ジャーナリングをレッスンで行うヨガ教室も増えています。
書く瞑想とも言われ、座って目を閉じて行う瞑想よりも「簡単」「楽しい」「効果が感じられる」「スッキリする」という声も聞こえてきます。
一方で、「難しい」「何を書いていいかわからない」「続かない」なんて声も。
ここではジャーナリングの基本的な解説、やり方、その効果、そしておすすめの方法についてご紹介。
ジャーナリングとは?大きな目的は2つ
ジャーナリングを直訳すると「記事を書く」ということになりますが、近年は「心の整理整頓」「思考のクリアリング(明確化)」などの意味で使われ、認知行動療法の一つとも言えます。
ジャーナリングにはさまざまなメソッドがありますが、基本的には「自由に、何を書いても良い」ものなので、決まったやり方はありません。
好きなノートとペンがあれば、いつでもどこでもジャーナリングをはじめることができます。
ただし、大きな目的は2つ。
- 「マインドフルネス」状態になること。
- 「自分の本心を知る」こと。
1つ目の「書くことでマインドフルネス状態になる」というのは非常に簡単です。
例えば、年末年始に取り組む人が多い「やりたいこと100リスト」。
これは手帳に自分のやりたいことを「制限を外して」100個書き出してみるというもの。
実際やってみると100個も書くのが大変だったり、相当な集中力が必要だったり、自分の内側と向き合う必要があることに気づくはず。
また、「やりたいこと100」というテーマに意識をフォーカスして書き続けるだけでも意識はマインドフルネスになっているのです。
もう1つは、例えば「やりたいこと100リスト」の中に「世界一周旅行」と書き出したとしましょう。
これについて本当にそう思っているかをじっくり考えてみるということです。
すると案外「世界一周といっても本当はどこの国に行きたいのだろう?」「バックパッカーがいいな」「豪華なクルージングがいいな」「いや、実は世界を回るより先に日本中を回りたいな」「世界一周は案外本心ではないかも」など、さらに書いて掘り下げることで自分の本音にまでアプローチしていくのです。
これによって、自分の「本心」を知ることができます。
私たちは案外SNSやメディアなどの影響を受けていて、自分の本当にしたいことや本当の気持ちから遠ざかっていることが少なくありません。
自分が書いていることさえ自分の本心とかけ離れている可能性は十分にあります。
集中して書くことで、自分の本心に近づく。
自分の本心を知ることがジャーナリングの大きな効果と言えるでしょう。
ジャーナリングはどんなペンとノートを用意すればいいの?
一般的に「お気に入りのペンとノート」と言われます。
ただし、綺麗に書く必要はないので、あまりに「綺麗に書きたい」と思わせるお気に入りのノートや高級感のあるノートより、普通のノートで十分です。
また真ん中にリングがあったり、罫線がしっかり引かれているものは、思考が自由に動くことを妨げます。
リング式より普通のノート、罫線より方眼タイプや白紙タイプのノートがおすすめです。
縦に書いても、横に書いても、真ん中に書いても良く、そのあたりもその日の気分で自由に書けたほうが良いからです。
またペンはとにかく「書きやすさ」を重視しましょう。
消しゴムで消す必要もありません。
誰かに見せるものではないので、誤字脱字も許容して書くことが大切です。
ジャーナリングに最適な時間は?
よく言われるのは「朝起きてすぐ」。
これは「モーニングページ」とも呼ばれます。
ただし、ジャーナリングの時間にも決まりはありません。
「朝起きてすぐ」が推奨されるのは、テーマを決めやすく、また習慣化しやすいからです。
朝起きてすぐであれば「今日見た夢」「今日1日の過ごし方」「一番気になっていること」「昨日の反省」などテーマを出しやすく、何も書くことが思い浮かばない…ということを避けることができます。
また、起きてしまうと途端にあれやこれややるべきことが次々に発生しますが、とりあえず「ベッドの中で書く」ことを決めてしまえば、3週間も続けると習慣化できるでしょう。
もちろん、慣れてきたら起床時に加え「いつでも好きなタイミングで自由に」書けるようになります。
イライラした時のジャーナリングもおすすめ
ある程度「書ける」ようになってきたら「イライラした時に書く」のはおすすめです。
例えば、「家族が帰ってきたら途端にイライラした」ということがあれば、「なぜイライラしたのか」を書き出してみます。
「もう少し自分一人の時間が欲しかった」「いきなり空間が騒々しくなって心が疲れる感じがした」「何か頼まれごとをしそうで嫌だった」など、思いつくままに書き出していきます。
すると、やがて心が落ち着いてきたり、自分の気持ちをどう処理すべきかが見えてくるはずです。
他にも事例を挙げてみましょう。
「家族の帰りが遅くてイライラした」であれば「せっかく用意したご飯を一緒に食べたかった」「私のことを蔑ろにされている気がする」「家族ばかり自由で羨ましい」「連絡が欲しい」など、闇雲にイライラするのではなくイライラの根本の原因が見えてくるはずです。
その上で、どう対処すべきかが見えてきます。
他には「家が汚くてイライラする」だとしたら「特に●●が汚れていて嫌」「ゴミ捨てくらい私以外の人もすればいいのに」「自分のものじゃないから捨てられない」「前から片付けて欲しいといっているのにどうして片付けてくれないのか」「片付けられるようになって自己管理ができる自分になりたい」「片付いた家で静かにヨガの練習がしたい」などどうすれば片付くのか、片付いた後にどうしたいのか、なども見えてくるはずです。
時間を決めて書くよりも、イライラした時は心が「アラート(警告)」を出している時なので、そのアラートが何を意味しているのかを自己理解するためにジャーナリングを行うことで、軌道修正ができるはずです。
3Good Thingsについて書く
イライラした時に書くことがネガティブに感じられる人や、余計辛いと感じる人は、1日の終わりに「3Good Things」を書くこともおすすめです。
これは「感謝日記」とも言われますが、1日を振り返りよかったことを3つ書き出すだけ。
「ランチのパスタがとってもおいしかった」「久しぶりに長風呂ができた」「朝スッキリ起きられた」など、驚くほど些細なことでOKです。
これも続けているうちに「感謝体質」に心身が変わってきて、人生をより生きやすくする効果があるとされています。
ジャーナリングで書いた内容は見返すべき?
見返す必要はありません。
できるだけ「毎日書く」ことを一番重要視し、内容を精査したり見返したりするよりも書くことを続けましょう。
反省する必要もないですし、ただ「書いてスッキリした」「書けた」「私からこんな言葉やこんな思いが出てくるのか」と書き切るだけ十分です。
書きながら何か掘り下げたいと思ったことが出てきたら、そこについいてはもう少し書いてみてください。
気持ちがスッキリする。落とし所が見つかる。納得する。腑に落ちる。
そんな感覚が得られたらその日のジャーナリングは終了です。
ジャーナリングで一番注意すべきは「嘘を書くこと」
ジャーナリングにおいて一番気をつけなければいけないことは「嘘を書く」こと。
本心を書くことではじめて効果が得られるジャーナリング。
後から読み返して恥ずかしくないようにとか、誰かに見られても恥ずかしくないようにとか、こんなことを考えているなんて恥ずかしいとか、そういったブロックを持つことはジャャーナリングがうまくいかない最大の要因となります。
ノートに向かったらそこは自由で安全で、誰にも邪魔されない空間だと認識しましょう。
あなた自身も読み返しませんし、誰も見ません。
ですから徹底的に自分の内側から自然にわき起こり、言葉になる感情をひたすら書き綴りましょう。
ぜひジャーナリングの効果を味わってみてください。
まとめ
私自身は小学生の時から数十年、日記をつけているので、まさか自分のしていることが「ジャーナリング」としてこれほどまでに人気を集めつるエクササイズになるとは思いませんでした。
日記もジャーナリングの一種です。
自分と繋がる方法の一つとして、ぜひジャーナリングを実践してみてください。