ただ、狭き門であるヨガインストラクター求人に募集するうえで、資格を取得していたほうが有利なことは間違いありません。
「でも、ヨガの資格って色々あって分からない…」
そんなヨガインストラクターを目指している人向けに、主要なヨガインストラクター資格を発行団体ごとに一覧でまとめました。
国際的なヨガ資格
全米ヨガアライアンス(RYT200)
ヨガインストラクター資格といえば、全米ヨガアライアンスが認定するRYT200。
全米ヨガアライアンスの資格は、世界中で最も認知度が高く、世界中どこでも教えることができるというメリットがあります。ヨガ資格に悩んでいるのであれば、とりあえず全米ヨガアライアンスの「RYT200」を取得しておけば間違いありません。
「RYT200」の他にも、さまざまな資格が用意されています。
全米ヨガアライアンスのヨガ資格一覧
- RYT200(Registered Yoga Teache 200)
- 全米ヨガアライアンス認定校で200時間のプログラムを修了したことを証明する資格。指導時間や指導経験年数は問われないヨガインストラクター入門の資格といえる。
- RYT500(Registered Yoga Teache 500)
- 全米ヨガアライアンス認定校でRYT200(200時間)を取得後、さらに300時間のプログラムを修了したことを証明する資格。ヨガインストラクターの上級資格。
- E-RYT200(Experienced Registered Yoga Teacher 200)
- RYT200を取得した後、ヨガインストラクターとして2年以上かつ1000時間以上の指導経験があると取得できるベテランヨガインストラクターの証。
- E-RYT500(Experienced Registered Yoga Teacher 500)
- RYT200を取得した後に4年以上かつ2000時間以上の指導経験に加え、RYT500を取得した後に500時間以上があると取得できる、一流ヨガインストラクターの資格。
- RPYT(Registered Prenatal Yoga Teacher)
- 妊婦ヨガの指導に特化したヨガ資格。RYT200もしくはRYT500取得者で、認定スクールで85時間のトレーニングを修了後、30時間以上のマタニティヨガヨガの指導経験があると取得できる。
- RCYT(Registered Children’s Yoga Teacher)
- 子供向けヨガの指導に特化したヨガ資格。RYT200もしくはRYT500取得者で、認定スクールで95時間のトレーニングを修了後、30時間以上のキッズヨガの指導経験があると取得できる。
全米ヨガアライアンスの取得方法の大まかな流れとしては、RYS(Registrated Yoga School)と呼ばれる認定校に登録されたスクールでヨガインストラクター養成コースを修了後に、全米ヨガアライアンスに登録するのが一般的です。
インド中央政府公認資格
ヨガ発症の地であるインド政府が公認する資格で、ヨガの精神と技術を根本から理解したいと考える方にオススメ。資格の有効期限は3年間。
全米ヨガアライアンスと並ぶ世界的なヨガ資格の一つで、日本国内の民間資格と比較すると非常に厳しい条件設定があるのが特徴。芸能人の片岡 鶴太郎さんが取得したのも、このインド中央政府公認資格です。
インド中央政府公認資格を取得する方法
- スワミ・ヴィヴェーカナンダ・ヨガ研究所・ヨガ大学院大学の講座を1年受講
- 日本ヨーガ・ニケタンが主催する全10回の講習を受講する。
インド中央政府公認資格の取得方法は2つありますが、日本人でインド中央政府公認資格を取得する人にとっては日本語で取得できることから日本ヨーガ・ニケタンで取得する人がほとんど。
もちろん、受講するだけではとれません。全10回の講習のうち7回以上の出席するのは当然のこと、講習ごとのレポートを提出したうえで、2度の実技試験と筆記試験に合格する必要があります。
【筆記試験】
試験時間:90分
問題形式:選択問題60門
合格ライン:70%以上
【実技試験】
試験時間:60分前後
問題形式:デモンストレーションと質疑応答
合格ライン:70%以上
修了試験や出席率によっては取得できないことがあることから、取得者=専門性の高い技能を持っていると評価される資格といえるでしょう。
取得の難易度は高いですが、非常に信頼のできる資格です。
日本の団体が発行する国内ヨガ資格
日本でも多くの団体がヨガインストラクターの資格を発行しています。日本の資格のメリットは、国際的な資格と比べて取得費用や期間が短いこと。代表的な資格は以下のとおりです。
- 国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)
- NPO法人日本YOGA盟、社団法人日本ヨガインストラクター協会(JYIA)
- 一般社団法人全日本ヨガ協会(AJYA)
- 国際ボディメンテナンス協会(IBMA)
それぞれの資格について、順番に解説します。
国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)
国際ホリスティックセラピー協会が認定する資格には、ヨガインストラクター1級・2級とスタンダードなものから、マタニティヨガ、シニアヨガ、キッズヨガ、小顔フェイシャルヨガ、リストラティブヨガと多岐にわたります。
ホリスティック医学の普及とセラピー業界の発展を通して、人々が積極的・自律的に病気や怪我を防ぐ社会づくりを目指して健康増進に貢献することを目的とし、整体やアロマ、ヨガなどさまざまな認定資格制度を設けている協会。
ケン・ハラクマや佐藤 ゴウといったホリスティックセラピー業界の第一人者の面々が理事を務めている。
国際ホリスティックセラピー協会(IHTA)のヨガライセンス一覧
- ヨガインストラクター 1級
- 解剖学や生理学・整体理論・骨盤調整法までを学んだ証。
パーソナルレベルの指導ができるスキルをもつインストラクターであるといえる。
1級を取得すると同時に全米ヨガアライアンスの「RYT200」の資格も取得できる。
受講費用は¥568,000。 - マタニティヨガ インストラクター
- 妊娠中のカラダの変化に配慮した、安全かつ有効なレッスン方法を学んだ証。
受講費用は¥113,000。 - シニアヨガ インストラクター
- 高齢の方やカラダが虚弱な方向けに、おだやかな動きでカラダを丁寧に動かす指導法を学んだ証。
受講費用は¥113,000。 - キッズヨガ インストラクター
- お子様の発育や成長の段階に合わせた多彩なプログラムを提供する技術や安全な指導方法を学んだ証。
受講費用は¥73,000。
- 小顔フェイシャルヨガ インストラクター
- しわ改善や小顔、ハリのある肌を作るなどの表情筋エクササイズや小顔調整法の指導法を学んだ証。
受講費用は¥63,000。 - リストラティブヨガインストラクター
- リストラティブヨガの考え方やアプローチ方法を学び指導できることを認める資格。
受講費用は¥73,000。
受講にかかる期間は、スタンダードなヨガインストラクター資格であれば6~12ヶ月、キッズヨガやマタニティヨガなど特殊なヨガ資格でも1~2ヶ月と、取得期間が長めであることが特徴です。
その分、しっかりと教えているということもいえるので、技術力はしっかりと身についていることの保証として見られやすいといえるでしょう。
協会では独立・起業支援としてサポートセミナーなども行っているので、バックアップ体制も安心です。
NPO法人日本YOGA連盟
NPO法人日本YOGA連盟のヨガインストラクター資格は取得が簡単です。
国民の健康や福祉の増進に役立てる活動を目的として、「ヨガの健全な普及と発展」につとめている。
NPO法人日本YOGA連盟のヨガライセンス一覧
- ヨガインストラクター
- 10日間(60時間)の講座を受講後、資格取得試験の受験が可能に。
合格すると、日本YOGA連盟認定のヨガインストラクターとして活動できる。
受講料は¥249,450。
ヨガインストラクター資格は、10日間にわたる講座を受講したあとに、資格取得試験に合格することで日本YOGA連盟認定のヨガインストラクターとして認定されます。認定には実技判定・小論文の作成・試験・課題レポートの提出が必要で、要件をすべてみたすことで資格認定されます。
日本YOGA盟は、教育や医療、高齢者福祉、障害者の施設などへのヨガインストラクターを派遣しており、資格を取得することで講師派遣の際に声がかかるというのがメリットではあるものの、需要(依頼者)と供給(連盟インストラクター)のバランスもあるため、必ずしも仕事が紹介されるというわけではありません。
社団法人日本ヨガインストラクター協会(JYIA)
日本ヨガインストラクター協会が認定する資格は、美容・健康・ストレス解消に関するインストラクターの技術を証明できる資格です。
社団法人日本ヨガインストラクター協会のヨガライセンス一覧
- 3級 MASTER マスターコース
- 合計38.5時間のカリキュラム。
解剖学やヨガの歴史、ヨガの概要知識について学ぶことによって取得できるヨガ入門資格。
受講費用は¥131,000。 - 2級 ADVANCE アドバンスコース
- 合計59.5時間のカリキュラム。
一つ一つのヨガポーズを解剖学的に理解して、実際にポーズをアジャストする方法やクラスの組み立て方の実技の講座を受講したことを証明する指導者向けの資格。
受講費用は¥264,000。 - 1級 SENIOR シニアコース
- 合計60時間のカリキュラム。
ADVANCEライセンスを取得した人のみ取得することができる資格で、キッズヨガやシニアヨガに関する知識や実技を学ぶことで幅広い年齢層への指導を行うことができる資格。
受講費用は¥464,000。
2級を取得することで小規模な教室を開設、1級を取得することで認定校の開設ができる資格が得られます。
JYIAライセンスは、認定校で取得したいライセンスのコースを受講した後に、学科・実技試験・面談に合格することで取得することができます。
一般社団法人全日本ヨガ協会(AJYA)
一般社団法人全日本ヨガ協会が認定するAJYAのヨガライセンスは3つあり、それぞれがヨガを学ぶ目的に応じて取得できることから、心身の仕組みをよく理解した上で安全な指導ができる存在としての証明になります。
ヨガの啓蒙や普及にも力を注ぎ、医療や福祉現場でのヨガ支援などの活動も行っている。
全日本ヨガ協会(AJYA)のヨガライセンス一覧
- 3級 MASTER マスター
- 認定スクール及び教室でインストラクターとして指導が認められる資格。
受講費用は約¥90,000。 - 2級 ADVANCE アドバンス
- 認定教室独立開業プログラムが可能。
受講費用は約¥200,000。 - 1級 SENIOR シニア
- 認定スクール独立開業プログラムが可能になる資格。
受講費用は約¥400,000。
AJYAライセンスは、認定校にて各コースを受講後に倫理試験・実技試験を合格することで取得することができます(※別途、試験料¥11,000~¥33,000が必要)。ヨガインストラクターとして独立を目指すのであれば、2級以上の取得をめざしましょう。
また、全日本ヨガ協会の認定校や認定教室を開く場合は、別途登録料(¥33,000~¥660,000)と年会費(¥11,000~¥330,000)がかかります。
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)には、3段階に分けたヨガインストラクター資格があります。
国際ボディメンテナンス協会(IBMA)のヨガライセンス一覧
- 3級 ヨガベーシックインストラクター資格
- ヨガの基本となる21種類のアーサナ、28種類のモディフィケーションを習得したということの証明資格。
60分ほどのクラスを数種類デザインできるぐらいのスキルをもてます。
受講費用は¥207,900。 - 2級 ヨガアドバンスインストラクター資格
- 解剖学的なアプローチも学んでいることが認める資格。
解剖学を理解して、個々に合わせたヨガを提供できるスキルを持てます。
受講費用は¥237,600。 - 1級 ヨガマスターインストラクター資格
- IBMAのベーシックやアドバンスコースの受講者育成ができるヨガインストラクターの資格。
IBMAブランドを活かした認定校の開校ができるようになります。
受講費用は¥132,000。
講座を受講して各ヨガライセンスに必要な単位を取得し、IBMA資格認定試験に合格すれば、資格を取得できます。
取得は比較的容易であることから、2020年には1,000人程度の取得者がいます。
流派別のヨガ資格
ここまで紹介したのはオーソドックスなヨガインストラクター資格ですが、流派ごとにヨガ資格もあります。
クリパル・ジャパン
アメリカを拠点として世界広がっているヨガの流派である、クリパルヨガのインストラクター資格。
「体の内に知恵が宿る」という考え方のもと、気づきといったマインドをより重視しているヨガ。
クリパルヨガでは、ポーズを取るのは、いわゆるきちんと完成されたポーズを取るためではなく、その行為の中で、体験していることに価値をおくタイプのヨガです。もちろん、ポーズを安全にどう取るか、という基本的な誘導はしますが、その中での「生徒の体験」を尊重しているのです。
ークリパルヨガ・ジャパンより
アライアンス認定基準にも基づいていることから、200時間クリパルヨガ教師トレーニングを終了後に全米ヨガアライアンスのRYT200も同時に取得することができます。
日本アイアンガーヨガ協会
日本アイアンガーヨガ協会によるアイアンガーヨガのヨガインストラクター資格。
強靭な精神と肉体をつくることが特徴なカラダの歪みを改善するのに適したヨガ。
アイアンガーヨガは肉体と精神の柔軟性やリラクセーションを得ることに加えて、強靭さとスタミナを増進させ体の歪みを正していくことに重きをおいています。
ー日本アイアンガーヨガ協会より
かなり取得条件が厳しく、取得には3年のアイアンガーヨガの経験をつんだ後に、2年間にわたる指導員のためのプログラムを取得したうえで認定試験を通過する必要があります。
取得条件が厳しいことから2020年現在では、国内のアイアンガーヨガ認定指導員は100人程度しかいないことから取得することは、差別化につながるといえるでしょう。
シヴァーナンダヨガ・ジャパン
カナダを本部として世界40カ国に広がるヨガ流派である、シヴァーナンダヨガのインストラクター資格。
残念ながら日本国内で取得することは難しく、海外(タイ・インド・ベトナム)のアシュラムで実施されるシヴァーナンダ・ヨーガ講師養成コースを、1ヶ月にわたり受講することによって取得することができます。
通信講座で取れるヨガ資格
値段も決して安くないにもかかわらず細かい指導方法をみてもらわずに取得できることからヨガ業界内での信頼性はイマイチなため、通信講座でヨガ資格を取得するのは正直なところオススメしません。
ただ、どうしても時間がとれないという人にかぎっては、通信講座でヨガインストラクター資格を取得するというのも一つの選択肢ではあります。
- 一般社団法人日本ハッピーライフ協会JAHA
- 資格のキャリカレ
- formie
ヨガインストラクター資格のオススメは「RYT200」
今回、主要なヨガインストラクター資格を紹介しましたが、ヨガインストラクターとして活動するなら、圧倒的にRYT200がオススメです。理由は3つ。
- 教育内容の充実
- 教育品質の保証
- オーディションの際に有利
順番に解説します。
教育内容の充実
RYT200のプログラムはヨガの哲学、アナトミー(解剖学)、アサナ(ポーズ)、プラナヤマ(呼吸法)、メディテーション(瞑想法)など、ヨガを教えるために必要な知識と技術を網羅的に学ぶことができます。
教育内容の充実
全米ヨガアライアンスは教育内容の品質を確保するために、定められた基準に従ったカリキュラムを持つスクールのみがこの資格を発行できます。これにより、学習内容の一定の品質が保証されます。
オーディションの際に有利
日本では、ヨガスタジオの採用オーディションにおいて、「RYT200」の取得が条件とされることがあります。その理由は、ヨガインストラクターとしてのプロフェッショナルさを示すためです。「RYT200」を取得したインストラクターは、一定レベル以上の教育を受け、また、全米ヨガアライアンスの倫理規範に従うことを誓約しているため、そのプロフェッショナリズムと信頼性が保証されます。
認知度の低い資格の場合、一部の限られた場所でしか活躍できない資格になりかねないので注意が必要です。自分の目的をしっかりと明確にした上で、取得するヨガインストラクター資格を決めましょう。
まとめ
本記事では、様々なヨガインストラクター資格とその取得方法をテーマに解説しました。ヨガは体と心を整えるための重要な練習方法であり、専門的な知識と経験が必要です。そのため、ヨガインストラクターとして活動するには、適切な資格を取得することが重要となります。
次の行動としては、まずは自分がどのようなヨガインストラクターになりたいか、どのようなスタイルや哲学に共感するかを明確にし、それに基づいて適切なヨガ資格を選ぶことをお勧めします。自分自身の目指す方向性を明確に持つことが、ヨガインストラクターとしての道を切り開くための第一歩となります。
下記のサイトでは「ヨガインストラクターになるには?」ということについて、分かりやすくまとめていたのでお勧めです。興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。
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