ヨガは減災に役立つ!減災アイテムの一つとしての「ヨガ」

東日本大震災から12年。

この季節になると防災グッズを見直すご家庭も多いのでは?

1週間分の飲料水や食料、簡易トイレや生理用品などを各家庭でストックするのは当たり前になりましたが、実はヨガを継続しておくことも減災につながります。

減災としてのヨガのあり方についてご紹介しましょう。

地震発生時、ヨガに救われた

地震発生時、ヨガに救われ

東日本大震災の時、私自身は東京に住んでいましたが、体験したことのない揺れ、余震、テレビなどで見る映像、帰宅難民、その後の計画停電の経験などは、私の人生において今でも忘れることのない大きな出来事の一つです。

その時はすでにヨガを教えていましたが、2011年ほど「ヨガをしていてよかった」と思ったことはありません。

震災で日本中が大混乱に陥った時、なぜヨガをしていてよかったと思えたのか、一つ一つお話ししていきます。

ヨガで減災効果を実感したポイント

ヨガで減災効果を実感したポイント

呼吸で落ち着きを取り戻すことができた

地震発生時、私は有楽町のあるショッピングビルの最上階のカフェにいました。

カップは落ちて割れ、同じフロアにある他のテナントの商品やショーケースも割れたり倒れたり、とんでもない事態となりました。

揺れが落ち着いても余震が続き、地震発生時の14時46分で電気が止まったため、エレベーター・エスカレーターは動かなくなり、さらにキャッシャーも使えなくなったからか、そのビルにいた私を含めた来客者は全員ビルから出られなくなりました。

ビルは完全に封鎖され「ビル内の方が安全です、外に出ないでください」という放送が繰り返し流れ、最終的にビルの外に出られたのは約2時間後の17時過ぎ。

その間は、カフェの中で揺れに襲われるたびに机にしがみつき、当時はワンセグという形態でテレビが見られたので、誰かがワンセグで情報を共有してくれましたが、あとはツイッターで情報を収集・共有し、ただただ恐怖の中にいるしかありませんでした。

「外に出たい」「ここにいたら逆に危ない」と怒号が聞こえ、具合が悪くなり嘔吐する人や泣き出す人もいました。

いつ外に出られるのかわからない状況で私がしていたのは「ウージャイ呼吸」。

ツイッターや他者からの情報の真偽も信じられず、これ以上情報を入れても埒が明かない、外に出られるまで何をしよう?と考えた時、思いついたことが呼吸法しかなかったからです。

その場で目を閉じでウージャイ呼吸を繰り返しているうちに余震が来ても動揺しなくなり「もし死んでしまうことになっても良い人生だったな」と思えるレベルまで心が落ち着いて来たことを今でもはっきり覚えています。

この時ほどウージャイ呼吸の効果を感じたことはありません。

何が起こっても揺るがない自分でいられる

混乱の最中で夫と連絡がつき、私のいる場所に迎えに来てくれることになりましたが、交通網が麻痺し、夫と会えたのは21時過ぎ。

夫と有楽町から10キロも離れていない自宅に歩いて帰ることになりました。

そんな経験もはじめてでしたし、ゾロゾロと歩く大量の人の光景も異様でしたが、私の心はとても落ち着いていました。

夫と会うまでに苦しくなったら呼吸法をし、できる範囲のストレッチをし、心を整えていた成果だと思います。

そして、日頃からヨガの練習で物事を客観視する癖がついていたので、見たこともない光景を「映画」のようにどこか客観的に見ることができました。

普段からヨガで体を整えている習慣がすでにあったからか、肉体的にも10キロくらい歩くことはそれほど辛いことではなかったのです。

疲れた、靴ズレで歩けない、とトラブルを起こしている人や座り込んでいる人もたくさんいましたが、「がんばりましょう」と声をかける余裕もありました。

健康な肉体があるとこれほど落ち着いていられるのかと自分でも驚きました。

健康に自信があるから困らない

翌日にはスーパーからは大量の食料品が消え、トイレットペーパーの争奪戦やあらゆる商品の買いだめが起こりましたが、この時も私は冷静でした。

私自身がスーパーに行くこともありませんでした。

日頃からヨガの教えに則って粗食・少食だったので「別に1週間くらい食べなくても大丈夫だな」と心から思えたからです。

サントーシャ(足を知る)というヨガの大切な教えに則って、私は家にあるものでなんとかやりくりしようと様々な工夫をするのも楽しかったですし、自分の健康に自信があったので、困っている人に「お先にどうぞ」と心から言える自分を保つことができました。

避難所でもヨガは健康維持に役立つ

東京に住む私が避難所に入ることはありませんでしたが、今後も自然災害などで避難所に入ることになったら、そこでもいつも通りヨガのプラクティスを続けるつもりですし、もし頼まれたらそこでヨガを教えようと決めています。

避難所は人が密集する場所なので、人間関係のトラブルが起こりやすいですし、みんな余裕がなくなります。

ヨガは心と体に余裕を作るのに最適なプラクティスです。

さらに、狭い場所で起こりやすいエコノミー症候群の予防や運動不足の解消にも役立ちます。

シニアの方の認知症予防や、子育て中の方のストレス軽減にも役立ちます。

老若男女、誰にでも喜ばれるヨガで自分自身と周囲の方に貢献できたら光栄です。

実際、震災発生後しばらくは計画停電でヨガスタジオの電気をつけることができませんでしたが、私は変わらずヨガクラスを休講にせずに続けることにしました。

普段は生徒さんに私から参加を促すことはありませんが、あの時は一人暮らしをしている生徒さんには「よかったらヨガのレッスンで気分転換してください」と声をかけました。

生徒さんがスタジオに来て笑顔を見せてくれただけで、お互い自然にハグするほど嬉しかったことは今も忘れられません。

避難所でヨガを教えることは喜ばれる

東日本大震災の時にも多くのヨガインストラクターが被災地や避難所に駆けつけてボランティアでヨガを提供し喜ばれました。

その経験から、その後に起こった数々の自然災害の後、ヨガを提供するために避難所にボランティアで入るヨガインストラクターが増えていて、とても良い流れができたと感じます。

ヨガは畳一畳のスペースで、誰にでもできるものです。道具も要りません。

自分の体と呼吸をほんの少しお手入れするだけで驚くほどスッキリしたり、前向きになったり、笑顔になれる魔法です。

執着を手放す、というプラクティスが大切

ヨガのプラクティスでは「執着を手放す」ことも続けていきますが、これも非常に大切で減災に役立ちます。

有事の時に「これがないと生きていけない」というものが多い人ほど、せっかく命が助かっても、大変な苦しみと付き合わなければならなくなるからです。

薬、お気に入りの●●、嗜好品、財産、こういったものが案外足枷になります。

ペットなどについてもどうするかは事前に考えておくべきですし、家族が行方不明になったらどうするべきかなども事前に考えておくべきです。

これらに正解はありません。

少ないものでも大丈夫、少しくらい食べなくても大丈夫、少しくらい不便でも大丈夫、命さえあれば大丈夫。

そう思えるには日頃からあらゆるものに対して執着を手放しておく必要があります。

まとめ

ヨガは減災に役立つ!減災アイテムの一つとしての「ヨガ」

このように、毎日の生活のなかでヨガで心身を整えておくことは、有事の際に「自分の健康を自分で守り、周囲の人に貢献できる自分である」ことに非常に役立ちます。

余裕がない人は「私が先に!」となりがちですが、ヨガでコツコツ自分を鍛えて整えておくことで、どんな時も落ち着いて穏やかでいられます。

減災のためにヨガをするわけではありませんが、ヨガは確実に減災につながると確信しています。

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