この記事では、体幹が強いことのメリットや体幹を鍛えるヨガのポーズをご紹介します。
体幹ってなに?どの筋肉を指しているの?
体の幹(みき)と書いて「体幹」。
体幹とはまさに、頭や腕・脚を除いた胴体の部分で、体の軸の部分を支えています。
具体的には肩・胸・背中・腰・お腹・お尻などを構成するすべての筋肉が「体幹」になりますが、一般的にはお腹の奥で内臓や背骨を支える「インナーマッスル」を指すことが多いようです。
ちなみに、ヨガのクラスでよく出てくる体幹を構成する筋肉は「腸腰筋」「骨盤底筋」「脊柱起立筋」です。
腸腰筋は「美脚筋」と言われるほど女性にとって重要で、腸腰筋を活性させることで骨盤が正しいポジションでキープできるようになります。
また、骨盤底筋は膣から子宮、肛門エリアにあるハンモック型の筋肉で、ここが活性すると女性特有の疾病の予防や冷えの解消につながることが知られています。
さらに脊柱起立筋は背骨を支える筋肉で、姿勢の維持に不可欠です。
体幹に注目されたきっかけとは?
「体幹」という言葉が一般的によく知られるようになったのは、サッカー日本代表メンバーでもある長友佑都選手のプレーや書籍の影響が大きかったのではないでしょうか。
サッカー選手としては小柄でありながらも、ポジション的には左サイドバックというフィジカルコンタクトの多いポジションで、長友選手より10㎝以上背が高い外国人選手と競り合っても飛ばされることはなく、むしろ飛ばしてしまうほどパワフル。
これは彼の体幹の強さが世界トップクラスだからとされています。
また、スピードと無尽蔵なスタミナも長友選手の特徴ですが、このスピードとスタミナも体幹の強さから生まれているとされます。
彼の無尽蔵のスタミナとスピードプレイのおかげで、試合後半や得点を先取されてしまった時などでもチーム全体に活力が復活する場面がこれまでに何度もあり、そのような彼のプレーに魅了されて「体幹を鍛えたい!」と影響された男性ファンが多くいるのです。
長友選手の書いた体幹の書籍やトレーニンググッズもよく売れています。
そう断言する長友選手を作り上げた体幹トレーニングを初めて一冊にまとめました。
本人がモデルとなり、やり方、呼吸法などポイントを紹介しています。
特徴は、実際に行ってきたトレーニングを20個厳選している点。
「ダイエットしたい」
「腹を凹ませたい」
「腰痛を解消する」
「キック力を上げる」
「ぶれないカラダ」
「投げる力をつける」
「姿勢をよくする」
「疲れないカラダ」
という目的別のトレーニングメニューと長友選手の小学生時代から現在までを振り返りながら綴る年代別のトレーニングも紹介しています。
初心者から上級者まで無理なく、高い目標を実現できる至高の1冊となっています。
体幹が強いとどんなメリットがあるの?
長友選手の特徴からもわかるように、体幹が鍛えられていると体の大きさに関わらず、
- スタミナが維持できる(疲れにくくなる)
- 俊敏に動くことができる(テキパキとした動きや機動力が維持できる)
- 代謝が維持できるので太りにくくなる
- バランスがよくなるのでしっかり立つ・座る・歩くことができるようになる
などとメリットしかありません。
また、女性は筋トレをすると「ムキムキになるのでは?」「脚が太くなるのでは?」と思う方もいるようですが、体幹を構成する筋肉はインナーマッスルで(専門用語では「遅筋」という)鍛えるほどに締まったボディラインに導いてくれる筋肉。
太ももの前(大腿四頭筋)や、力こぶとなる上腕二頭筋などはアウターマッスルといって体の表面にある筋肉で(専門用語では「早筋」という)、これは鍛えるとムキムキしやすい筋肉です。
スタイルアップには、同じ筋トレでも「インナーマッスルを鍛えよう」と言われるのは、インナーマッスルは鍛えるほどに体を引き締めてくれ、女性らしいしなやかなボディラインを維持するにも不可欠だからです。
体幹トレーニングに最適なヨガポーズ3選
体幹を鍛える代表格がプランク(板のポーズ)
体幹を鍛えるヨガのポーズで代表的なのが「プランク」です。
プランクのやり方
- マットの上で肩の下に手をつきます。
- 上半身を支えながら肘を伸ばします。
- 両足を後方に伸ばし、膝を持ち合げて、つま先をたて、足首、膝、鼠蹊部、腹部、胸、あごが斜め一直線のラインになるように整えましょう。
- その状態でお腹を引き締め、呼吸を止めずに20秒〜1分キープ。
たったこれだけですが、10秒を超えるとお腹がプルプルしてしまうという人は体幹が弱いというサイン。
少しずつキープできる時間を長くしてきましょう。
このポーズは、お腹だけでなく肩や背中にある体幹も鍛えてくれる万能ポーズです。
数年前に「30日プランクチャレンジ」というのが流行りましたが、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。
→ヨガのプランクポーズとは?7つの効果と正しいやり方を徹底解説
椅子のポーズ
椅子のポーズは、特に腸腰筋・骨盤底筋・脊柱起立筋の3つを一挙に鍛えてくれるおすすめポーズです。
椅子のポーズのやり方
- 両足を揃えて立ちます。
- 膝がつま先より前に出ないように(脛を床に対して垂直のイメージ)注意しながらお尻を下げていきます(空気椅子をするイメージ)。
- お腹の奥を引き締め(腰を反らない)、内腿を寄せ合い、下半身を安定させます(足裏で床を強く押す)。
- 両手を耳の横のラインで真っ直ぐ伸ばし、腰から頭までも斜め一直線にセット。
- この状態で呼吸を止めずに30秒〜1分キープしましょう。
30秒行うだけでも下半身を中心に血流が良くなり、その後は歩きやすくなるのが体感できるはずです。
→ヨガの椅子のポーズとは?4つの効果と正しいやり方を徹底解説
舟のポーズ
ヨガのクラスでは登場頻度が高く、また初心者から上級者まで人気が高いポーズの一つである「舟のポーズ」。
舟のポーズのやり方
- 体育座りをします。
- 両手をお尻の後ろに付き、両足を床から反してスネと床が平行になるところまで膝下を持ち上げます。
- さらに余裕があれば、その膝下をまっすぐ斜め方向に伸ばしていきましょう。
- 初心者はここで30秒から1分ステイします。
太ももの前をプルプルさせるのではなく、お腹の奥を引き締める(腰を反らない)ことで体感が鍛えられます。
余裕があれば、両手を前に伸ばすとさらに効果的です。
体幹トレーニングに最適なヨガポーズ厳選まとめ
回数を重ねて負荷をかける筋トレと違い、体幹を鍛えるポーズは美しい姿勢と呼吸を維持したままホールドするものばかりですので、ちょっとした隙間時間にできるものが多くあります。
体幹を鍛えるほどに、日常の歩く・立つ・座るという動作も洗練されて疲れにくくなりますし、逆に歩く・立つ・座る時の姿勢にいつも気を配ることが体幹を鍛えることにもつながります。
そして、体幹に密接に関係しているのが呼吸です。
深い呼吸は体幹を鍛える効果もありますので、日常生活の中で意識的に呼吸をチェックすることも大切です。