実はこのポーズ、アライメントを正しく行わないと、似て非なる別のポーズになってしまいます。
今回は、アップドッグの効果ややり方をご紹介します!
ヨガの「アップドッグ」とは?
ヨガのアップドッグは、英語のupward facing dog「アップワード フェイシング ドッグ」の略で、太陽礼拝にも登場する基本のヨガポーズのひとつです。
アップドッグのポーズの形は、犬が背中を上向きに反らせ、伸びをしている姿を彷彿とさせます。
サンスクリット語では「ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ」と呼ばれ「上向きの犬のポーズ」と直訳されます。
アップドッグの効果4つ
アップドッグは見た目よりも細部が難しいポーズです。
ですが、正しく行うことで効果はたくさん得られます。
アップドッグの主な4つの効果をご紹介します。
自律神経を整える
アップドッグは、日常生活では丸くなりがちな背骨を反らせて整えることで、自律神経に働きかけてくれます。
また、胸を開いて呼吸を深める働きもあるため、行うことで普段より呼吸をしやすくしてくれます。
深い呼吸もまた自律神経を整えるものです。
このような作用から、アップドッグは忙しい日々に乱れがちな自律神経を整えてくれるのです。
後ろ姿が美しくなる
アップドッグでは背面の筋肉を刺激します。
肩から背中、お尻にかけてキュッと引き締めるポーズなので、背中の贅肉の改善やヒップアップにつながります。
くり返し行うことで、後ろ姿が美しくなります。
猫背改善
アップドッグは、肩甲骨を引き寄せて胸を開くポーズです。
デスクワークやスマホの作業など、背中を丸める姿勢が多い方には、肩甲骨が開いて巻き肩になりがちです。
肩甲骨を正しい位置に戻す効果があります。
二の腕のたるみ改善
アップドッグでは、腕の力も使います。
腕に体重をかけてカラダを支えるため、二の腕の筋肉の引き締めにつながります。
アップドッグのやり方
さっそくアップドッグに挑戦してみましょう。
細かい部分を正しく行うと、見た目以上に難しいポーズです。
深い呼吸とともに、順を追って行いましょう。
やり方
- うつ伏せになり、手のひらは胸の横につく。
- 息を吸いながら両手のひらでマットを押し、背骨を伸ばしつつ胸とお腹を引き上げる。
- つま先をしっかり床に押し、ヒザと太ももは床から浮かせる。目線は斜め上に。そのまま3〜5回呼吸する。
アップドッグの注意点3つ
アップドッグは間違って行うと別のポーズになってしまったり、効果が半減したりします。
アップドッグを行う際に特に気をつけたい注意点を3つご紹介します。
手の位置
アップドッグは恥骨から太もも、ヒザが床から浮くポーズです。
手とつま先で床を押してカラダを支えてキープするポーズです。
しかし、下半身が床からほとんど浮かない方も多いものです。
そのような場合に確認したいのが“手の位置”です。
腕を伸ばした時に、肩の真下に手がくるのが正しいアライメントです。
手の位置がこれよりも前にあると、腕を伸ばしても下半身が浮かないことも。
また、手の位置が肩より後ろにあると、手首に負担がかかり、怪我の原因になりかねません。
肩の真下に手がくるように手の位置には注意しましょう。
腰から反ってしまう
アップドッグでは、カラダの柔軟性が高い方は特に、腰から反らせようとしてしまいがちです。
柔軟性に頼って腰から反らせてしまうと、筋肉が正しく使われないため、腰痛を招きかねません。
背中を遠くに長く伸ばし、肩甲骨を引き締めて胸を開く、という風に意識してみましょう。
肩まわり
アップドッグでは、腕でカラダを支えるため、肩がすくんで首が短くなってしまう方も多いです。
実はこれは、肩甲骨や腕まわりの筋肉を正しく使えていない証拠なのです。
肩甲骨をしっかりと引き締めて、二の腕でしっかりと床を押すように意識すると、肩も下に下がり、耳と肩の位置が離れて、首が長くなります。
肩まわりの筋肉がお休みしていないか、確認してみましょう。
アップドッグとコブラのポーズは似て非なるもの!
アップドッグと見た目が似ているものに、「コブラのポーズ」が挙げられます。
しかし、ふたつのポーズは見た目は似ているものの、作用する筋肉が違います。
コブラのポーズは、腕に体重はほとんどかけず、軽く支える程度。
恥骨と太ももで床を押し、下半身はしっかりと床についています。
一方、アップドッグでは、腕にしっかりと体重をかけ、手とつま先でカラダを支えます。
それぞれのポーズの違いを理解して、ポーズを行いましょう。
正しいアップドッグはメリットがたくさん!
アップドッグは細部が難しいポーズです。
アライメントを正しく行うことで、しっかりと効果が得られます。
この機会にご自身のアップドッグを見直してみましょう。