急いで走ったときなどに起こることは、誰にでもありますよね。
しかし、激しい運動をしたわけではないのに、すぐに息切れする、呼吸が苦しくて階段を一気にのぼりきれないというのは、「呼吸筋」が衰えているサインかもしれません。
放っておくと、さらに息が上がりやすくなり、疲れやすさも増してしまいます。
デメリットだらけですね。
そこで今回は、「呼吸筋」を鍛えるためにおすすめの、ヨガの簡単な呼吸法をご紹介していきます。
スムーズな呼吸は「呼吸筋」によって支えられている
みなさんご存知のとおり、呼吸は肺によって行われていますが、肺そのものは縮んだり膨らんだりできません。
その周りを囲む筋肉が動くことで、大気中の酸素を取り込んで二酸化炭素を吐き出しています。
この呼吸を行うために働く筋肉のことを、まとめて「呼吸筋」と呼びます。
代表的なのが、横隔膜。
名称から誤解されがちですが、横隔膜は膜ではなくてドーム状になった厚みのある筋肉。
肺のすぐ下に存在している。
さらに、背中にある僧帽筋や脊柱起立筋、お腹にある腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋といった幅広い範囲の筋肉が「呼吸筋」に含まれています。
息が上がりやすくなるのは、これらの「呼吸筋」が衰えてしまっているからだと考えられます。
深い呼吸が必要な場面でも筋肉が十分に作用しないので、呼吸が浅いままになり、息が苦しくなってしまうのです。
呼吸が浅くなると、疲れも感じやすくなってしまいます。
他にも、血行が悪くなる、代謝が低下するといった不調の原因にもなりえます。
※日常生活でも息切れする、呼吸がしにくいという場合は、医師にご相談することをおすすめします。
呼吸筋が衰えてしまう原因とは
呼吸筋が衰えてしまう原因
- 加齢
- 運動不足
- 悪い姿勢
- ストレス
先ほど説明した通り、「呼吸筋」は多くの筋肉の総称です。
すべての筋肉は年齢と共に衰えてしまうものなので、「呼吸筋」もまた特別な取り組みをしない限りは年齢と共に弱っていきます。
10代~20代前半の頃のように階段を楽にのぼれなくなってしまうのは、そのため。
30代後半~40代頃から、ちょっとした運動で息切れを感じやすくなる方が多いようです。
息切れが起こりやすくなるのは、年齢のせいだけではありません。
運動不足や悪い姿勢、ストレスによる浅い呼吸なども「呼吸筋」が衰える原因になっています。
若くても、運動をせずスマホを猫背で長時間見ていると、息が上がりやすくなってしまうので要注意。
20代でも、ちょっと走っただけで息が切れてしまう方が増えているように感じます。
放っておけば、日常生活にも支障がでてきてしまうかもしれません。
そんな事態は避けたいですよね。
ヨガのメソッドで呼吸筋を強化しよう
エネルギッシュな毎日を送るためにも、「呼吸筋」の衰えを感じたら放っておかないことです。
筋肉なので、鍛えることで良い変化を感じることができますよ。
ここからは、「呼吸筋」の強化に役立つヨガの呼吸法をご紹介していきます。
基本のヨガの呼吸法
「呼吸筋」がスムーズに動くために大切なのは、まずはリラックスすること。
とても簡単に思えますが、実は多くの現代人ができていません。
カラダが常に緊張状態にあり、筋肉が凝り固まってしまっています。
ヨガの呼吸法でリラックスして全身の筋肉の緊張をほどいていきましょう。
浅い呼吸がクセになっていた方は、続けることで意識しなくても深い呼吸ができるようになり「呼吸筋」が働きやすくなります。
基本的な呼吸法
- 椅子や床に、骨盤を立てて座る。
- 姿勢を正し、肩の力を抜く。(肩と耳を遠く離すイメージで)
- 口を優しく閉じ、目をつむる。
- 今ある息を鼻からすべて吐きだす。
- 鼻から3秒かけて息を吸い、1秒止め、5秒かけて鼻から息を吐きだす。
- 10回程、滑らかな呼吸を繰り返す。
ポイント
頭の中であれこれ考えずに、呼吸だけに意識を向けるのが、呼吸を深めるポイントです。
慣れてきたら、3分間、5分間と時間を伸ばしてみてください。
習慣的に取り入れていきましょう。
横隔膜の動きをチェックしながら行う
今度は、基本のヨガの呼吸法を続けながら、呼吸のタイミングに合わせて「呼吸筋」の代表的な存在である横隔膜が正しく作用しているかチェックしていきましょう。
手で横隔膜の動きを確認することで、より「呼吸筋」の動きを意識した深い呼吸ができるようになります。
横隔膜を動かして呼吸を行うと、息を吸うときにお腹が膨らみ、吐くときにお腹が凹む腹式呼吸になります。
お腹の動きにも注目してみてください。
呼吸筋の鍛え方
- 基本のヨガの呼吸法の準備ポーズをする(目は開けておく)
- 両手で左右の肋骨を包む込み、親指は後方へ回す
- 鼻から3秒かけて息を吸い、1秒止め、5秒かけて鼻から息を吐きだす(基本と同様)
- 10回程、滑らかな呼吸を繰り返す(基本と同様)
息を吸いこむときに、肋骨がしっかり開いているでしょうか。
肋骨を包んでいる手で、何も変化を感じられない場合は、横隔膜が十分に動いていない可能性があります。
その場合は、まず肩が上下しないように注意して行うこと。そして、息を吐くときにお腹をグッと凹ませてみましょう。
そうすることで、横隔膜を動かして行う腹式呼吸が上手にできるようになります。
ヨガの呼吸法でエネルギッシュに過ごせるように
階段をのぼると息切れしてしまうという方は、簡単にできるヨガの呼吸法を取り入れて「呼吸筋」を鍛えていきましょう。
衰えていた「呼吸筋」が強化されると、呼吸が楽になり、運動をしてもすぐに息が上がらなくなります。
日常生活での疲れやすさも変わり、エネルギッシュに毎日を過ごせるようになりますよ。
また、運動不足、悪い姿勢、浅い呼吸も「呼吸筋」が衰える原因になっているので、日ごろからエスカレーターではなく階段を選ぶ、姿勢を正す、深呼吸をするといったことを心がけていきましょう。
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