若くて綺麗なヨガインストラクターが次々とデビューしていますが、そうではないベテランヨガインストラクターは辞めるタイミングや引退を考える適正な時期はあるのでしょうか?
世界最高齢のヨガインストラクターは101歳!
2020年2月、アメリカ人の世界最高齢のヨガインストラクターであるタオ・ポーション・リンチ先生(女)が、101歳でお亡くなりになったことが話題になりました。
彼女はインドで暮らしていた8歳の頃からヨガをはじめ、ヨガ歴は90年以上、インストラクター歴は80年近くに及んだそう。
他にも2019年10月には、インド人のヨガインストクター、Vナナマールさん(女)が99歳でベッドからの転落が原因でお亡くなりになりました。
彼女も幼少からヨガをはじめ、99歳までヨガを教えていたことで知られます。
またアイアンガーヨガの創始者であるインド人のB.K.Sアイアンガー氏(男)は2014年、95歳でお亡くなりになりましたが、彼もやはり80年ほどヨガを教えていたことで知られ、現在も日本人を含む彼のたくさんのお弟子さんが全世界で活躍しています。
日本では若く綺麗なヨガインストラクターが多いですが、世界で、そしてヨガの歴史の観点から見ると、ヨガの先生は圧倒的に高齢です。
先の事例は女性もいましたが、神様かサンタクロースを思わせる男性が圧倒的に多く、ヨガインストラクターというのは年齢を重ねるほど価値が高まる職業の一つなのではないかと思えてなりません。
日本のベテランインストラクターも大人気
日本ではヨガインストラクターではありませんが、最近91歳の日本最高齢フィットネスインストラクター“タキミカ”さんが話題で、書籍だけでなくユーチューブでも大人気!
彼女の場合は65歳から運動をはじめ、87歳でインストラクターデビューという超遅咲きのレアケースです。
また菊池体操の創始者として人気の菊池和子先生は88歳で、彼女のクラスに参加する生徒さんの平均年齢は60代だそう。
菊池先生の出版されるエクササイズ本も、次々とベストセラーになっています。
さらにヨガ界には、67歳の峯岸道子先生がいます。
パーフェクトボディの持ち主で美しすぎるヨガインストラクターとして、若いインストラクターの間で憧れの存在です。
他にも日本中に60越えのヨガインストラクターは、実は多くいて活躍されているのです。
特に公民館やカルチャーセンターなどでヨガを教えているインストラクターの方々には案外ご高齢の先生が多く、地域の女性の「希望の星」として大人気です。
ヨガインストラクターもシニアのニーズは高まっている
日本は超高齢化社会で、2045年には平均寿命が100歳に到達する可能性があるとも言われますし、2021年でも100歳以上の高齢者は8万人を突破しています。
しかもこのうちの7万人が女性、つまり、女性の4人に1人が95歳まで生きる時代になっています。
そうなると、明らかに高齢のヨガインストラクターの需要も、高くなると見込んで良いのではないでしょうか。
これは美容師さんの世界で例えるとわかりやすいと思いますが、美容師も若い方が多く、ある程度の年齢になると経営者に回るケースが圧倒的に多い職業です。
しかしお客様は40代、50代と年齢を重ねるもの。
それなのに担当してくれる美容師さんと20歳以上年齢歳があると、お互いにちょっと辛いものがあります。
それなのに同年代の美容師さんはすでに引退されてしまっていたりするので、40代、50代以降に「美容室難民」になってしまう女性は多いのです。
一方、住宅街の中にある2〜3つ程度しか座席のない小さい美容室で案外安定して経営が続いているケースがありますが、これは地域の方と一緒に上手に年齢を重ねているからでしょう。
ヨガインストラクターも長く活躍したいと考えるのであれば、このパターンを狙うのが賢明です。
ヨガは年齢を重ねた方が、教えやすい部分の方が圧倒的に多い
実際、私自身は40代ですが、70代以上の方にヨガを教えさせていただくのと、30代の方にヨガを教えさせていただくのでは自分より若い人に教える方がずっと気が楽です。
なぜなら自分が通ってきた道なので、体の悩みや年齢の悩みなどは、ある程度経験しクリアしているから。
一方、70代の方の悩みというのは経験したことがないので、想像でしか対応できません。
ある程度年齢を重ねた人生の先輩にヨガ的なアドバイスをするのもおこがましい気がして、ヨガの哲学の話などは伝える必要があるかどうか悩んでしまったりもします。
呼吸法や瞑想の素晴らしさを体感できるのも、ある程度人生経験を重ねてから。
若いうちはエネルギーが有り余っていて、「ゆっくり」や「丁寧に」といった教えはあまりピンとこなかったりします。
アーサナも若いうちはどうしても柔軟性やアクロバティックな動きに目を奪われますし、汗もかきたいので運動量も必要です。
しかし本来はゆっくり呼吸を意識しながらマインドフルネスに行うものであり、そのほうがヨガの効果が体感できます。
このようにヨガ全体を俯瞰すると、ヨガを教える上でも実践する上でも年齢は確実に味方になるのです。
私自身「70歳だったらこの話にもっと説得力が増すのに」とか、「80歳だったらこのポーズができるだけで拍手喝采なのに」と思うことは少なくありません。
生徒さんと一緒に年齢を重ね、希望の存在になれば引退は考えなくて良い
先程の美容室に例ではありませんが、ヨガインストラクターも無理をせず等身大で年齢を重ね、加齢に伴うさまざまな変化を体感した方が良いと思います。
その方が生徒さんの様々な悩みを実体験からどうするか考えることができますし、自分自身がヨガを通じて問題を解決していくことが一番の財産になるからです。
そして、いくつになっても女性として希望の星でいられるような生き方をし続けることができれば、必ず生徒さんはついてきてくれるか自然に集まってくれるはず。
ヨガインストラクターという仕事は、本当に素晴らしい仕事だと改めて感じます。
自分の心身を整え続けることが人に希望に与えることになり、またそれは年齢を重ねるほどに価値が増すことだからです。
コロナ禍で希望が持てないインストラクターさんも多いと思いますが、長期的な視野を持って、一緒にコツコツと自分を磨き続け、引退せずにインストラクターを続けましょう。