さらには生活の面でもさまざまな変化が起こるのが春ですから、身体も心も長期間緊張状態でグッタリ…。という方も多いのではないでしょうか。
ここ最近、疲れが取れにくい、胃腸の調子が悪い、寝付きがよくない、身体が冷えるなどの症状に心当たりがある方は自律神経のバランスを整える効果に期待されるヨガの「キャットアンドカウ」のポーズを取ってみるといいかもしれません。
ヨガの「キャットアンドカウ」のポーズとは?
ヨガの「キャットアンドカウ(マールジャーラ・アーサナ)」というポーズがあります。
サンスクリット語で“マールジャーラ”は猫の意味。四つ這いの姿勢から背中を反らせたり、丸めたりするのですが、正確には「反る→牛のポーズ」「丸める→猫のポーズ」で、その動きを交互に繰り返すことを「キャットアンドカウ」といいます。
身体の胴体部分をゆったりと動かすこのポーズは、自律神経が集中する背骨のまわりをほぐすのにオススメなだけではなく、次のような効果にも期待することができます。
「キャットアンドカウ」で得られる4つの効果
それでは、「キャットアンドカウ」で得られる効果についてお話していきましょう。
自律神経のバランスを整える
交感神経と副交感神経からなる自律神経は、背骨と密接な関わりがあります。
背中を反らせたり、丸めたりする動きはその背骨を刺激してくれるので、自律神経のバランスを整える効果に期待されているのです。
ほかにも、生活リズムを整える、バランスのよい食事を心がける、体温調節しやすい服装をする、ストレス解消法を見つけるなど自律神経のバランスを整える方法はいくつかあるので、あわせて取り入れてみてはいかがでしょうか。
→自律神経を整えるために効果的なヨガポーズ3選!ダルい、眠れないは自律神経失調性かも?
内臓機能を高める
「キャットアンドカウ」のポーズは、腹部の動きにも意識を向けて行ってみてください。
「反る」ときは伸ばし、「丸める」ときは縮める、この繰り返し。
そしてそこに呼吸も合わせていくので、腹部の動きがより大きくなって内臓が刺激され、その機能を高める効果に期待できるのです。
「反る」ときは息を吸ってお腹を膨らませ、「丸める」ときは息を吐いてお腹をへこませるように おこなってみてください。
ただし、腹部の動きが大きいポーズなので食後すぐにおこなうのは控えること。
→内臓機能を高めるおすすめヨガポーズ3選!ヨガで内臓を元気に保とう
呼吸機能を高める
ストレスや疲れが溜まっているとき、呼吸は浅くなりがちです。また、最近ではスマートフォンやパソコンの長時間使用によって猫背になり、深い呼吸がしにくい姿勢が癖になっている方も多いでしょう。
「キャットアンドカウ」では、呼吸をするときに動く胸のまわりや背中の筋肉のストレッチもするので、深くて長い呼吸を取り戻したい方にもオススメです。
呼吸が深まると心も身体もリラックス状態になるので、心身ともによい循環が生まれるでしょう。
肩こりの改善
デスクワークなどで長時間同じ姿勢のまま過ごすことが多い方は、肩が内側に入り、肩甲骨が外側に広がった状態が長く続くでしょう。
その結果、肩甲骨周辺の血流が悪くなり、筋肉が硬くなって肩こりを引き起こす原因になります。
「キャットアンドカウ」は、肩甲骨を寄せたり、広げたりする動きを繰り返すので肩凝りの改善にも効果的だと言うことができます。
ここでお伝えした代表的な効果は4つですが、骨盤が動きやすくなることで腰痛や身体の歪みの改善にも期待できるでしょう。
「キャットアンドカウ」の正しいやり方
それではさっそく、「キャットアンドカウ」のポーズを実践してみましょう。
(1)四つ這いになる
ポイント
- 手は肩幅、脚は腰幅に開き、肩の下に手首、股関節の下にひざをつく
- 背中が反り過ぎないように、ヘソを引き上げて平らにする
- 足の指は立てておく
(2)息を吸いながら背中を反らせ、目線を斜め上に向ける
ポイント
- 骨盤を前傾させ、背骨が緩やかなアーチを描くように呼吸に合わせてゆっくりと動かす
- 肩をうしろに引いて、首筋を長く保つ
- 首や腰だけが反らないように気を付ける
(3)息を吐きながら背中を丸め、ヘソをのぞき込むように目線を下げる
ポイント
- 手の親指の付け根でしっかりと床を押し、肩甲骨・お腹を高く持ち上げる
- 骨盤は後傾した状態、尾骨は床のほうへ引き下げる
この動きを呼吸に合わせて5回ほど繰り返します。
次の写真のように手を肩よりも前についてしまうと、十分な伸び縮みができないだけではなく、身体を痛めやすくなるので気を付けましょう。
ポーズは、身体に不調や痛み、違和感があるときは無理におこなわないでください。
キャットアンドカウのポーズを取り入れて体調改善!
ヨガのポーズのなかでも比較的簡単におこなうことができる「キャットアンドカウ」。
春の心身の不調を改善するのに役立ってくれるポーズでもあるので、自宅でのヨガやストレッチタイムに取り入れてみてはいかがでしょうか。
※ 注意事項を守りながら、安全におこなってください。