ヨガを学んでいる人でも、カルマヨガについてはあまり知らない人が多いようです。
カルマヨガは「行為のヨガ」や「行動のヨガ」ともいわれ、ポーズや呼吸法は行いませんが、カルマヨガの真髄を理解できると、人生から些細なストレスをどんどん手放すことができます。
ここでは24時間をカルマヨガで生き、人生を劇的に好転させるヒントをご紹介します。
私たちは結果や報酬を求めて行動してばかりいる!
カルマヨガの起源やその教えが伝えられている経典については、別の記事をご覧いただきたいのですが、ここではより実践的なカルマヨガについてお伝えしていきます。
カルマヨガとは「行為のヨガ」と訳され、その行為は「一才の結果や報酬を求めずに行動する」ことと教えられています。
「一才の結果や報酬を求めずに行動する」と言葉にするのは簡単ですが、実際の私たちの日常生活はどうでしょうか。
結果や報酬を求めずにしている行動があるか振り返ってみると、ほとんどない人が多いのではないでしょうか。
例えばSNSに写真を投稿するのは「いいね」が欲しいから。
だから「いいね」がつかないとがっかりしたり、人と自分を比べたりしてしまう。
「メイクやおしゃれをする」のは誰かに「かわいいね」と言われたいから。
メイクも着替えもせずにダラダラ過ごしているのが好きなのに、誰かに会う時は頑張りすぎてしまうので疲れてしまう。
「仕事をする」のは生活のため。
働かずに生きていけるなら、それに越したことはないというのが本音。
「ヨガ」をするのは痩せたいから。
なかなか痩せないけれど、ヨガならそこまで大変じゃないし、ヨガをしているというと印象がいいから。
いかがでしょうか?
こんな風に、皆さんのしている行動の多くが何かしらの「結果」や「報酬」を求めての行動なのではないでしょうか。
「私ばっかり」「なんのために」「あなたのために」も期待や報酬の現れ
「家事」や「育児」は結果や報酬ではなくやっているという人もいるかもしれません。
掃除や炊事をしなければ私たちは安全で快適に生活することができませんし、小さいお子さんの育児をされている方は育児を放棄してしまえばお子さんの命は失われてしまいます。
だからやっている。やらざるを得ない。
しかし、「私ばっかり」とか「ママがこんなにしてあげているのに」「なんのために」という気持ちが少しでも浮かんでくるのであれば、それはやはり家事や育児にでさえ「結果や報酬」を期待する気持ちが隠れていることの現れでしょう。
「一才の結果や報酬を求めずに行動する」というカルマヨガのマインドが自分の行為に浸透していれば、片付けたそばから散らかされようと、作ったご飯を食べてくれなかろうと、そこにがっかりする気持ちやストレスは生じないはずです。
やってあげた、してあげた、なんて少しも思わないはず。
これがカルマヨガの考え方なのです。
カルマヨガの効果とは
カルマヨガの実践であらゆるストレスがなくなるメカニズム
ではなぜ「一才の結果や報酬を求めずに行動する」必要があるのでしょうか。
それは、結果や報酬を求めるという行為は執着であり、執着は苦しみを生むからだとヨガでは解いています。
「すべての物事には原因と結果があり生じている」とヨガでは考えますが、私たちの日常で感じるさまざまなストレスにも原因があります。例えば雨が降ってストレスを感じる。これは「雨が降らないで欲しい」と期待しているからです。
作ったご飯を残されてストレスを感じる。これは「ご飯を残さずおいしいと食べて欲しい」と期待しているから。
仕事にストレスを感じる。これは「報酬や評価が不十分」と感じているから。
「ヨガで痩せない」とストレスを感じている。それは「ヨガで痩せる」と期待しているから。
つまり、ほとんどのストレスの原因は「自分の期待」との差異であり、そもそも期待は自分の心が「結果や報酬を求めていること」によって生まれているのです。
最初から「結果は神のみぞ知る」のマインドで、結果に一才の期待を持たなければ、結果がどうであろうとも、ストレスを感じることはありません。
そして、行為の結果に執着を感じることもありません。
そうなると、多くのストレスが「生じなく」なります。
ストレスが多いと感じている人、ちょっとしたことにイライラする人、私ばっかり、とか、損をしたくない、そんな風に考えがちな人は、とにかく「結果や報酬を求めない、結果に期待しない」と自分に言い聞かせてください。
すると、ストレスがどんどん減ってくることを体感できるでしょう。
カルマヨガの実践で人生が劇的に好転するメカニズム
とても不思議なことですが、「一才の結果や報酬を求めずに行動する」というカルマヨガを自分の行動指針にすると、人生が劇的に好転します。
まず、褒められると思ってもいない場面で褒められたり、期待もしていないお礼やお返しをいただいたりすることが突然増え出し、毎日の生活の中で感謝する場面がグッと増えるようになるのです。
さらにカルマヨガの精神を貫くと、目の前に現れる「すべきこと」、例えばそれが仕事に行く・掃除をする・食事を作る、といったごく当たり前の些細なことでも、「誰かにやらされている・仕方なくやるもの」ではなく「させてもらうこと」と、視点がぐるりと変わるのです。
目の前に現れるあらゆるすべきこと、したいこと、したくないこと、は「結果や報酬を一才求めないし・求められてもいない」と理解するだけで「ただ淡々とありがたくやらせてもらえばいいこと、楽しめばいいこと」に変わるのです。
そうなると、すべての物事をストレスなく、リラックスして、工夫しながら、マインドフルネスに行えるようになります。
誰かに評価されたり、報酬をもらうために行為をしないだけで、頑張りすぎる自分からも卒業できます。
すると逆に喜ばれたり、褒められたりすることが増えてくるのです。
もちろん、誰かを喜ばせたいから、褒められたいからカルマヨガをするのではありませんのでここは注意してください。
1つ1つ執着を手放していくことがカルマの解消、年齢を重ねるたびに生きやすくなる
カルマヨガを継続していくと、目の前に起こる出来事が次々と変化していきます。
例えば、人間関係に恵まれずに転職を繰り返す人がいます。
どこに転職しても、毎回苦手なタイプの同僚や上司に当たってしまう。
この人は「いい職場に出会いたい、いい上司に出会いたい」という結果に執着しすぎているからです。
どんな職場であっても「苦手、嫌い、相手を怒らせない、相手に褒められる、相手と仲良くなる」など、あらゆる結果や報酬を期待することをやめ、ただ普通に挨拶し、ただ普通に目の前の仕事をするだけで、急に問題が解決したりします。
いつもお金がないと嘆き、お金を得るために四苦八苦している人であれば、お金の苦労のことを忘れてただ目の前にある仕事に結果も報酬も期待せず打ち込むだけで、急にお金の問題が解決したりします。
これをカルマの解消と言ったりもします。
逆にいうと、欲しい報酬や結果に執着しすぎることで、その結果が得られるまで繰り返し同じような苦難が降りかかってきたりするのです。
どんな結果になろうとも、期待した報酬と違っていても、それを淡々と受け止めることがカルマの解消であり、それができるようになることで年齢を重ねるほど人は生きやすくなっていくのです。
リラックスして取り組む、まずはここからカルマヨガをスタート
カルマヨガの実践は簡単ではありません。
私たちはどうしても「結果や報酬」を期待して行動する癖があります。
でも、それではいつになっても人生から無駄なストレスを消すことはできません。
目の前にある仕事ややるべきことは、すべて「神様からの授かり物」と思って、結果や報酬は気にせず、自分のできる範囲でリラックスして取り組む、まずはここからはじめてみてください。