これらの楽器、インストラクターは一体何のために鳴らしているのでしょうか?
ここではテインシャやシンキングボールあるいはクリスタルチューナーといったヨガのクラスでよく見かける不思議な楽器の効果や秘密を解説します。
小さいシンバル?ティンシャとはどんな楽器でどんな効果があるの?
ティンシャとは小さいシンバルのような形をしていて、「チベタンベル」や「チベットシンバル」という呼ばれ方もします。
本来はチベット仏教の高僧が儀式や浄化、あるいは魔除けの目的で使う密教道具の1つとされています。
ヨガのクラスでは、主にシャバアーサナから目覚めるタイミングで鳴らすインストラクターが多いようです。
私もヨガスタジオでヨガをするまでティンシャという楽器について知りませんでした。
でもこの音を聞くことで気持ちよくシャバアーサナから目覚めることができるので、現在は自分が主催するクラスでもほぼ毎回使用しているお気に入りのアイテムの1つになっています。
個人的にはヨガで体と心を整えた生徒さんがさらに目に見えない力に守られるように、魔除けの意味をこめて音を鳴らしています。
ヨガクラスがはじまるタイミングでティンシャを鳴らすインストラクターもいますが、これにはその場を浄化したり集中力を高めたりする意図や効果があるようです。
ティンシャは扱いが比較的簡単で、誰でも良い音を鳴らすことができます。
何らかの癒しの音を取り入れたいと思っている初心者さんにも、問題なく使いこなせるのでおすすめです。
シンギングボールまたはクリスタルボールとは?
シンギングボールは、チベットシンギングボール、ドニパトロ、と言った名前もついていますが、音の出るボール(お料理に使うボール)のようなもので、専用のスティックを使って縁を叩いて鳴らしたり、擦ったりすることで音を響かせたりして演奏します。
こちらもチベットの仏教儀式で用いられる法具の一つとされ、ティンシャとはまた違った神聖な音を奏でることができます。
シンギングボールは金・銀・銅・鉄・亜鉛・鉛・錫など原料がさまざまで、素材によって音色も異なります。
このシンギングボールがクリスタル(水晶)でできている場合はクリスタルボールと呼ばれ、鳴らし方はシンギングボールと同じですが、出てくる音が全く異なります。
どちらかというとクリスタルボールの方がヒーリングや癒し効果が高いと考える人が多いようですが、これは、クリスタルボールの原料が水晶で、水晶にはケイ素が多く含まれているのですが、人間の体には金属よりケイ素が多く含まれていてそれらが共鳴するからだ、と考えられています。
どちらの楽器も倍音を奏でることができます。
倍音とはハーモニーともいえますが、一つの音のように聞こえていても実はさまざまな音から複雑に成り立っていて、複雑な音色になっているのです。
この倍音の中には心地よい振動や「1/fゆらぎ」と呼ばれるものも入っていて、それが人の癒しやリラクゼーションに効果があるとされています。
シンギングボールもクリスタルボールも形やデザインサイズなど様々なものがあり、また1つとして同じものがありませんので、実際にお店などで音を鳴らしてみて気に入ったものを選ぶと自分にぴったりのものが見つかるでしょう。
クリスタルチューナー(音叉)とは?
別名「音叉」ともいわれるクリスタルチューナーは、4096Hzという高周波に調律されており、この楽器から奏でられる音は「天界の扉を開く音」ともいわれます。
透き通った美しい音色をしていて、心を癒してくれる音色です。
1790年にスコットランドの医師が音のカウンセリングアイテムとして使うようになったとされます。
片手にクリスタルチューナー、片手に水晶を持って、水晶を軽く叩くことで音が鳴ります。
クリスタルチューナーの本体はアルミで、日本製のものも多くこちらもシンギングボールやクリスタルボールより演奏が簡単で、シャバアーサナの最後に鳴らすインストラクターが多いと思います。
また、クリスタルチューナーは体のケアやセラピーに使われることも多く、痛い箇所の上でチューナーを鳴らしたりチューナーを当てたりする「クリスタルチューナーセラピー(音叉セラピー)というものもあります。
ティンシャもシンギングボールもヨガ以外でも活用できる!
ティンシャ、シンギングボール、クリスタルボール、クリスタルチューナーのいずれも楽器として使うことができるほか、空間の空気を変えたり、気の流れやエネルギーを整えたり、倍音による癒し効果などが主な効能になります。
他にも、天然石の近くで鳴らすことで天然石の浄化に使ったり、ホテルや車などの空間の浄化や魔除けに使うことも可能です。
植物やペットにならして健康状態をよくするという使い方をしている人も少なくありません。
化粧水などのコスメに音を聞かせることで化粧水の効果が高まるという話も。
いずれの楽器の音も最近はCDやユーチューブなどの音源で聴くことができるので、まずは自分の好きな楽器や音を見つけてみてください。
どんな時間でもどんな場所でもこれらの音が似合わない場所はないですし、読書でも勉強でもヨガでも妨げになることはなく、むしろ集中力が高まります。
音をヨガに有効活用しよう
ヨガのインストラクターの中には共感性が高く、生徒さんの悩みや悲しみなどを受け止めがちな人も多いですが、自分の浄化にもこれらの音が役立つでしょう。
音の癒し効果をまずはご自身で体感し、よかったら生徒さんや家族にも使ってあげてください。