日本人女性のおよそ10%が”鉄欠乏性貧血”を発症するとも言われてます。
妊娠・出産・月経などライフステージにおいて貧血になりやすい状態も多くあります。
またダイエットや偏食による貧血も心配。
今回は、貧血にお悩みの方へとるべき栄養素と食材や簡単レシピを解説します。
貧血とは?
貧血の種類はいくつか分類されますが、ほとんどの割合が「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるものです。
これは赤血球に含まれるヘモグロビン(血色素)が低下した状態です。
ヘモグロビンは酸素を運搬する働きがあるため、低下してしまうと息切れや頭痛、疲れやすさ、動悸、ふらつきなどの症状を招くことになります。
貧血が起こる原因としては、
- ダイエット
- 偏食
- 妊娠や授乳などによる需要の増加
- 生理
- 子宮筋腫などの婦人科疾患
- 胃潰瘍、胃がん、大腸がんなどの消化器系の疾患などによる慢性的な出血
などが挙げられます。
消化器系疾患のように原因疾患がある場合には、それに対して治療を行います。
それ以外の場合には、食生活の改善が必要に!
食事での改善が難しい場合は点滴や医薬品、サプリメントなどにより改善を図ります。
このように医療機関での治療が必要になることも多いですが、まずは食生活の見直しを行ってみましょう。
貧血に必要な栄養素3選とおすすめ食材
では、貧血でお悩みの方に必要な栄養素3選をお伝えします。
①鉄分
貧血といえば、まずは鉄分です!
さらに鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄に分類されます。
ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
ヘム鉄
吸収率が高い(10~20%)
動物性食品に多く含まれる(赤身のお肉やお魚)
非ヘム鉄
吸収率が低い(2~5%)
野菜や穀類に多く含まれる(ほうれん草、ひじきなど)
ヘム鉄と非ヘム鉄にはこのような違いがありますが、大きな特徴は吸収率の違い!
せっかく食べるのであれば、吸収率の高いヘム鉄を食事からも摂取したいですね。
では、鉄分の必要量はどれくらいでしょうか。
カラダの代謝によって、成人男性では約1mg、女性では約0.8mgの鉄が1日に損失しています。
さらに女性は月経により、1日あたり約0.5mgの鉄が損失しています。
1日に必要な鉄の推奨量
- 成人男性:7.0~7.5mg
- 成人女性:6.0~6.5mg(月経なし)、10.5~11.0mg(月経あり)
- 妊婦初期:+2.5mg
- 妊婦中期〜末期:+15.0mg
- 授乳婦:+2.5mg
このように、性別やライフステージにおいて必要な鉄分量は異なってきます。
毎日損失している鉄分ですので日々の摂取が必要ですね。
②ビタミンC
貧血にビタミンCは意外な栄養素でしょうか?
鉄の吸収を高めるためにビタミンCは必須の栄養素です。
緑黄色野菜や果物など、鉄分の多い食材と一緒に取ることでその効果を高めてくれますね。
③たんぱく質
ヘモグロビンは主に鉄を含む「ヘム」という色素と、たんぱく質が結合(ヘムたんぱく質)してできています。
そのため、ヘモグロビンを作る重要な材料です!
先ほどのヘム鉄を多く含む食材では、赤身のお肉やお魚を挙げましたがこれらはたんぱく質が豊富な食材でもあります。
たんぱく質とヘム鉄の同時摂取ができる食材を見つけてみるのはいいですね。
補足:ビタミンB12・葉酸
貧血の中でも鉄欠乏性貧血ではなく「巨赤芽球性貧血」と診断された場合は、ビタミンB12や葉酸の摂取が必要になることがあります。
場合によっては注射での治療を開始することもありますので、医師の指示に従いましょう。
貧血におすすめな食材
レバー、カツオ、マグロ、赤身肉、レモン、あさり(水煮缶)、がんもどき、ピーマン(パプリカ)、ブロッコリーなど。
貧血におすすめな簡単レシピ3選
貧血に必要な栄養素や食材を考慮した上で、おすすめな簡単レシピを紹介します。
カツオのカルパッチョ風サラダ(2人分)
- カツオ(刺身用):120g
- 玉ねぎ;1/2個
- 水菜:1束
- パプリカ:1/4個(赤と黄色どちらもあれば彩りが綺麗です)
- ポン酢:適量
- オリーブオイル:大さじ1/2
- おろし生姜:お好みで
- 柚子胡椒:お好みで
- 玉ねぎはスライス、パプリカは1cm角、水菜は食べやすい長さに切り野菜を準備する。
- カツオと野菜を盛り付け、混ぜ合わせた調味料をかける。
もちろんカツオのたたきとして食べていただくのも良いですが、より鉄分を摂取できるようにパプリカ(ビタミンC)と水菜(意外と鉄分もある野菜)を加えてます。
おかずとしても、サラダとしても食べれる一品でオススメですね。
より鉄分の吸収をアップするには、レモン絞りをかけてみるのもさっぱりと召し上がれるのでオススメです。
牛肉とブロッコリーの炒めもの(2人分)
- 牛肉(できれば赤身):200g
- ブロッコリー:1/2房
- 片栗粉:大さじ1
- オイスターソース:小さじ2
- 鶏がらスープの素:小さじ2
- 醤油:小さじ2
- 料理酒:小さじ2
- 油:適量
- 牛肉は片栗粉をまぶし、調味料は合わせておく。
- ブロッコリーは小房に切って、耐熱容器にのせ大さじ1の水をかけラップをして、600w1分30秒で加熱する。(少し柔らかくなればOK)
- フライパンに油をしき、牛肉を炒める。
- 牛肉に火が通ればブロッコリーと調味料を加え、味を整える。
牛肉(赤身)をブロッコリーの組み合わせで、貧血レシピに最適です。
お好みで牛肉をレバーに変えても、貧血対策にはばっちりの一品が仕上がりますよ。
あさりの炊き込みご飯
- 米:2合
- あさりの水煮缶:1缶
- 生姜:1かけ
- 青ねぎ:お好みで
- 料理酒:大さじ1
- 醤油:大さじ1
- みりん:大さじ1
- 米はといでざるに上げ、水けをきる。生姜は千切りにしておく。
- 炊飯器に米、あさりの水煮缶(汁も)、調味料、生姜を入れて2合炊きの目盛りまで水を足して炊飯する。
- 炊き上がったら盛り付け、お好みで青ねぎをのせる。
メインのご飯のアレンジレシピです。
あさりは水煮缶が鉄分豊富でオススメ!
汁ごと炊飯器に入れれば大丈夫なので、下処理要らずで簡単です。
すべて1人暮らしの方や時短を目指したい方、料理が苦手な方でもさっと作れる一品ですので、よかったら作ってみてください。
貧血は日頃の食事でセルフケアを行っていきましょう
貧血予防や対策は日常の食事改善が大切です。
鉄分は毎日損失してしまうため、日々の食事からしっかり補うことが秘訣。
食材やレシピを参考に、日常生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。