これまでストレートネックと言われてきた同症状は、本来自然にカーブしているはずの首がまっすぐに近づいてしまっている状態のことを意味しています。
その主な原因が、スマートフォンの画面を見るときの前のめりの姿勢と関係があることから、“スマホ首”という言葉が生まれたのです。
一日のスマートフォン使用時間が平均2~3時間だと言われていたのも今となっては昔の話。
ステイホームやリモートワークの最中、スマートフォンを手に取ることが格段に増えたという方は多いでしょう。
その結果、首はガチガチに凝り固まって、湾曲も失われて、体感としても「ツラいなあ」と感じることが多くなったのでは?
そこで今回は、ガチガチなスマホ首をほぐすストレッチとヨガのポーズを紹介していきたいと思います。
こんな姿勢でスマホを見ていませんか?
スマートフォンの画面を見ているときの姿勢を思い出してみてください。
腕が体の前に伸びて肩が内側に入り、背中は丸まって…。
さらには、あごが前に突き出した姿勢になっているのではないでしょうか?
このような姿勢で長い時間過ごしていると、頭の重さを支えるために必要な首の自然なカーブが失われてしまいます。
すると、首にかかる負担がますます大きくなり、筋肉が緊張して、徐々に骨がまっすぐになっていってしまうと言われているのです。
- 顔の位置が通常よりも前に出てしまっている
- 就寝時に首と枕のあいだに隙間ができる
これらは首の骨がまっすぐになった“スマホ首”の傾向があると言えます。
また、首や肩こり、頭痛、目の疲れ、首まわりのしわ、顔のたるみなどもスマホ首との関係があります。
スマートフォン閲覧時は、腕を体に引き寄せて脇を締め、画面を目線の高さに合わせるといった姿勢を意識してみるとよいでしょう。
そして、すでに首がガチガチになってしまっているという方は、次のようなストレッチ・ヨガのポーズをおこなってほぐしてあげましょう。
ガチガチなスマホ首をほぐすストレッチ&ヨガポーズ
ここからは、ガチガチに凝り固まったスマホ首をほぐすストレッチとヨガのポーズを紹介していきます。
ストレッチ①
やり方
- あぐらの姿勢で座り、後頭部で両手を組んだら、息を吐きながらあごを引いて下を向く→60~90秒キープ
- ひじを体の中央に寄せるようにし、腕の自然な重さを使って首のうしろをストレッチ
- 息を吸いながら頭を持ち上げ、目線を斜め上に向ける→60~90秒キープ
- ひじを横に広げ、胸を開くようにする
- 無理のない範囲で、後頭部に添えた手に頭の重さを預ける
ストレッチ②
やり方
- あぐらの姿勢で座り指先を体の前についたら、息を吐きながら前方に歩かせて上体を倒す→60~90秒キープ
- 首のうしろが詰まらない程度に目線を前方に向ける、もしくはあごを引いて頭を下げる
- 息を吸いながら上体を起こしてきたら、指先を体のうしろについて頭を後方に倒す→60~90秒キープ
- 首・肩に痛みがある方は、目線を軽く上げる程度でOK
ストレッチ③
やり方
- あぐらの姿勢で座り、両腕を頭上に伸ばしたらひじを曲げてそれぞれの手でつかむ
- 息を吐きながら上体を右に傾け、目線は左ひじの先に向ける~60~90秒キープ
- 顔を左に向けて、あごを軽く突き出すようにする
- 左右のお尻には、できるだけ均等に体重を乗せる
- 反対側も同様におこなう
- 首・肩が力むようであれば、上体の角度をやや起こしておこなう
ヨガポーズ「鋤のポーズ」
最後は、ヨガの「鋤のポーズ」です。
「鋤のポーズ」は、仰向けの姿勢で足を高く持ち上げ、つま先を頭の先に下ろす逆転のポーズのひとつ。
農作業で使用される“鋤”という道具に似ていることからこう名付けられたポーズで、スマートフォンの長時間使用で疲労がたまった首から背中にかけてを深くストレッチしてくれます。
加えて、視界が閉ざされることで脳がリラックスし、目の疲れを和らげる効果にも期待できるでしょう。
やり方
- 仰向けになり、両足を揃えて天井方向へ伸ばす
- 両手は体の横、手のひらは下向き
- 両手で腰を支えながら、ゆっくりとお尻を床から持ち上げて、つま先を頭の先の床につける
- 両足は股関節から曲げ、なるべくひざ裏が伸びた状態を維持する
- 座骨を真上に引き上げ、肩で体重を支える
- つま先を床につけるのが難しい方は、下にヨガブロックや厚みのある本などを置いて高さを出してもよい
- 両手を床に下ろしてひじを伸ばし、指を組む~呼吸を5回繰り返す
- 背中が丸まらないように腰をしっかりと持ち上げると、首に余計な負担がかかりにくくなる(腰が肩の真上にくるように)
- 肩で体重を支え、頭は軽く床に置いているようなイメージ
- ⑦が難しい場合は、③でキープ
仰向けの状態から頭の後ろに足先をつけて背骨を伸ばす「鋤のポーズ(ハラアーサナ)」。 ヨガのポーズの中でも基本的かつ重要なポーズの1つとされています。 この記事では、「鋤のポーズ」のさまざまな効果や正しいやり方について詳しくご紹介[…]
まとめ
ストレッチやヨガのポーズはどれかひとつだけをおこなってもいいのですが、いくつかの種類を連続しておこなうことでより首まわりのスッキリ感を得られるようになるでしょう。
スマートフォンは日々の暮らしにおいてなくてはならないものになりつつあります。
だからこそ、上手に付き合っていきたいものです。