特に今のご時世、心配事・悩み事からの精神的疲労や長時間のデスクワークなどで視神経・脳の緊張状態が続くことでの神経的疲労を感じることも多いでしょう。
これらは改善するのがなかなか難しく、悩ましいですよね。
それともうひとつの疲労である“肉体的疲労”。
肉体的疲労は文字通り、体の酷使や睡眠不足、栄養不足などによって引き起こされる疲労なのですが、生活習慣によるところが大きく、ヨガのような動きやライフスタイルの見直しによって軽減させることができるでしょう。
そこで今回は、疲労との関係大な肝臓を元気にするヨガのポーズを3つと、生活習慣の注意点についてお話していきたいと思います。
肝臓は「沈黙の臓器」だからこそ、意識を向けて
肝臓は、体の右側・横隔膜の下あたりに位置していて、重さは約1~1.2kgと腹部のなかでは一番大きな臓器です。
そして、糖・脂質の代謝や老廃物の分解・解毒、胆汁を生成して分泌するなどの働きを担っているのですが、痛みや不調などの自覚症状がないことから“沈黙の臓器”とも呼ばれています。
では、疲労と肝臓の関係とは?
人の体は老廃物が溜まると疲れを感じるようになるのですが、それを処理してくれるのが肝臓です。
つまり、肝臓が疲れていたり、働きが悪くなっていたりすると、老廃物が体内に滞って疲れやだるさを感じるようになるのです。
それでは、疲れた肝臓を元気にするにはどうしたらいいのでしょうか。
肝臓を元気にするヨガポーズ3選
肝臓をはじめとする臓器が疲れていると、その周辺の筋肉も収縮して伸びにくくなると言われています。
そこで、ヨガの出番。
下記のようなポーズを用いてゆるゆると気持ちよく、体の内・外側から元気を取り戻す手助けをしてあげましょう。
「猫の伸びのポーズ」
やり方
- 四つ這いになる
ポイント
- 手は肩幅、足は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつく
- 腰が反りすぎないように、へそを引き上げる
- 両ひじを肩の下についたら、手を前に滑らせて脇の下を伸ばしきる【猫の伸びのポーズ】~5呼吸繰り返す
ポイント
- 胸とあごを床につける(難しい方は、あごではなく額をつける)
- お尻の位置はひざの上、下腹部と一緒に軽く引き締める
- 四つ這いに戻り、両腕を右斜め前に伸ばす~5呼吸繰り返す
ポイント
- ひざは正面に向けたまま
- 四つ這いに戻り、両腕を左斜め前に伸ばす~5呼吸繰り返す
ポイント
- 肝臓が位置する右の体側の心地よい伸びを感じましょう
「針の糸通しのポーズ」
やり方
- 四つ這いになり、右手のひらを上に向けたら左脇の下をくぐらせる
ポイント
- 腕は肩の下の位置
- 右肩とこめかみを床につけ、左腕を天井方向に持ち上げる~5呼吸繰り返す
ポイント
- 左腕をややうしろに引いて、胸を開く
- 四つ這いに戻り、反対側も同様におこなう
ポイント
- 重心が左右に偏らないように、お尻の位置を真ん中に保つ
→針の糸通しのポーズとは? 4つの効果と正しいやり方を徹底解説
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「聖者マツィエンドラのポーズ」
やり方
- 両足を前に伸ばして座ったら、左ひざを立てて外に倒し、右足はその上からクロスさせて左足の外側に足裏をつく
ポイント
- 腰を丸めず、骨盤を立てて座る
- 左右の坐骨に均等に体重を乗せる
- 左腕を頭上に伸ばし、上体を右にねじる
ポイント
- 右手はカップハンズ(指先をつく)で後方に引く
- 左ひじを右ひざの外側にかけ、ねじりをさらに深める~5呼吸繰り返す
ポイント
- ひじでひざを押す力を使って、ねじる
- 右肩をスッとうしろに引いて、目線は後方に向ける
- 反対側も同様におこなう
→ヨガの聖者マツィエンドラのポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
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肝臓は体の右側に位置するので、いずれのポーズも右側を伸ばす・ねじるときにひと呼吸分長くキープしてみるのもよいでしょう。
肝臓を元気にする生活習慣
最後は、肝臓を元気にする生活習慣です。
バランスのよい食事
糖分・脂肪分の摂りすぎに気を付け、良質なタンパク質をバランスよく摂取することで肝機能の向上に期待できると言われています。
それと、食べすぎは肝臓への負担になるので、腹八分目を心がけるといいでしょう。
近頃は、「欠食をして、次の食事でたくさん食べてしまう」という方も多いようなので、今一度食生活の見直しを。
ストレスを溜め込まない
ストレスによる自律神経の乱れは、肝臓の働きに影響してきます。
適度な運動をする、ぬるめの湯に浸かるなど、ストレス発散方法を見つけたり、リラックスして気分転換できる時間を増やしたりしてみましょう。
質の良い睡眠を
睡眠は、体内の新陳代謝や消化系の機能を維持するためにも欠かせません。
睡眠時間を長く取れない方も、その質を高めるために
- 入眠・就寝時間をなるべく変えない
- 寝具や寝室の環境を整える
- 眠る前のスマートフォンの使用を控える
など、できることから取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
疲労感が抜けないというのはそれだけでもツラいことですが、やる気や集中力、作業効率が低下したりして、またそこから新たな疲労が生じるという悪循環にも陥りがちです。
とは言っても、日々の生活と疲労は切り離すのが難しいでしょう。
それなら、少しでも“軽減”させるために、ヨガや生活習慣の見直しをしてみてはいかがでしょうか。