中でも「人間関係」が崩れると体調を崩したり、収入が途絶えたりすることに直結します。
逆に人間関係さえしっかりしていれば、健康やお金の問題があってもサポートが得られるので乗り越えられたりするものです。
ここでは、人間関係を劇的に改善するための有効な方法「共感」と「同感」の違いについて詳しく解説。
この違いを心がけることで他者との会話や付き合い方が劇的に変わり、身近な人との人間関係も仕事も集客もうまくいきますよ。
ネット上でよく見かける「共感」は、実は共感ではない!
さまざまなSNSツールを使えばネット上では誰もが「気が合う人」を簡単に見つけ、居場所を作り、他者とのコミュニケーションを楽しむことができる時代です。
現実の世界でなくても人と繋がることは簡単です。
繋がるためのポイントは「共感」ができるかどうか。
例えば、誰かの投稿に「わかります〜!」とか「首がもげるほど頷きました〜!」とか「私の思っていることを言葉にしてくれて感謝!」とか「共感しかない」など、投稿者の意見を後押しし、自分の考えと同じであれば「気が合う」「居心地が良い」と判断するコメントをよく見かけます。
でも、これらはすべて「共感」ではなく「同感」です。
多くの人が「共感している」と思っていることは「共感」ではなく「同感」なのです。
そして、ほとんどの人が「共感」と「同感」が根本的に違うことを理解できていません。
「共感」と「同感」の違いとは?
「え?共感と同感が違う?」と思った方が多いのではないでしょうか。
辞書には、
と定義されています。
つまり「私も同じように感じていました」というのはすべて「同感」です。「共感」はしていません。
共感は「相手が体験したことや感じたことを、自分の気持ちや考え挟まずに理解する」こと。
例えば、「彼氏のLINEが既読にならなくて不安」という発言に対して「わかる!男って既読スルーすることもあるしね!」と反応するのは「同感」です。
「彼氏のLINEが既読にならなくて不安」という発言に、自分の経験や考えを挟まず「そうか、今あなたは不安な気持ちを抱えているのか」と相手の気持ちをそのまま理解するのが「共感」です。
自分の主観は横におき、目の前の相手が感じている気持ちを一旦理解することが「共感」であり、自分と相手が同じ考えである必要は全くないのです。
「同感」だけで成り立つ人間関係は遅かれ早かれ破綻する
私たちは特にネット上では無自覚で「同感」できる人と付き合いがちです。
そのため違う意見やコメントがつくと「アンチだ」「disられた」「即ブロック」「石が飛んできた」とネガティブな反応をしがちです。
相手と自分が100%同じ意見や考えを持っているはずなどないのに、同感だけで繋がっている人とは一つでも意見が異なると付き合いに限界が起こりやすいのです。
一方、リアルな世界では「目の前にいる人には良い部分も悪い部分もある」とか「私とは考えが違うけれど好き」「極端なこところもあるけれど尊敬している」など、ファジー(曖昧)な部分を残して付き合っているはず。
最初は「100%好き」からはじまった相手であっても、付き合いが長くなれば相手のさまざまな部分が見えてきて、それも含めて好きになったり嫌いになったりしながら、それでも付き合いを重ねていくはずです。
一方、ネット上だけの付き合いでは「好き」な部分や「同感」している部分とだけで付き合いがちなので、少しでも意見が合わないとうまくいかなくなるのです。
意見が違う人とこそ「共感」することでうまく付き合える
「意見が違ってもいい。自分と全て同じ考えの人などいるわけがない」と最初から自分と他人が「違う」ことが前提なら、相手と異なる意見に対して「いらっ」としたり「攻撃」したり「断絶」したりする必要がないとわかります。
相手が自分の考えと違っても「あなたは◯◯◯と思っているのか〜」とか「あなたは◯◯◯な気持ちなんだ〜」と、相手が感じていることをそのまま共感することはできるからです。
しかも相手に共感を示す時に、相手と自分の意見は違ったままでOK。
共感しても自分の意見が損なわれることはありません。
むしろ下手な同感はトラブルの原因になることも。
例えば、「彼氏が全然既読にならなくてイラつく」に対し、安易に「わかる!もう別れちゃいなよ、そんなダメな男!」と同感した場合、相手を怒らせてしまうことはよくあります。
相手は「あなたに私の彼の何がわかるの」「彼氏の悪口を言ってほしくはない」と思っているからです。
同感していないことに対しては基本「そっか、今イライラしているのか。何かできることある?」「一緒にイライラ解消できるようなことしよ!」と共感で返してあげた方が人間関係はうまく行くのです。
「共感」には癒しや「感謝」が生まれ、自分のファンにすることができる
共感はコミュニケーションの上級テクニックです。
そのため、慣れるまでは練習が必要です。
相手の話をよく聞く必要がありますし、自分の考えを一旦脇に置く必要もあります。
これがよく言われる「傾聴」です。
傾聴は非常に重要なコミュニケーションテクニックで、現在全国では「傾聴ボランティア」という活動をされている人もいますし、多種多様な「傾聴講座」が存在します。
また昨年は「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる」(日経BP社ケイト・マーフィ著)という傾聴に関する本が大ヒットしました。
今、傾聴が注目されている理由は「きちんと話を聞いてもらう」ことに人は「癒し」を感じるからです。
先程の例にあった通り「同感」ではなく「共感」してもらうことで、話し手は「理解してもらえた」「受け止めてもらえた」と感じ癒され、心が軽くなり、「聞いてもらえたこと」に対する効用が得られるのです。
しかも話を聞いてくれた相手のことを好きになり、味方になってくれたり、また相談したくなったりします。
つまり相手と意見や考えが違っても、相手と繋がることができるのです。
これはあらゆる場面の人間関係に役立つと言えるでしょう。
ヨガインストラクターも共感でリピーターを獲得できる
ヨガインストラクターは立場上、肉体的な痛みや精神的な不安を含めさまざまな相談をされることが多い職業です。
自分が経験していないことや、理解できない話をされることもあるでしょう。
例えば妊娠したことがないインストラクターがマタニティの相談をされる、まだ若いインストラクターが高齢者の体の痛みについて相談されるケースなどもあります。
特にここ数年は、ワクチン接種から感染対策まで、大きく意見が割れる話題も増えています。
しかし、生徒さんと考え方が違っても自分の主観は挟まず傾聴し、相手の考えていることに共感することで相手からは感謝され、信頼され、リピートしてもらえるのです。
ヨガインストラクターは「相手のためになることを伝えよう」「相手の求めている答えを答えてあげよう」としがちですが、そんな必要はなく、ただ共感するだけで十分なのです。
まとめ
共感と同感は大きく異なり、共感にはテクニックが必要です。
しかし、共感ができるようになると、目の前にいる人がどんな人であってもうまく付き合えるようになります。
共感してあげることで、相手はあなたのことを好きになり、あなたと意見が違っても味方になってくれたり応援してくれたりしてくれるでしょう。
「共感」をマスターして、人間関係を好転させていきましょう。