特に欧米での人気が高く、男性のヨガ愛好家からも支持されています。
チャレンジングなポーズが多く、やればやるほど成長を感じられる点がアシュタンガヨガの魅力だと思います。
運動量が多く、全身の筋肉を刺激するため「ダイエットしたい方」や「身体を引き締めたい方」にもおすすめです。
今回は、アシュタンガヨガの効果やポーズの順番(流れ)、マントラについて詳しくご紹介していきます。
アシュタンガヨガとは
アシュタンガヨガは、呼吸と共に流れるように動いていく「ヴィンヤサヨガ」の一つです。
インドのシュリ・K・パタビ・ジョイス師(1915〜2009))によって生み出され、世界中に広まりました。
日本では、ケン・ハマクラ氏がアシュタンガヨガ正式指導者として、日本のヨガ界にもアシュタンガヨガを浸透させています。
日本のヨガのイメージである「ゆったり動くヨガのスタイル」とは異なり、とてもエネルギッシュなので、身体を動かすのが好きな方、チャレンジングなことが好きな方、身体作りをしたい男性などからも愛されています。
筆者自身、日本の一般的なヨガクラスを受けたときには全くハマらず、メキシコで「ヴィンヤサヨガ」に出会ったことでヨガに夢中になりました。
何か別のことを考える間もなく没頭する感覚の虜になる方は多いのです。
運動量が非常に多く、強度の高いアシュタンガヨガは、日々のヨガによって筋肉と体力をつけてから行うのがおすすめです。
→アシュタンガヨガとは?体の変化や流れ、ハタヨガとの違いを解説!
アシュタンガヨガの特徴
決まったポーズを順番通り繰り返す
アシュタンガヨガの大きな特徴は、決まったポーズを順番にとり、繰り返していくことです。
「太陽礼拝」→「立位のポーズ」→「座位のポーズ」→「終盤のポーズ」という流れで行っていきます。
アシュタンガヨガのスタジオには、ポーズの順番を覚えていない方のためにポスターが貼ってあることが多いです。
同じポーズを繰り返すことで、体の変化に気付きやすく、モチベーションを高く保てるというメリットがあります。
ウジャイ呼吸で行う
アシュタンガヨガは、喉の奥を締めるようにして行うウジャイ呼吸を用います。
「シュー」という摩擦音がするのが特徴です。
意識してウジャイ呼吸をするというより、強度が高いため、自然とポーズが安定しやすいウジャイ呼吸になることが多いです。
合わせて、へそ下に位置するバンダを使い、お腹を引き上げるようにしてポーズを安定させていきます。
→ウジャイ呼吸法とは?自分に自信がつく効果や呼吸の注意点を解説
マントラを唱える
アシュタンガヨガは、ポーズの練習の前と後にマントラを唱えるのが基本です。
マントラとは、讃歌や祈りを捧げるために表現された短い言葉のこと。
マントラを唱えることをチャンティングと言い、クラスによっては「チャンティングしましょう」と表現されることもあります。
マントラを唱えることで「心を静める」「集中力を高める」といった作用があります。
また、マントラはヨガを生み出し育ててくださった先人への感謝を伝えるために大事だとされており、唱えること自体が練習の一部と考えられることもあります。
実際には、すべてのアシュタンガヨガのクラスで行われているわけではありません。
マントラを唱えないこともありますし、「OM(オーム)」のみを唱える場合もあります。
「OM(オーム)」はとても心が落ち着く響きなので、ぜひヨガ初心者の方も取り入れてみてください。
ハーフとフルのシークエンスが存在する
アシュタンガヨガには、ハーフプライマリーやフルプライマリーなど難易度の異なるシークエンスが存在します。
フルプライマリーになるとヨガ初心者では到底できないポーズも出てきますので、まずはハーフプライマリーから始めてみましょう。
レッドクラス、マイソールクラスが存在する
アシュタンガヨガにはレッドクラスとマイソールクラスというものがあります。
日本で一般的なのはレッドクラスです。
レッド=LED(導く)という意味があり、ヨガ講師のガイドに従ってシークエンスを進めていくものです。
アシュタンガヨガのポーズの流れを覚えていなくても安心して参加できます。
マイソールクラスでは、それぞれが自身のペースでアシュタンガヨガを行っていきます。
決められた順番通りにアーサナを行えることが前提です。(間違っていたらダメということではありません。)
私はアメリカで一度参加したことがありますが、ヨガ講師のリードがないので、クラスは静寂に包まれていてウジャイ呼吸の「シュー」という力強い音だけが響きます。
時折り先生から生徒への指導が入る小さな声が聞こえる程度です。
まさに“鍛錬”という感じで、自分と向き合うのにとても良い環境だと感じました。
アシュタンガヨガの効果5つ
精神の安定効果
力強い呼吸と合わせてポーズを続けるアシュタンガヨガを行うと頭の中の雑念が自然と消え、自然と瞑想状態へと入っていけます。
どんな方でも集中できるので、瞑想をしようと目を閉じても他のことを考えてしまうという方にもうってつけです。
心が落ち着き、安定した精神を手に入れることができます。思考もクリアになります。
→精神的に病んだ時の対処法!ふさぎ込んだ時はヨガで気持ちを切り替えよう
深いリラックス効果
アシュタンガヨガは、強度が高い内容だからこそエンディングポーズで身体を休めるときには他では味わえない深いリラックス感を味わえます。
アシュタンガヨガを終えた後の疲労感や脱力感の心地良さの虜となる方も多いです。
体力の向上
同じ順番のポーズを続けるアシュタンガヨガは、続けていくうちに体力の向上を実感できます。
力強いウジャイ呼吸を取り入れることも心肺機能の向上、ひいては持続力の向上に役立ちます。
アシュタンガヨガを続けることで、日常でも疲れにくい身体を手に入れることができます。
ダイエット効果
エネルギッシュに動くアシュタンガヨガは非常に疲れますが、その分ダイエット効果が期待できます。
ゆったりとしたヨガに比べ、圧倒的に消費カロリーが多いのです。
全身の筋肉をくまなく使うので、スタイルアップ効果も抜群。
アシュタンガヨガの愛好家は決まってお腹が引き締まっています。
筋肉量が増えれば、基礎代謝のアップにも繋がります。
→お腹痩せダイエットにオススメなおうちヨガ!即効でぽっこりお腹をへこますヨガポーズ3選
柔軟性の向上
アシュタンガヨガには「前屈」「後屈」「股関節回転」の動きが多く組み込まされています。
何度も繰り返し徐々に深めていくため、誰でも柔軟性を高めることができます。
太もも裏のハムストリングなどの筋肉にも柔軟さが生まれ、動きにしなやかさと快適さが生まれます。
怪我をしにくく疲れにくいといったメリットに繋がります。
アシュタンガヨガのポーズと順番を解説
ここからはアシュタンガヨガの順番についてご紹介していきます。
「太陽礼拝」→「立位のポーズ」→「座位のポーズ」→「終盤のポーズ」という流れで行います。
ヨガの基本的なシークエンスである太陽礼拝が多く出てきますので、まずは太陽礼拝をスムーズに行えるようにしましょう。
特に、太陽礼拝のチャトランガダンダーサナ(四肢で支える杖のポーズ)は、アシュタンガヨガの後半に出てくるパワーを必要とするポーズの基盤を作るものです。何度も繰り返していきましょう。
ご自身で行う場合は、ぜひ表などを参考にしながら行ってみてください。
- 太陽礼拝
スーリヤナマスカーラA(太陽礼拝A) ※数回繰り返す
スーリヤナマスカーラB(太陽礼拝B) ※数回繰り返す - 立位のポーズ
パダングシュターサナ
パダハスターサナ
ウッティタ・トリコーナーサナ
パリヴリッタ・トリコーナーサナ
ウッティタ・パールシュヴァコーナーサナ
パリヴリッタ・パールシュヴァコーナーサナ
プラサリータパドッターナーサナA〜D
パールシュヴォッターナーサナ
ウッティタ・ハスタパダングシュターサナ
アルダバッダパドモッターナーサナ
ウトゥカターサナ
ヴィラバドラーサナA
ヴィラバドラーサナB - 座位のポーズ ※一部
一言コメント
立位の後は座位のポーズに入っていきます。
ポーズとポーズの間にはジャンプバックなどを含むハーフヴィンヤサを入れるのが一般的です。
そのため、座位のポーズですが非常に体力を使うシークエンスになっています。ダンダーサナ
パスチマッタナーサナ
プルヴァッタナーサナ
アルダ・バッダ・パドマ・パスチマッタナーサナ
ティルヤン・ムカ・エカ・パダ・パスチマッタナーサナ
ジャーヌシルサーサナA、B、C
マリーチャーサナA、B、C、D
ナヴァーサナポイント
この先はブジャピダーサナ→ティッティバーサナ→クルマーサナと柔軟性に加え、体幹や腕の筋力を必要とする難易度の高いポーズが続きます。
基本の太陽礼拝をしっかりと取得し、身体が整ったあとにぜひチャレンジしてみてください。 - 終盤のポーズ
一言コメント
立位→座位のシークエンスを一通り終えるとシルシャーサナ(ヘッドスタンド)を行い、終盤のポーズへと入っていきます。
最後はシャヴァーサナ(屍のポーズ)で全身を大地にゆだね、時を過ごします。
最初はここまでたどりつけないのが当然ですが、ぜひアーサナの最後にはシャヴァーサナを取り入れてみてください。究極のリラックスが味わえます。シルシャーサナ
バラーサナ(チャイルドポーズ)
<ハーフヴィンヤサ>
パドマーサナ
トーラーサナ
シャヴァーサナ
アシュタンガヨガで心と身体を鍛錬しよう!
筋力や持久力が自然と鍛えられ、精神力の強化やスタイルアップにも役立つアシュタンガヨガ。
同じ順番でポーズをするため自身の成長に気づきやすく、モチベーション高く続けられるというメリットもあります。
ぜひみなさんもアシュタンガヨガにトライして、最後のシャバアーサナの快感を味わってみてください。