新しい生活様式になり、身体を思いっきり動かす機会がぐっと減った上に、オンラインでの仕事や授業が増えてきました。
あまり動かずに同じ姿勢で長時間過ごしていると、筋肉が硬くなり、背中全体のコリが引き起こされます!
背中のコリを解消するためには、肩甲骨をほぐすのが近道です。
そこで今回は、肩甲骨周りの筋肉をほぐすためのヨガポーズをご紹介していきます。
背中のコリはあらゆる不調の元
“背中のコリ”というと、自覚している方は少ないかもしれません。
しかし、肩こりがある、首が痛いといった不調を感じている方は、総じて背中にコリが生じています。
“コリ”というのは、筋肉が緊張し固まった状態です。
筋肉が固まると栄養を全身に巡らせる血液や老廃物の回収と運搬をするリンパの流れが悪化してしまうので、あらゆる不調を伴うようになってしまいます。
その代表的な例が、疲れやすい、冷えやすい、目が疲れるといった、もはや皆さんにとって日常的になってしまったお悩みです。
また、背中のコリは安眠を妨げる原因にもなっています。
放っておけば間違った姿勢のまま筋肉が固まり、姿勢がどんどん悪くなり、老けて見られるなどデメリットだらけです。
背中のコリによるデメリット
- 肩こり、首こり
- 全身倦怠
- 疲れやすい
- 冷えやすい
- 眼精疲労
- 不眠、睡眠の質の低下
- 姿勢が悪くなかなか改善されない
- 老けて見られる
→背中が痛い時のストレッチ方法!背中の痛みを和らげる3つのヨガのポーズ
背中のコリの鍵は肩甲骨にアリ!
背中のコリの鍵を握る筋肉は、肩甲骨の周辺に存在しています。
肩甲骨とは、背中側にある肋骨です。
背中に手を回すと浮き出る構造をしていて、本来はとても柔軟に動くことができます。
しかし、長時間動かすことがなく、また運動の機会もない生活を送っていると、肩甲骨が同じ位置で固まってしまいます。
それがコリが生じる代表的な過程です。
背中を丸めスマホやテレビ、パソコン画面を長時間見ていませんか?
肩甲骨がパカっと開いた状態で固まってしまっていますよ。
筋肉は、不安や緊張によっても固くなることが分かっています。
つまり、動かない生活様式に加えメンタル面の乱れやストレスによって、コリはさらに生じやすくなります。
現状に不安を抱いている方や、この春から新しい生活が始まった方は、そのことでも背中が凝り固まり不調として現れているかもしれません。
本来動くべき肩甲骨周りの筋肉がストップしてしまうと、血流が悪くなり、コリや全身倦怠を引き起こします。
血行不良により、筋肉はさらに固くなります。
肩甲骨を動かさない→血行不良になる→肩甲骨がますます動きづらくなるといった悪循環に陥ります。
背中のコリ&肩甲骨のガチガチ度チェック
肩甲骨の固さを簡単にチェックできる方法をご紹介します。
ストレッチにもなるので、ぜひ行ってみてください。
やり方
- 背筋を伸ばして楽に立ちます
- 両手を背中側に回し、お尻の後ろで組みます
- 息を吸いながら、組んだ両手をお尻から離し、拳が腰の中央にくるまで持ち上げます
- できる高さまで持ち上げたら元の位置まで下ろし、両手を離します
0度&痛みがある
ガチガチで危険!
後ろで手を組むだけで精一杯。
もしくは持ち上げようとして痛みを感じたら、肩甲骨がガチガチになっている証拠です。
無理をせず、優しいストレッチから始めましょう。
10~45度
硬い肩甲骨周りの筋肉が固まっていて、肩甲骨自体の動きも悪くなっています。
日常生活の悪い癖を見直すとともに、肩甲骨ほぐしが必要です。
45〜60度
少し硬い!
肩甲骨周りの筋肉がやや固くなっています。
同時に胸の筋肉も固まっています。
肩甲骨ほぐしを行うと、快適な身体になれます。
60〜90度
問題なし!
肩甲骨をしっかりと寄せることができています。
肩甲骨の柔軟性に問題はないでしょう。
肩甲骨をほぐすにはマッサージよりヨガ!?
肩甲骨ほぐしなら、マッサージに行けば良いと思っていませんか?
確かにプロによる施術は素晴らしいのですが、1回で解決できるわけではありません。
そもそも肩甲骨の動きをサポートする筋肉は深層部にあるため、マッサージでほぐすのはそう簡単ではありません。
また、一度ほぐしてもらって、またしばらく動かさなくなればすぐに固まってしまいます。
背中のコリを改善するには、マッサージよりもストレッチやほぐし効果のあるヨガポーズを取り入れるのがおすすめ!
肩甲骨を動かすことで、肩甲骨周りの筋肉の動きをスムーズにしていきましょう。
肩甲骨ほぐしの準備「筋弛緩法」
肩甲骨がガチガチになっている方は、常に肩に力が入っている傾向があります。
この状態でストレッチやヨガポーズを取り入れても、効果が半減してしまうので要注意。
「筋弛緩法」を取り入れて、肩の力を抜く練習をしていきましょう。
「筋弛緩法」とは、無意識に力がはいってしまっている筋肉を緩めるためのメソッド。
あえて力を入れて緊張状態を作り、その後に力を抜くことで筋肉を完全に緩めるというものです。
「力が抜けた状態」を自分で分かるようになるというメリットもあります。
やり方
- 両肩を耳につくくらいまでぐっと上げます
- 力が入った状態で、10秒間キープします
- ふっと息を吐き、肩をストンと下ろします
- 完全に脱力します
肩甲骨を柔らかくするヨガポーズ
ここからは、ガチガチ肩甲骨をほぐし背中コリを解消するヨガポーズをご紹介していきます。
ストレッチ要素も強いので、ヨガ未経験者やヨガ初心者でも行える内容になっています。
座ったまま太陽礼拝の練習
座ったまま太陽礼拝の一部を取り入れていきます。
肩甲骨を旋回させる動きです。
指先ができるだけ遠くにあるように、ダイナミックに行いましょう。
デスクワークの合間などにも、随時行うと良いでしょう。
やり方
- スカーサナ(安楽座)で座り、両手は身体の横に楽に下ろして置きます。※力が抜けない方は、ここで先ほどの「筋弛緩法」を取り入れてみましょう。
- 両手の平を上に向け、息を吸いながら左右から回し上げていきます。
- 耳の横まで持ち上げます。
- 両手の平を下に向け、息を吐きながら床まで下ろしていきます。
- 5~10回繰り返します。
座ったままキャット&カウの練習
本来は四つん這いで行うキャット&カウのポーズを、引き続き座ったまま取り入れていきます。
今度は、肩甲骨を寄せたり離したりしてほぐしていきます。
一つの動きを5秒ほどかけて、ゆっくり行いましょう。
手の位置は変えず、肩甲骨だけを意識して動いていきます。
凝り固まった胸の筋肉もほぐれるので、呼吸が楽になりますよ。
やり方
- スカーサナ(安楽座)で座り、両手は手の平を下にして両膝に置きます。
- 息を吸いながら胸を突き出し、肩甲骨を寄せます。軽くあごを上げます。(キャットポーズの練習)
- 息を吐きながら背中を丸め、肩甲骨を離します。首も軽く落とし目線を下へ。(カウポーズの練習)
- 5~10回繰り返します。
コブラのポーズ
肩甲骨を寄せることのできる、比較的緩やかな後屈のヨガポーズです。
腰を強く反ろうとするのではなく、胸を開くことを意識しましょう。
前方にぐっと伸びるようなイメージで、全身の緊張を手放して行います。
やり方
- うつ伏せになり額を床につけ、両脚は腰幅に開き、両手は胸の横の床につきます。
- 息を吸いながら、両手の平を床につけたまま肘を後ろにひきます。
- 息を吐きながら、両手の平で床を押し、額を床から持ち上げ、顔~肋骨までを床から離します。
- 肩を耳から遠ざけるようにし、首を長く保ちながら、肩甲骨を寄せて胸を開きます。顎を軽く引きます。
- 3~5呼吸ホールドして、ゆっくり床に下ります。
→ヨガのコブラのポーズとは?得られる驚きの効果!正しいやり方を徹底解説
チャイルドポーズ
肩甲骨を旋回させて腕を前方に伸ばすチャイルドポーズは、ヨガ初心者でも取り組みやすい肩甲骨ほぐしの方法です。
リラックス要素が強いので、筋肉の緊張をほぐすのにもぴったりなポーズ。
肘の力を緩めて、肩甲骨の力の抜くのが肩甲骨ほぐしの効果を得るポイントです。
やり方
- 四つん這いになり、両手は肩幅程度、両膝は腰幅程度に開いて、つま先同士をつけます。
- 手の位置はなるべく変えず、息を吐きながら腰を後方へ下ろしていきます。
- 股関節から折れるようにして、お尻をかかとの上に落ち着け、胴体は太ももの上に休ませます。おでこを床につけます。
- 尾骨が後ろから引っ張られるイメージで身体全体を伸ばし、肘はほんの少し曲げておきます。
- 5~10呼吸ホールドします。
軽減法を取り入れよう
チャイルドポーズは柔軟性が欠けていると、辛さを感じることがあります。
脚に違和感がある場合は、お尻の下にブランケットを置き高さを出しましょう。
おでこを床に落ち着けるのが辛いときには、おでこの下にブランケットをひいて高さを出して、ポーズを心地よく安定させてみてください。
→ヨガのチャイルドポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
ダウンドッグ(下向きの犬のポーズ)
ダウンドッグは、肩甲骨を旋回させつつ、背中全体をしっかりとストレッチできるヨガポーズです。
ダウンドッグ中は腰を反らせたり、胸を張ったりして肩甲骨を寄せるのはNG。
肩甲骨は、旋回した状態で無理に寄せようとすると負担がかかるので辞めましょう。
突っ張るのではなく、ゆるやかな三角を描くイメージで行います。
やり方
- 四つん這いになり、足先を立てます。両手の5本指を均等に開き、しっかり床をとらえます。
- 両手の平で床を押し、膝を床から浮かせ、お尻を高く持ち上げていきます。
- 膝を徐々に伸ばし、太もも裏を伸ばします。かかとを床に下ろします。(浮いていてもOK!)
- 肩と耳を離すようにし、首の力は抜き、頭は重力に任せます。目線は床へ。
- 下腹部を引き込むように体幹の力を意識。3~5呼吸ホールドします。
→ヨガのダウンドッグとは?5つの効果と正しいやり方を徹底解説
ヨガで柔らか肩甲骨を手に入れよう
あらゆる不調の元となる背中のコリは、肩甲骨をほぐすことで解消することができますよ。
ヨガのポーズにおける肩甲骨はがしは、肩甲骨の動きを感じながらじっくりと行うことが大切です。
ぜひ定期的に行って、柔らかな肩甲骨を手に入れてみてください。
フレキシブルに動く、心地よい身体を取り戻しましょう!