いくら体に良くても、口に合わないものを食べるのはつらいですよね。
そこで本記事ではオートミールの粘り対策を7つをご紹介します。
粘り対策をすれば「オートミールはおいしい」と言っている人の気持ちがきっと理解できるようになるはず。
オートミールの粘り気対策7つ
オートミールの粘り気が苦手で、どうにも食べられない…そんなあなたのために、ここでは対策方法7つをご紹介します。
1.加熱時間を短くする
オートミールの粘り気対策、1つ目は「加熱時間を短くする」こと。
オートミールは加熱時間が長くなるほど粘り気が強くなるので、その点に気を付けると意外と気にならなくなります。
特に鍋でグツグツと煮こむのは、粘り気を苦手とする人にとっては最悪の調理方法。
沸騰直前で火を止めるか、電子レンジで温める程度の方が食べやすくなります。
また、クイックオーツ(蒸して平たく伸ばし、細かく砕いているタイプ)は、ロールドオーツ(蒸して平たく伸ばしたタイプ)より粘り気が出やすいため、加熱するとドロリとした重い食感になってしまいます。
ですからクイックオーツの場合は「ぬるい」くらいにとどめておくか、次で説明するオーバーナイトオーツにして食べるのがおすすめです。
ロールドオーツの場合は加熱時間が短いと固めの食感に仕上がるため、粘りとの兼ね合いで好みの固さを探してみてください。
まとめると、オートミールの粘り気対策として「加熱時間を短くする」のが向いているのは次のような方です。
- クイックオーツの場合:アツアツよりぬるめの方が好きな人
- ロールドオーツの場合:オートミールに「柔らかさ」より「歯ごたえ」を求める人
2.加熱せずに食べる(オーバーナイトオーツ)
オートミールの粘り気対策、2つ目は「加熱せずに食べる」こと。
オートミールは「オーバーナイトオーツ」といって、前の晩にミルク類に浸しておき、朝冷たいまま食べる調理方法があります。
ロールドオーツだとふやかすのに数時間かかりますが、クイックオーツなら数分で柔らかくなり、粘りもあまり気になりません。
フルーツを添えると見た目にも華やか。
簡単でおいしいメニューなので、ぜひ試してみてくださいね。
オートミールの粘り気対策として「加熱せずに食べる」のが向いているのは次のような方です。
- オーバーナイトオーツ(甘い味付け)が好きな人
- ロールドオーツの場合、数時間前に下ごしらえができる人
3.水分を多めにする
オートミールの粘り気対策、3つ目は「水分を多めにする」こと。
水分を多くすると、粘り気が薄まってあまり気にならなくなります。
これなら簡単にできるうえ、水分による満腹感でダイエット効果も期待できるので一石二鳥です。
最初にご紹介した「加熱時間を短くする」方法と組み合わせると、より粘りを感じにくくなるでしょう。
オートミールの粘り気対策として「水分を多めにする」のが向いているのは次のような方。
- 水分量が多い食事でも大丈夫な人
簡単すぎるので、あまり向き不向きはなさそうです。
4.粘り気を感じないメニューを選ぶ
オートミールの粘り気対策、4つ目は「粘り気を感じないメニューを選ぶ」こと。
オートミールはさまざまな調理方法が可能なので、粘りを感じないメニューもたくさんあります。
粘りを感じにくいメニューの一例を挙げてみました。
- カレーライス(米化したオートミールにカレーをかける)
- 丼物(米化したオートミールを使用)
- チャーハン
- 蒸しパン(クイックオーツ使用)
- グラノーラ
この他にも、粘り気を感じないメニューはたくさんあります。
後述でいくつかメニューを紹介していますので参考にしてください。
オートミールの粘り気対策として「粘りを感じないメニューを選ぶ」のが向いているのは次のような方です。
- 料理が好きな人
- 好奇心旺盛でいろんな料理を食べてみたい人
5.ロールドオーツを選ぶ
オートミールの粘り気対策、5つ目は「ロールドオーツを選ぶ」こと。
ロールドオーツとは、オーツ麦を蒸して平たく伸ばして乾燥させたもの。
一方クイックオーツは、ロールドオーツを細かく砕いたものです。
違いは「砕いているかどうか」だけなのに食感は大きく異なるので、クイックオーツが苦手な方もロールドオーツなら食べられるケースがよくあります。
前述のとおり、ロールドオーツは加熱しても粘りが出にくい性質があるため「ドロッとしたオートミールが嫌い」という方こそ、試してみる価値があるでしょう。
ロールドオーツの特徴は次のとおり。
粒感がしっかりしているので米化して食べるのに向いている
低GI食品なので、ダイエットに向いている
クイックオーツより、ふやかすのに多少時間がかかる(電子レンジで2分程度)
ロールドオーツを米化した場合、水分量が少ないために強い粘りが出ますが、熱いうちにほぐしておけばほとんど気になりません。
まとめると、オートミールの粘り気対策として「ロールドオーツを選ぶ」のが向いているのは次のような方です。
- クイックオーツのドロリとした食感が苦手な人
- 歯ごたえのあるオートミールを食べてみたい人
- ダイエットをしたい人
- 米化してご飯の代用として食べたい人
さて、これらの方法を試してみていまいちピンとこなかった方や「クイックオーツが余っているのにロールドオーツを買う気になれない」という方のために、とっておきの方法をご紹介します。
6.お湯にさらす
オートミールの粘り気対策、6つ目は「お湯にさらす」こと。
これは上記の対策でダメだった人向けの方法で、やり方は次のとおりです。
【お湯にさらして粘り気を取る方法】
- お湯を沸かし、ボウルにザルをセットする
- ザルにオートミールを入れ、お湯を注ぐ
- 軽く混ぜて水を切る
- 完璧にしたい人は、何度か繰り返す
これは冷ご飯を使ってお茶漬けを作る場合、サラサラに仕上げるコツを応用したもの。
冷ご飯を流水で洗うとぬめりの原因であるデンプンが流れ落ちるので、ご飯がサラサラになります。
オートミールの場合はご飯より粘り気が強いため、お湯を使用してしっかりと洗い流しているのです。
この方法なら粘り気がすっきりと落ちてかなり食べやすくなりますよ。
ここで、お湯にさらす方法のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
- 粘り気がしっかり取れる
- 粘り気の残し具合を自分好みに調整できる(湯の温度/さらす回数)
- オートミールの香りが抑えられる
- 栄養分が減る
この章の冒頭で「これは上記の対策でダメだった人向けの方法」とお伝えしたのは、大切な栄養分をお湯で洗うことによって一部失ってしまうからです。
お湯でさらすことによって、流れ出てしまう可能性がある栄養素は次のとおり。
でんぷん
水溶性食物繊維
水溶性ビタミン
せっかくの栄養素をみすみす捨ててしまうのはもったいないので、お湯にさらす回数はできるだけ少なくすることをおすすめします。
もし、完璧に粘りを取らなくても大丈夫な場合は、お湯でなく「水」にさらすのも1つの方法。
水ならお湯より栄養分の流出を抑えられるからです。
次の画像は水やお湯にさらした場合、どのくらい粘りが取り除けているかを比較したものです。
※湯(水)でさらしたオートミールとそのままのオートミールに、お湯を入れています。
上記の画像を見ると、お湯でさらしたオートミールは透明感があり、そのままのオートミールのお湯は濁っています。(水でさらしたオートミールはその中間くらいの濁り方)
水が濁るということは粘りがあると考えられるので、お湯にさらしたオートミールの粘りがきれいに取り除かれているのがお分かりいただけると思います。
食べてみると、やはりお湯でさらしたオートミールは粘りがなくサラリとした食感で、麦特有の香りも抑えられていました。
まとめると、オートミールの粘り気対策として「お湯にさらす」のが向いているのは次のような方です。
- オートミールの粘りがどうしても許せない人
- 徹底的に粘りを排除したい人
- 栄養が減ってもかまわない人
- オートミールの香りが苦手な人
この方法はかなり効果的なのですが「それでもダメだった」という方のために、最終手段をご紹介しましょう。
7.小麦粉の代用として使う
オートミールの粘り気対策、最後は「小麦粉の代用として使う」こと。
- 何をしてもおいしいと思えない
- 最初の印象が悪すぎて、食べる気がしない
そんな方はオートミールを粉にして小麦粉の代用として使いましょう。
やり方は、ハンドブレンダーやフードプロセッサー、ミルサーを使ってオートミールを粉状にしてしまいます。
面倒そうな気がしますが、やってみれば1分もかからずすぐにできてしまいます。
小麦粉の代用として幅広いメニューに使えてほとんど味にも影響がないため、オートミールが苦手な方にぴったりの方法です。
オートミール粉末のメニュー例は次のとおり。
- パンケーキ
- 蒸しパン
- ピザの生地
- クッキー
- お好み焼き
この他にも、小麦粉を使用するメニューなら大抵代用できてしまいます。
オートミールは小麦粉に比べて栄養価が高いうえ、ダイエットにもおすすめの食品。
食べきれないオートミールは、ぜひ粉状にして使い切ってくださいね。
まとめると、オートミールの粘り気対策として「小麦粉の代用として使う」のが向いているのは次のような方です。
- ハンドブレンダー・フードプロセッサー・ミルサーのいずれかを持っている
- 「粉もの」が好きな人
ちなみに、オートミールは粉状になっているものも市販されているので、粉状が気に入った方はそちらを購入されてもよいでしょう。
以上、オートミールの粘り気対策として7つの方法をご紹介しました。
オートミールの粘りの原因
オートミールの粘りの原因はデンプンと水溶性食物繊維の2つです。
1.アミロペクチン
オートミールが粘る原因の1つは、アミロペクチンを含んでいるため。
デンプンはアミロースとアミロペクチンの2種類あるのですが、アミロペクチンを多く含んでいる食物ほど粘りが強い特徴があります。
その最たる例がもち米で、アミロペクチンがなんと100%。
お餅がよく伸びるのはアミロペクチンのせいだったのです。
オートミールのアミロペクチンはコシヒカリよりは少ないものの、一定量は含まれているためにどうしても加熱すると粘りが出てくるのです。
参考:日本食品保蔵科学会誌、大麦(もち種)とえん麦澱粉の構造と糊化特性
2.水溶性食物繊維
オートミールには水溶性食物繊維が豊富に含まれています。
水溶性食物繊維の特徴として「粘性」があるのですが、これがオートミールの粘りの原因になっています。
オートミールを食べると痩せやすいと言われているのは、実は水溶性食物繊維がたくさん含まれているから。
粘性の強い水溶性食物繊維のおかげで、ゆっくりと消化されて糖の吸収がゆるやかになり、ダイエット効果が期待できるのです。
よく「ネバネバしたものは体に良い」と言われますが、これも水溶性食物繊維が含まれているからなのです。
そう考えるとオートミールのネバネバを悪者扱いするのは、申し訳ないような気がしてきますよね。
参考:大塚製薬「食物繊維の分類と特性」
まとめ
今回はオートミールの粘り気対策として7つの方法をご紹介しました。
順に試してみて、あなたに合った方法を見つけてくださいね。
オートミールの粘り気の原因はデンプンと水溶性食物繊維。
デンプンはご飯にも含まれているので、おかゆにすればトロミがつくし、水溶性食物繊維は他の「ネバネバした食べ物」では大人気の栄養素です。
オートミールがもっと一般的な食材になったら、このネバネバも喜ばれる日がくるかもしれませんね。