ショーツがすっぽりお尻を包んでくれず、お尻のお肉がはみ出してしまう。
お尻と太ももの境目がなくなってお尻じゃなくて「あしり」状態。
お尻の形は桃ではなくピーマン。
ヒップに関する悩みは年齢とともに増えるようです。
そろそろ補正下着デビューしようかしら?と思っている人も、まずはこの記事を読んで美尻作りにトライしてみてください。
お尻はトレーニングするほど効果が現れやすいパーツです。
あなたのお尻はどんな形?理想のお尻の形とは?
いわゆる「桃尻」と呼ばれる形が理想のヒップ。
最近女性たちの美意識はどんどん上がっていて、理想的なヒップのサイズも身長から計算できるようになっています。
よく知られるのが「身長×0.53」という数式。
これで算出される数字があなたにぴったりのヒップサイズということ。
例えば、160cmの女性であれば理想のヒップは84.8cmになります。
さらにウエストよりもヒップの方がやや大きい(横から見た時には1:4、前から見た時には1:3)と、全身のプロポーションバランスが整うとされます。
お尻そのものを見た場合は、丸みと立体感のあるシルエットが理想的です。
最近はヒップトップが上向きであることや、ショーツを履いた時の上のラインに現れる小さい窪みである通称「ビーナスのエクボ」にも注目が集まります。
どうして加齢とともにお尻は下がるの?
ヨガをしている人なら耳にすることも多い筋肉名に「大臀筋」「中臀筋」「小臀筋」「梨状筋」「内転筋」「骨盤底筋群」などがありますが、これらの筋肉はすべてお尻や骨盤周りに集まっています。
お尻エリアにはこれほど多くの筋肉があるのに、私たち日本人は座っている時間が長かったり、日常生活で立ったり歩いたりする時にもお尻の筋肉を上手に意識できていなかったりするため、お尻の筋肉がうまく使われることなく、どんどん衰えていく傾向にあるのです。
ガードルや補正下着も悪くはないですが、まずは自前の筋肉をしっかり目覚めさせ、筋肉でセルフガードルを作った方が健康的です。
お尻周りの筋肉は、すべてではありませんが手で触ることができます。
なるべく意識的に鍛えるために手で触れながらヒップトレーニングを取り入れると良いですし、時間がなければ、立ち方や歩き方を意識するだけでも毎日の生活の中でお尻は鍛えられます。
ちなみに、叶姉妹などの有名人の中には座るときにお尻を潰さないようにヒップの形を一度整え、ヒップトップは決して座面につけないように椅子の浅い場所にほんの少しお尻と太ももの境目あたりを乗せるだけ、と公言していたりします。
また、お尻の筋肉を意識するためにあえてタンガ(いわゆるTバック)ショーツを履くようにしている方も少なくありません。
ヒップアップのためのエクササイズは無限にありますが、やはり日常生活で「意識」し続けることが大切と言えるでしょう。
お尻が垂れている人、離れている人は「坐骨」が離れている可能性が大!
「お尻を意識すると言っても、叶姉妹のように座り続けたり、意識し続けたりするのは難しい」と思われるかもしれません。
ただ、ヨガをされている方であれば、次のことを意識するだけでお尻の形が簡単に変わります。
それは「坐骨を寄せる」意識です。
坐骨とは、座るときに座面に当たるゴツゴツした骨のこと。骨盤の一部です。
坐骨は左右のお尻に一つずつあり、手で触れることができます。
この2つの坐骨の距離が離れてしまうと、どんどん骨盤が開き、お尻の筋肉が左右に伸びて、さらに下方向に下垂していきます。
つまりピーマン尻・垂尻になるのです。
坐骨を寄せるだけで繋がっている骨盤底筋群と内転筋も一緒に引き上がるのでそれだけでお尻だけでなく尿もれ対策などにも効果があります。
お尻の形に自信がない人、下半身全体が外側に張り出していたり、浮腫んでいたり、O脚気味の人は、坐骨が離れている可能性が高いので鏡を見てチェックしてください。
「坐骨を寄せる」具体的なやり方を解説
それでは実際に「坐骨を寄せる」にトライしてみましょう。まずは立っている姿勢で坐骨を寄せてみます。
- 真っ直ぐに立つ
- 坐骨をそれぞれの手で触る
- その坐骨を肛門に向かって寄せる
これだけですが、坐骨を寄せると以下の変化が同時に起こるはずです。
以下の変化が同時に起こっていれば坐骨を寄せられています。
- 膝が正面に向き、外体重が内体重になる
- 鼠蹊部が正面に伸びる
- ヒップに立体感できエクボができる(とはいえ腰を反ったわけではない)
- 下腹が引き締まる
- 腰が立つ
ヨガの基本の立ちポーズ「タダアーサナ」の脚の使い方とほぼ同じです。
この状態で立つ・歩くとヒップの形はどんどん変わり、しかも上がってきます。
坐骨を寄せたのに、上記に紹介した他の効果が得られないのであれば、それは坐骨を寄せているのではなく肛門を締めているだけなのではないでしょうか。
坐骨を締めることと、肛門を締めることは似ているようで異なります。
肛門を締めるだけでは脚のラインや体幹の感覚は意識できません。
あくまで坐骨を寄せながら足(脚)からお腹まで整えていくことが全身に効果を与える鍵となります。
何度か繰り返して感覚を掴めるまで練習してみてください。
そして、立った姿勢で坐骨を寄せることに慣れてきたら、座る時も坐骨を寄せるように意識しましょう。
それだけで下腹部はいつも引き締まり、背筋が伸びるので背もたれを使わずにいられます。
坐骨を寄せる感覚がわからない?前屈が苦手では?
ヨガクラスで教えさせていただくときにも、坐骨を寄せる感覚がわからない人が少なくありません。
その方々はたいてい前屈・開脚が苦手です。
坐骨がわからない・前屈や開脚が苦手な人は、骨盤が後ろに倒れがちで、太ももの後ろの筋肉(ハムストリングス)が硬く短くなっている傾向があります。
座った時に骨盤を立てられるようになるには坐骨を床に垂直に置く必要がありますが、その感覚がなかなか掴めずまるでテディベアのような座り方になるのです。
このタイプの人は、まずは太ももの後ろを伸ばす立位前屈を行いましょう。
その時に最初は膝の裏が曲がっていると思いますが、膝の裏を痛めない程度に押し出すようにすることで腿裏をストレッチし、同時に坐骨を天井方向に押し上げる感覚を取り戻しましょう。
そして、お尻を天井に向けた状態で、手で触れながら坐骨の存在を確認します。
この練習をした後に、立つ時にも座る時にも坐骨を寄せる意識を持つようにすると良いでしょう。
まとめ
坐骨を寄せる意識を取り入れるだけで姿勢は変わり、ヒップの形は変わります。
ヨガのポーズでも猫の足上げ、カエルポーズ、スクワット、橋のポーズなど、ヒップアップに効果的なポーズはたくさんありますが、どのポーズを行うときも坐骨を寄せる意識を持って行うと効果が倍増します。