個人差はありますが、40代になると老化のスピードは加速傾向に。
老化といえば、白髪や肌トラブル、老眼などの悩みが多いですが「声」も老化することをご存知でしょうか。
ここでは声の老化の原因、それによって生じる可能性高くなる不調、そしてヨガでできる対策方法について詳しくご紹介。
声の老化に気づくポイント
一般的には「声が枯れてきた」「声が低くなってきた」「カラオケが下手になってきた」「高い声が出なくなった」といった経験で、「あれ?」と思うことが多いようです。
またヨガを日常的に練習している人であれば、首を下げて行う喉のバンダ「ジャーランダラバンダ」を行う時、「ハラアーサナ(鋤のポーズ)」や「シルシャアーサナ(頭立ち)」などを行う時に息苦しさを感じることで、喉のあたりの老化を感じると話す人が多くいます。
声の質が変わってきてしまってから元の声を取り戻すのは容易ではないので、ヨガの練習中にわずかでも変化に気づき対策することはヨガをしている人のアドバンテージと言えます。
声が老化するのはなぜ?
声が老化する原因のほとんどは、声帯とそれを取り巻く筋肉の老化が原因です。
声は喉の奥にある声帯が振動することで出ていますが、声帯の周りは筋肉でてきていて、これらの筋肉は他の筋肉と同様、鍛えていないと衰えるものだとわかっています。
歌手やアナウンサーなど声が商売道具の人は、日頃からボイストレーニングで声帯周辺を鍛え声量と声域をキープする努力を欠かしませんが、私たち一般人でそこまで意識してケアをする人は少ないと思います。
とはいえ、鍛える方法は「しっかり使うこと」しかありません。
私たちは加齢とともに決まった単語ばかり発語する傾向があり、会話や笑う回数も低下します。
今はマスク生活が長引いていて、話す機会がますます減っています。
大きな声で歌ったり、お腹から笑ったりしたことがこの1週間を振り返って一度もなければ、声の老化がスタートしていると思って良いでしょう。
声が老化すると何が問題なの?
声が老化しても大した影響はないと考える人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。
実は声の若さは健康寿命と関係しているとも言われ、男性らしい声がキープできている人は男性ホルモンが、女性らしい声がキープできている人は女性ホルモンが、まだしっかり分泌されているというサインでもあります。
また、声がしっかりコントロールできる人は「誤嚥」のリスクが低下します。
誤嚥によって起こる「誤嚥性肺炎」によって亡くなる人は、2019年だけでも4万人を超えています。
声が出にくい、話すのが疲れる、といった些細なことが原因で他者との交流が煩わしくなったりすることもあり、社会的にも肉体的にも「フレイル(虚弱)」状態に陥ることも心配です。
しっかりと大きな声が出せる、自分らしく自分にも周囲にも心地良い声が出せるということは、軽視されがちですが生活の質を保つためとても大事なことなのです。
ヨガでできる声のアンチエイジング
ウジャイ呼吸
声帯筋を活性する方法は検索すると声の出し方からストレッチ、呼吸法までさまざまなものが紹介されていますが、日頃からヨガを練習している人たちは、無意識に声帯筋のトレーニングができています。
最も優しく効果的なものが、「ウジャイ呼吸」です。
ウジャイ呼吸は、喉の奥を少し引き締めて呼吸の摩擦音を立てながら行う鼻呼吸です。
ウジャイ呼吸で血行が促進される、体が温まる、インナーマッスルが鍛えられる、心が落ち着く、呼吸量が増えるなどの嬉しい効果が得られますが、声帯付近を刺激しているので、声帯筋のトレーニングになるだけでなく、甲状腺や自律神経系を整える効果まで得られるのです。
やり方
- 楽な姿勢で座る
- 喉の奥を引き締める感覚を掴むために、手のひらを温めるように口から息をは〜っとはいたり、窓を拭く時に息をは〜っとはいてみる
- ②の時の息の吐き方を、少しあごを引いて口を閉じて鼻から息を吐きながら同じようにしてみると、喉の奥で吐く息の摩擦の音が聞こえる
- そのまま口を閉じで鼻から息を吸い、口を閉じたまま鼻から息を吐き出し、意識を呼吸の摩擦の音に向けたまま1〜5分ほどゆったりとした呼吸を繰り返す
→ウジャイ呼吸法とは?自分に自信がつく効果や呼吸の注意点を解説
肩立ちのポーズ
肩と後頭部でバランスを取り、両脚を天井方向に持ち上げる肩立ちのポーズは、「ヨガの女王様」と呼ばれるくらい大事なポーズの一つ。
このポーズはそもそも喉が詰まるので「息苦しい」と感じるポーズの一つですが、ウジャイ呼吸をして肺にしっかり呼吸を送るイメージを持って行うと驚くほど楽になります。
ただしこのポーズは上級ポーズで、首や肩、腰が硬くても苦しく感じるポーズなので、全身を太陽礼拝などでほぐしてから行うようにしてください。
喉のバンダを引き締めたウジャイ呼吸ができるようになってくると肩立ちのポーズでもウジャイ呼吸ができるようになり、ウジャイ呼吸ができることで肩立ちのポーズが楽になり、このポーズが好きになるという人は年齢に関係なく多くいらっしゃいます。
やり方
- 仰向けになる
- 両膝を胸に寄せる
- 手を腰に当てて両脚を可能な範囲で天井方向に持ち上げる
- 肩と肘と後頭部でしっかりバランスを取り、爪先まで意識を持って天井に脚をピンと伸ばし、ウジャイ呼吸を行いながら30秒〜1分キープする
- 両脚を曲げて胸の方に寄せて腰を伸ばしポーズから安全に出る
→ヨガの肩立ちのポーズとは?3つの効果と正しいやり方をご紹介
喉を鍛えると二重顎が取れると、小顔になるといった美容効果も!
ウジャイ呼吸や肩立ちのポーズ、他にもヨガでは首回りをストレッチしたり、頭を心臓より下に下げるポーズが多くあり、これらで喉や声帯を鍛えることができ、また呼吸を深く行うことも声の若さの維持につながります。
40代、50代くらいからヨガをはじめた女性の中には「小顔になった」「顎のたるみがとれた」と言った効果を話してくれる人が多くいますが、そういう人は知らない間に声もしっかり出るようになっているケースが多いのです。
→小顔になれるストレッチとヨガ4選。エクササイズでむくみやたるみを解消して顔痩せ!
声も含めて若くいよう
いかがでしたか。声のエイジングケアにまで意識がいかない人が多いですが、最近は声のSNSも流行っていて、声は「名刺」と言っても良いほど自分自身を表現する道具の一つです。
声は磨くことができるとされますので、現時点で声の老化を感じていない人も自分の声や喉に意識を向けて大切にしてほしいと思います。