ヨガのインストラクターも推奨している「お尻の穴(肛門括約筋)」を引き締める新たなダイエット方法は、書籍も発売されていて売れています!
お尻の穴を締めることは、腰痛や反り腰、便秘・むくみ・下腹の浮き輪肉などに効果があるとか。
ここではそのメカニズムや詳しいやり方に迫ります。
ヨガでは当たり前!?お尻の穴の意識は大切
ヨガでよく聞く言葉に「バンダ」があります。
バンダとは体のいくつかの部分を引き締めることで、ヨガのポーズをしている時に「バンダを意識する」ことで、体幹が安定し、エネルギーが漏れず内側の不要なものを燃焼させるのに役立つと教えられます。
バンダの中でも主要なものが「ムーラバンダ」「ウディヤナバンダ」「ジャランダラバンダ」の3つで、この3つのバンダのうち「ムーラバンダ」は会陰から肛門のあたり、「ウディヤナバンダ」は下腹部(丹田)あたり、「ジャランダラバンダ」は喉の引き締め・引き上げを指しています。
そのためインストラクターがレッスン中に「バンダを引き締めて!」とか「バンダを意識して!」と指示を出すことはよくありますし、インストラクターによってははっきりと「肛門締めて!」とか「会陰を引き上げて!」と指示するケースもあり、ヨガの世界では「肛門を締める」は珍しいことではありません。
バンダを意識するエクササイズはヨガの他にも体幹を使う空手や合気道などの武術にもあるようですが、それ以外のエクササイズでは、肛門や丹田を意識することはほとんどないようです(ただし、無意識にバンダを締めているアスリートは多くいます)。
ところが、運動とは関係なく過ごしている一般の人の多くは「肛門を締める」という言葉を耳にすることはありません。
そのためヨガのクラスにはじめてくる生徒さんに「お尻の穴をキュッと締めて」と説明してもその表情は「???」であることがほとんど。
お尻の穴って締めるものなの?そもそも締まっているんじゃないの?という人が圧倒的多数です。
しかし、お尻の穴も筋肉。
全ての筋肉が加齢とともに衰えますが、お尻の穴ももれなく衰えるパーツです。
60歳を過ぎると「歩いているだけでオナラがよく出る」という人が増えますが、これもお尻の穴の筋肉の力が弱っているサインの一つと言えるでしょう。
お尻の穴とはどんな筋肉?肛門括約筋とは
お尻の穴の筋肉は正確には「肛門括約筋(こうもんかつやくきん)」といいます。
この筋肉は骨盤底筋群の一部で、尿漏れや子宮脱など女性器系のトラブルが起こった時に病院に行くっても「鍛えてください!」と指導される筋肉です。
骨盤底筋群は手のひらサイズでハンモック型をしていますがそれは正しいのですが、複数の筋肉から成り立っていて、理想はそれぞれがバラバラに動かせる(意識できる)ことになります。
例えば、今この記事を読みながら「お尻の穴だけを締める」次に「会陰だけを締める」、さらに「尿道の筋肉だけを締める」とバラバラに動かすことができれば、骨盤底筋群の意識やそれぞれの筋肉の力は高いといえます。
しかし、「うまく動かない」「3つ同時に動いてしまう」という感じなら、トレーニングが必要な状態と言えるでしょう。
骨盤底筋群の中で一番締めやすいのが肛門括約筋(お尻の穴)!
骨盤底筋群の筋肉がうまく動かせない、バラバラに動かせいな人でも、肛門だけはうまく締められる人が多いと思います。
最初はお尻の穴だけでなく、お尻全体がガチガチに力が入ってしまうかもしれませんが、正確にはお尻の穴をストローのように吸い上げるイメージで締める練習を続けると、お尻全体は柔らかいままでお尻の穴だけを締められるようになります。
このトレーニングを続けていくうちに、骨盤底筋を含むインナーマッスル全体が鍛えられ、自然と健康効果が得られるのです。
お尻の穴を締めるメリット〜座った状態編〜
腰が立つ
まず、お尻の穴を締めた状態で椅子に座ってみましょう。
とても腰に全体重をかけて座ることができなくなるはずです。
お尻の穴を締めると自然と骨盤が立った状態になり、座っている時の腰への負担が大幅に軽減します。
膝が閉じる
さらにお尻の穴を締めて座るとどうしても膝を開いておくことが難しくなります。
逆に座るといつも膝が開いてしまうのであれば、お尻の穴は締まっていません。
膝とつま先を同じ方向に向けておくことは美脚のために不可欠ですが、膝が外に開いてしまう人は、膝を閉じるよりもお尻の穴を意識した方が良さそうです。
骨盤底筋が締まる
骨盤を立てて膝を閉じた状態とは、骨盤底筋も引き締まった状態です。
骨盤底筋だけでなく、腹筋や背筋も締めていることになるので、下腹が引き締まり自然とエクササイズをしているような状態になります。
お尻の穴を締めるメリット〜立った状態編〜
お尻が締まる
立った状態でお尻の穴を締めておくと、お尻がキュッと引き上がり、いわゆるピーマン尻になるのを防いでくれます。
膝や足首にかかる負担も半減するため、足の関節を守ることにも役立ちます。
下腹が凹む
お尻の穴を締めた状態で立っていると、自然と下腹部が引き締まります。
下腹が引き締まった状態を維持することは皮下脂肪の蓄積を妨げ、スッキリとしたボディラインを維持することに不可欠です。
鼠蹊リンパが流れる(反り腰が治る)
お尻の穴を締めた状態で立っていると、反り腰が治ります。
いわゆるコマネチラインと言われるVラインが内側に入らず、床に対して垂直な位置でキープされることで脚のリンパ節の流れが良くなり、脚がむくみにくくなります。
反り腰をやめるだけで体のラインが変わってきますが、その一歩がお尻の穴を締めることと言っても過言ではありません。
お尻の穴を締めると体が変わるは本当!
これまで会陰や膣の引き上げにトライしてきたけれど「よく分からなかった」という人ほど、お尻の穴を意識してみてほしいと思います。
会陰や膣よりも締めやすく、体感しやすいからです。
また「良い姿勢」がわからない人も、お尻の穴を締めると、良い姿勢の意味が少しずつわかるはずです。
お尻の穴を1回締めただけで、体重が何キロも落ちるということはありませんが、体の内側から筋肉が育ち、姿勢がよくなることでボディラインが変わり健康効果も多く得られるはずです。