ヨガインストラクターはピル愛用者が多い。本当に大丈夫?

ヨガをする人からも注目されている『ピル(経口避妊薬)』。

「飲んでみたいけれど副作用が怖い」「どうやって買ったらいいのかわからない」という人が多い様子。

ヨガインストラクターでピルを服用している人は案外少なくありません。

担当レッスンと生理が重なると辛いですし、特にホットヨガや岩盤ヨガ、サップヨガなどは水着レベルのウェアを着用するので、ナプキンはストレス。

そういった理由からピル使用に踏み切る人が少なくないのです。

ここではピルの効果・副作用、そして入手方法などを詳しくご紹介。

そもそもピルってどんなお薬なの?

そもそもピルってどんなお薬なの?

今はネットでも簡単に購入できるので、サプリメントのように手軽にはじめることができるピルですが、ピルは医薬品で医師の診察がなければ処方されないものです。

ピルに含まれる成分は「合成ホルモン」で、ピルを服用することで女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンの働きを抑え、卵巣を休ませる状態にすることで排卵を起こさないようにコントロールするお薬です。

同時に、子宮内膜は約1ヶ月かけて厚くなり、剥がれて月経となりますがこの働きも合成ホルモンを摂取することで抑えられるので、月経は起こりますが、経血はほんのわずかで、子宮内膜が厚くならないので精子が入ってきても着床しにくい状態が維持され避妊効果が得られるという仕組みです。

なぜピルが注目されている?避妊以外の目的で使う人が急増

なぜピルが注目されている?避妊以外の目的で使う人が急増

ほんの数年前までは「ピル=避妊薬」というイメージが強く、日本女性の間ではピルはなかなか普及しないとされていました。

ところがここ数年「ジェンダー問題」や「フェムテックブーム」が起こり、ピルを摂取していることをカミングアウトするインフルエンサーも増え、ピルが単なる避妊薬ではなく、女性にとって非常に有効である薬であることが理解されるようになり、多くの女性がピルに関心を持つようになっているのです。

ピルの避妊以外の具体的な効果として、

  • 月経周期が規則正しくなる
  • 月経痛やPMSが緩和される
  • 月経血の量が激減する
  • ニキビが改善する
  • 子宮内膜症が改善する

といったものが挙げられます。

ヨガインストラクターの場合、特に月経血の量が激減することとPMSに振り回されなくなることはメリットです。

月経痛やPMSの諸症状には大きな個人差があり、周囲から理解を得ることは大変であるだけでなく、自分自身が「ホルモンによる波」に振り回されることは大変なストレスです。

しかし、ピルを飲むことでホルモンを安定させることができるので「ホルモンバランスの変化」によって起こるさまざまな不調を感じにくくなります。

筆者自身も20代中盤から30代中盤までの10年に近い間ピルを摂取していましたが、特に妊娠を望んでいない女性であれば、ピルにはメリットの方が多いと言って良いと実感しています。

ピルの副作用とピルの種類について詳しくなろう

ピルの副作用とピルの種類について詳しくなろう

もちろんお薬ですから、ピルには副作用もあります。

とはいえ、ほとんどがいわゆるマイナートラブルと言われるもので、数ヶ月のピルの継続摂取で慣れて喪失するのがほとんどです。

具体的には「吐き気」「不正出血」「乳房痛」「むくみ」など。

ただし、ピルの種類によっては「吐き気」などが強く出ることがあります。

一般的に医師から処方されるピルのほとんどが「超低容量ピル」か「低容量ピル」になりますが、特に「超低容量ピル(通称ミニピル)」では女性ホルモンのエストロゲンが全く含まれていないので、ほとんどマイナートラブルは報告されておらず、「低容量ピル」でも最初の1ヶ月で収まるケースがほとんどです。

一方、「中容量ピル」や「高容量ピル」と言って、一錠の中に含まれるエストロゲンの量が多くなるほど副反応が強く出る傾向にあります。

「中容量ピル」を摂取するケースは生理日を移動させたい(旅行時など)、子宮内膜症などの治療目的に処方されることが多く「高容量」は月経困難症や月経周期異常の治療で処方されるものです。

私も月経移動の目的で中容量を摂取した時は、普段から低容量を摂取しているのに吐き気があったことに驚きました。

また、あまり知られていないことですが、ピルを摂取することで「肝斑(シミ)」ができやすくなるという報告もあります。

肝斑は閉経を迎えると落ち着く症状の一つで、女性ホルモンが原因とも考えられていることから、ピルを飲むことでシミができやすくなると推測されます。

しかし、この因果関係は明確にされておらず、万一ピルを飲んでしみが増えたり濃くなったりしていると感じた場合は皮膚科で別途相談をするしかありません。

ピルを飲めない人、飲んではいけない人っているの?

ピルを飲めない人、飲んではいけない人っているの?

基本的にピルは1日15本以上タバコを吸う人、高度の肥満者、血栓症や高脂血症、子宮頸がんや乳がんのある人、肝機能障害や腎臓の働きが悪い人などが摂取できません。

また、40代を超えてくると低容量ピルを摂取することで血栓症のリスクが高まるため、ピルを摂取するかどうかについて慎重にならなくてはなりません。

ミニピルであれば40代以降、授乳中、喫煙者、肥満者など、通常はピルを摂取できない人にも処方可能とされますが、飲み忘れた際の避妊効果は著しく低下します。

いずれにせよ、最近はオンラインなどで気軽にピルを購入できるようになっていますが、ピルを摂取している期間は半年に1回血液検査をすることが推奨されており、ピルを摂取していることで体内に異常が起こっていないかを調べることが重要です。

特に低容量ピルはガンの発症リスクを高める可能性も指摘されていますので、定期的な検査は必須でしょう。

筆者も半年〜1年に1回は必ず血液検査を受けてピルの継続摂取をしていました。

オンラインピル処方ってどうなの?婦人科での処方との違いは?

オンラインピル処方ってどうなの?婦人科での処方との違いは?

個人的にはオンラインピルは非常に良い取り組みだと思いますが、やはり医師と対面で話をして処方してもらう方が絶対的に安心で、また何よりリーズナブルだと思います。

オンライン診療で安いことを謳っているサイトが多くありますが、一般的な婦人科でもワンシート(1ヶ月分)3,000円前後で入手できます。

もちろん初診料や検査料が乗る月もありますが、それでも安心には変えられません。

サイトを見ても、結局は婦人科での処方の方が安い場合がほとんど。

また、医療機関であれば1回の診察で3ヶ月分くらい処方してくれますし、定期検診の案内もしてくれます。

ピルを摂取してトラブルを起こしているケースのほとんどが「間違った飲み方をしている」「適当な飲み方をしている」「定期検診を受けていない」「よくわからないピルを飲んでいる(海外製や、偽造薬物など)」といったケースです。

ピルはあくまで医薬品であり、医師の処方によって、医師と二人三脚で体調をコントロールするために飲むものと理解すべきです。

最近の婦人科は女性医師のみ・女性専門のクリニックも増え、妊娠出産以外の利用者が多いクリニックも増えています。

かかりつけの婦人科を見つけておくと30代以降は非常に安心です。

ピルを飲んでいる間の月経ってどんな感じ?

ピルを飲んでいる間の月経ってどんな感じ?

ピルを飲んでいる間の月経は本当に驚くほど楽になります。

月経期間は長くても3日くらい。

しかも、その3日の経血量も「パンティライナー(おりものシート)」で済む程度の軽いものです。

月経期間であることに間違いはないですが、腹痛や腰痛、気分の落ち込みなどとはほぼなくなります。

生理が憂鬱、何もできない、そんな人ほどピルを一度試してみると、毎月のブルーデイをハッピーデイに変えられるはずです。

そのほかの注意事項は?

そのほかの注意事項は?

ピルには排卵・月経を抑える効果があっても「性感染症」を抑える効果はありません。

そのため、避妊目的でピルを摂取していたとしてもコンドームはしっかり使うべきです。

また、逆に妊娠を望むようになった場合は、生理を復活させる必要がありますが、正常な生理を取り戻すまでにかかる期間なども医師に相談する必要があります。

まとめ

ヨガインストラクターはピル愛用者が多い。本当に大丈夫?

正しく使えば、間違い間違いなく女性のQOLを高めてくれるピル。

あくまで医薬品であることを忘れず、正しい服薬によってこそメリットが得られます。

服薬を考えたらまずは婦人科に相談行くようにしましょう。

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