巻き肩は肩こりや血行不良を引き起こし、呼吸も浅くなることから「何となくだるい」といった原因不明な倦怠感の原因になることも。
今回は、巻き肩のデメリットについて解説し、巻き肩改善におすすめのヨガポーズをご紹介していきます。
巻き肩とは?
“巻き肩”は、肩が正常な位置よりも前に出てしまい、上半身全体が内側に巻かれている状態を指します。
正式な医療用語ではなく、スマホの普及と共にここ数年で使われるようになった新しい言葉です。
巻き肩の方が増えている原因は、スマホやパソコン作業で背中を丸めて画面をのぞき込むような姿勢を続けてることで胸の筋肉が縮こまり、背中にある肩甲骨周りの筋肉も凝り固まるためです。
そのままストレッチなどを行わずにいると、身体が歪んでいき、巻き肩によってさまざまな不調が起こることになります。
特に、デスクワークの方は8~9割が巻き肩になっていると思われます。
自分が巻き肩になっているかどうか判断できる、簡単な巻き肩チェック方法をご紹介します。
- 楽に立ち、両手を頭上に上げてぶらぶらと動かします(肩の力を抜くため)
- 両手を身体の横に下ろします
- 手の平の向きをチェックしましょう
この時、手の平の向きが後ろ、またはやや後ろを向いていたら巻き肩の状態です。
楽に腕を下ろしたときに、手の平が内側(身体の真横)を向くのが理想的です。
巻き肩のデメリット
現代人の多くがなってしまっている巻き肩は、放っておくと以下のような悪影響があるので要注意です。
肩こり、首こり、頭痛
巻き肩になると肩甲骨周りの筋肉が凝り固まり、肩こりや首こりといった症状に繋がります。
肩から首にかけての筋肉の緊張で起こる「緊張型頭痛」を引き起こす可能性も。
こういったお悩みは、どんなに高価なマッサージに行っても一時的にしか解決されません。
巻き肩で日常生活を過ごしていれば、あっという間にこりが生じ、頭痛も起こりやすくなってしまいます。
顔がむくみやすくなる
肩こりや首こりにより血流が悪化すると、顔周りにむくみが生じてきます。
なんとなく輪郭がぼやけてきた、顔だけ太ってきたという方は間違った姿勢によるものかもしれません。
すっきりとしたフェイスラインの小顔を目指すなら、巻き肩を改善し正しい姿勢を身につけるのが近道です。
→朝の5分で顔のむくみを解消するヨガ!シュッとした小顔になる顔のむくみ解消のヨガポーズ
疲れやすくなる
胸が縮こまった状態の巻き肩で過ごしていると呼吸が浅くなり、疲れやすくなってしまいます。
間違った姿勢で過ごしていると、バランスを取るためにあらゆる箇所の筋肉が緊張してしまうので必要以上に疲れてしまうのです。
巻き肩になっている限り、高いパフォーマンスを発揮できる“疲れない身体”を手に入れるのは難しいですね。
→疲労回復方法としてのヨガ!疲労回復に効果的なヨガポーズ3選
自律神経が乱れる
巻き肩の姿勢から呼吸が浅くなると、自律神経も乱れてしまいます。
常に浅い呼吸でいるのは、リラックスしたくてもできない状態を自ら作り出してしまうことを意味します。
「疲れが抜けない」「何となくだるい」「やる気がでない」といった原因不明の倦怠感も巻き肩が関係しているかもしれません。
→自律神経を整えるために効果的なヨガポーズ3選!ダルい、眠れないは自律神経失調性かも?
老けて見える
巻き肩の影響で姿勢が悪くなり、見た目年齢がぐっと上がってしまいます。
例えば60代の方でも背筋が伸びて綺麗な姿勢の方は若々しくエネルギッシュに見えますが、背中が丸まり首が前に落ち込んでいると一気に年齢を感じさせてしまいますよね。
それは20代や30代、40代の方にとっても同じことです。
→40代から始めるヨガ!ヨガで得られる40代にうれしい老化防止、痩せる…効果とは?
ぽっこりお腹になる、お尻が垂れる
巻き肩の姿勢は腹筋が全く使われていない状態のため、続けていればすぐにぽっこりお腹になってしまいます。
また、骨盤が後傾した姿勢になるのでお尻も垂れやすくなります。
スタイルを悪くしている要因は、日常の間違った姿勢にあることを疑ってみましょう。
→お腹痩せダイエットにオススメなおうちヨガ!即効でぽっこりお腹をへこますヨガポーズ3選
巻き肩の改善・矯正におすすめのヨガポーズ
では、巻き肩はどうやったら改善できるのでしょう?
ここからは巻き肩の改善や矯正におすすめのヨガポーズをご紹介していきます。
壁を使ったダウンドッグ
壁を使って行うダウンドッグは柔軟性に自信がない方でも取り組みやすく、腕への負担を軽減しながら胸を効果的に開き、肩甲骨の可動域を広げることができます。
壁を使ったダウンドッグのやり方
- 両足を肩幅よりやや広く開き、壁の前に立ちます。
- 両手を前方に伸ばし、5本指を均等に広げて壁につけます。
- 両手が腰の位置にくるまで一歩ずつ下がります。股関節から折れるように上半身を倒していきます。
- 息を吐きながら手の平で壁を押し背中と太もも裏を伸ばします。目線は床へ。
- 3~5呼吸ホールドし、ゆっくり元に戻ります。
骨盤はやや前傾させますが、極端な反り腰にならないように注意。無理にお尻を突き出すのではなく、背面を優しくストレッチしましょう。
→ヨガのダウンドッグとは?5つの効果と正しいやり方を徹底解説
パピードッグのポーズ(伸びをする子犬のポーズ)
気持ちよく伸びをする子犬のようなヨガポーズで、巻き肩で固くなったしまった胸を開き、背骨をストレッチしていきましょう。
パピードッグのポーズのやり方
- 四つん這いになります。肩の真下に手首、腰の真下に膝がくるように。
- お尻の位置は変えずに、両手を一歩前に歩かせます。
- 額を床に下ろし、息を吐きながら背面を気持ちよく伸ばします。腕を伸ばし、肘は浮かせておきましょう。
- 3~5呼吸ホールドし、ゆっくり元に戻ります。
やりにくさを感じたら脚幅を広げてみてください。また、おでこを床につけるのが難しいときは畳んだブランケットなどで高さを出しておきましょう。
チャイルドポーズ
ゆるやかに背中を丸めてリラックスできるヨガポーズです。
両腕を前に伸ばすことで、巻き肩で固まってしまった肩甲骨の可動域を広げることができます。
チャイルドポーズのやり方
- 四つん這いの姿勢で、両足のつま先同士をつけます。
- 息を吐きながら、お尻を後方へ移行していきます。
- 両足の上にお尻を乗せ、おでこを床に休ませます。両手はできるだけ遠くに伸ばします。
- 3~5呼吸ホールドし、ゆっくり元に戻ります。
両手を無理に伸ばそうとせず、肩の力を抜き、前方に楽に伸ばすのがポイントです。おでこを床につけるのが難しいときは、畳んだブランケットなどで高さを出しましょう。
→ヨガのチャイルドポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
キャット&カウ
背中を反らすキャットポーズと背中を丸めるカウポーズの相反する動きをくり返し行い、肩甲骨回りの筋肉や胸の筋肉を優しくほぐしていくヨガフローです。
キャット&カウのやり方
- 四つん這いになります。肩の真下に手首、腰の真下に膝がくるように。
- 息を吸いながら背中を反らせ、お尻を軽く突き出します。目線は斜め上へ。
- 息を吐きながら背中を丸め、お腹を引き上げます。目線はお腹を見るように。
- ②~③の動きを呼吸と連動させて繰り返します。5回程行いましょう。
コブラのポーズ
肩甲骨を寄せて胸を開くコブラのポーズです。
常に巻き肩になっている方は少し痛みがあるかもしません。無理のない範囲で行ってみてください。
コブラのポーズのやり方
- 足を腰幅に開き、足の甲を床につけ、うつ伏せで寝ます。
- 腕を胸の横へ置きます。脇は締めておきましょう。
- 息を吸いながら、両手で床を押して上半身を起こしていきます。肘はやや曲げた状態です。
- 胸をぐっと開き、3~5呼吸ホールドします。目線は正面よりやや上へ。
- ゆっくり元に戻ります。
強く反ることよりも胸を開くことを意識してみましょう。また、肩に力が入りやすいポーズです。耳と肩を遠くに離すイメージを持ち、首を長く保ちましょう。
→ヨガのコブラのポーズとは?得られる驚きの効果!正しいやり方を徹底解説
木のポーズ
バランスを取ることで体幹を強化する木のポーズも巻き肩改善に効果的です。
体幹を鍛えることで、正しい姿勢を保ちやすくなります。
木のポーズのやり方
- 両足を揃えて真っすぐ立ち、両手を腰に添えます。目線は真っすぐ前へ。
- 右足のヒザを外側に開き、右足の裏を左足の内側につけます。位置は低くてもOK。可能なら太ももの付け根まで上げていきます。
- 両手を左右から回し上げ、耳のすぐ横まで持ち上げます。
- バランスを保ちながら3~5呼吸ホールド。
- ゆっくり脚を下ろし、反対側も同様に行います。
下っ腹に軽く力を入れ、頭上から引っ張られるイメージを持ちましょう。また、両足同士を少し押し合うようにすると、軸が整いバランスが取りやすくなります。
→ヨガの木のポーズとは?驚くべき4つの効果と正しいやり方を徹底解説
仰向けの合蹠のポーズ
プロップスを用いて全身を委ねた状態で5~10分ほどホールドすることで筋肉の緊張をほぐし、心身共に回復させていきます。
プロップスの代わりに、丸めた大判のバスタオルを使います。
仰向けの合蹠のポーズのやり方
- 丸めたバスタオルを真っすぐ縦に置きます。
- 背骨が丸めたバスタオルの真上に乗るようにゆっくりと仰向けになります。後頭部はバスタオルの上、もしくは顎を軽くあげて床へ下ろします。(好きな方でOK)
- 両腕は手の平を天井に向けて、脇をやや開き、体の横に置きます。
- 両足の膝を曲げて立て、左右に開き倒します。リラックスして呼吸を続けましょう。
足を開くのが難しく感じる場合は膝を立てた状態でもOKです。胸を気持ちよく開き、呼吸を深めましょう。
→ヨガの合蹠のポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
ヨガで巻き肩を改善して姿勢美人になろう!
見た目が老け、スタイルが悪くなる巻き肩。
あらゆる不調の元凶にもなっているので放置してはいけません。
今日からさっそく簡単なヨガポーズを取り入れて、周囲に差がつくヘルシーな身体を手に入れましょう。