で行う場合は恥ずかしがらず、自分の身体の反応に従ってみてください。
緊張状態が続き、固くなった背中をほぐすのにも効果的なポーズです。
- 仰向けに寝て、背中全体を床につけ、脱力します。
- 両足を曲げて、両ひざを胸の前で抱えます。
- 1~3分程度、深く力強い呼吸を続けます。
同ポーズの一番のポイントは深い呼吸、とても単純な動きでリラックス効果が高いので、寝る前にもおすすめです。
→ヨガのガス抜きのポーズとは?5つの効果と正しいやり方をご紹介
ハッピーベイビーのポーズ
ハッピーベイビーのポーズは、赤ちゃんが足をつかんでゴロゴロと遊ぶ姿を思わせるポーズです。
ガス抜きのポーズから移行しやすいので、そのまま行ってみてください。
股関節のストレッチとしても有効でリラックス効果も高く、自律神経に作用し、腸の動きも活性化されます。
- (ガス抜きのポーズからの移行)両手をほどき、膝を曲げたまま足を左右に広げます。
- 内側から足の裏に手の平を置き、つかみます。
- 手の重みで軽く足を身体に引き寄せ、すねを床に対して直角にしていきます。背中は縮こまらないように。
- 3~5呼吸ホールドします。左右に軽く揺れてもOKです。
腸活ヨガで腸機能を高めよう!
「腸活」が気になる方は、手軽に始められるヨガポーズを取り入れるのがおすすめです。
ヨガポーズならお金をかけずに短い時間でできて、しっかり効果を感じられますよ。
腸の働きが活性化されれば免疫力が上がる、痩せやすくなる、肌がきれいになるなど良いことづくし!
何より腹痛に悩まされることが減り、快適に過ごせるようになります。
ぜひ、腸活ヨガで日々を一新してみてください。