でも実際のところ、反り腰っていったいどういう状態なの?どうして反り腰は良くないの?反り腰が腰痛や足が太くなる原因になるって本当なの?
そんな話題の「反り腰」について、ここでは詳しく掘り下げていきます。
反り腰を改善する方法も紹介します。
反り腰ってどういう状態?チェック方法は?
反り腰とは文字通り腰が反っている状態を指しますが、正確にいうと「反りすぎている状態」を反り腰と言います。
そもそも腰はS字にカーブしているので、横から見た時に腰からお尻にかけて「S」の文字の下部分のように後方にボリュームがあるのは自然です。
この部分が全く反らずに「I」の字になっていたとしたら、それはそれで問題です。
しかし、Sの下の部分が以上にカーブしていたらそれは反り腰です。
一般的なチェック方法に以下のものがありますので、やってみましょう。
- 壁にお尻をつけてピッタリ立った時に、腰と壁の間にゲンコツ1つ入ると反り腰。手のひら1枚なら正常範囲
- 仰向けに寝たときに腰が浮きすぎていて、ゲンコツ1つ入ると反り腰。手のひら1枚なら正常範囲
皆さんはいかがでしたか?
私自身もこのチェック方法を使わないわけではありませんが、最近は他の方法を使っています。
それは真っ直ぐに立った姿勢でVライン(ビキニんライン)の位置を見る、という手法です。
やり方
- 鏡の前で横向きに真っ直ぐに立つ
- 骨盤の左右の骨よりもVラインが内側に入っていたら反り腰、骨盤の左右の骨と同じ高さにVラインがあれば正常
これだけです。
多くの人は、Vラインが骨盤の骨より内側に入っているのではないでしょうか。
わかりにくければ、わざと反り腰を作ってみましょう。
骨盤を前に傾けるようにしてお尻は後ろに突き上げるようにすると腰に強い反りが入る分、Vラインは後ろに下がります。
一方で、骨盤をニュートラル(正しいポジション)にするには、Vラインを骨盤の位置まで前側に押し出すようにする必要があります。
Vラインと骨盤の骨(左右)は同じラインにあると、下腹部(臍下のいわゆる下腹)も平らになります。
骨盤をニュートラルポジションにセットした時には、他にも以下のようなことが起こります。
- お尻の筋肉が収縮する
- 内腿が引き締まる(O脚が閉じる)
- 下腹部が引き締まる(そうしないと、骨盤がすぐに前傾して反り腰になる)
- 体重が脚の前側でなく、どちらかと言えば後ろ側にかかる(踵重心)
反り腰を治すだけで美脚になる理由
反り腰の度合いは人それぞれですが、脚の太さやむくみ、疲労感に悩んでいる人のほとんどが骨盤のニュートラルポジションを意識する時間を増やすだけでその悩みが改善する可能性が高くなります。
なぜならニュートラルポジションにセットしておくだけで、以下のようなことが起こるからです。
- お尻の筋肉が収縮する→ヒップアップする!
- 内腿が引き締まる(O脚が閉じる)→内腿が鍛えられる(骨盤底筋と姿勢も整う)!
- 下腹部が引き締まる→下腹ぽっこりが治る!
- 体重が脚の前側でなく、どちかと言えば後ろ側にかかる(踵重心)→前腿を使わないことで太ももの前側の張りや太さが取れる!
しかもこのV字ラインが真っ直ぐな状態は、体のゴミ箱の一つである鼠径リンパ節の流れを阻害されない状態です。
足が浮腫みやすい人ほど座りっぱなしや反り腰姿勢によって、Vラインが内側に入り込み鼠径リンパ節が潰された状態が長くなっています。
Vラインが内側に入り(反り腰)、リンパの流れが阻害されていることで、むくみや冷えが強くなっている可能性はかなり高いのです。
つまり反り腰を直せば脚が細くなり、むくみや冷えがとれ、さらに負担になっている腰痛からは解放され、意識が抜けていた下腹部も意識が入ることで痩せていくのです。
ただ立っている時にニュートラルポジションにするだけで足やせトレーニングに
まずはトレーニングしようとせず、歯磨き、お皿洗い、料理、通勤など無意識に立つ場面で反り腰を直し、ニュートラルポジションでいるように心がけましょう。
1日の中で30分〜1時間ニュートラルポジションの時間が増えるだけで、段々と体に骨盤の正しい位置についての意識が根付いてきます。
これだけでも脚のラインが整ってくるはずです。
さらに意識したいのが、1日の中で最も長い座っている時間。
この時間に意識が抜け、骨盤が前傾・後傾してしまうと、なかなか癖が抜けないので、少しずつで良いので、座っている時間も骨盤がニュートラルポジションになるように意識していきましょう。
実際にやってみるとわかるはずですが、骨盤をニュートラルポジションにセットしておくにはそれなりに筋肉を働かせる必要があります。
特に内腿が離れたり(膝が離れる)、下腹部の力抜けると、すぐに反り腰になってしまいます。
おすすめのヨガのポーズは木のポーズと橋のポーズ
反り腰を治すのに良いポーズは、木のポーズと橋のポーズです。
木のポーズは片足立ちになり、浮かせた脚の裏を軸足の内側(膝を除く)に当ててバランスを取るポーズです。
この時にVラインが両方とも内側に入らないように、骨盤ニュートラルポジションでポーズを取るように意識すると、反り腰の解消に効果がある木のポーズに変わります。
逆に言えば、この意識がない状態で足裏や脚力だけで木のポーズを練習すると、腰痛になる可能性もあるのです。
→ヨガの木のポーズとは?驚くべき4つの効果と正しいやり方を徹底解説
反り腰解消のための橋のポーズ
橋のポーズは以下の手順で行いましょう。
- 仰向けに寝転んだ両膝を立てて、両掌は下向きにしてお尻の横に下ろしておく
- 息を吸いながらお尻を天井方向に持ち上げる
- 持ち上がったら床から手を離し鼠蹊部に当てる
- 鼠蹊部(Vライン)とおへその高さが同じところまで、まだお尻を上げられそうなら引き上げる
- そこで呼吸をしながら10秒ほどキープ
- 息を吐きながら、背骨の上からお尻に向かって、ゆっくり背中を下ろす
- 1回につき5〜10セット行う
反り腰は意識して直そう
いかがでしたか?
反り腰が悪い理由、反り腰がどんな状態か理解いただけたと思います。
意識しないと私たちは反り腰になってしまいます。
なぜならお腹の力を安定させた状態で生活することを、ほとんどの人がしていないからです。
この状態を日常生活で当たり前にキープできれば、将来起こりやすい腰痛・膝関節痛・股関節炎などの予防にもなります。
ぜひ毎日の姿勢を「骨盤ニュートラルでキープ」することから、はじめてみてください。