普段は公園やビーチでのヨガに興味がない人でも数年ぶりのノーマスクヨガの気持ちよさに「パークヨガ」のニーズも高まっているようです。
でも公園でヨガってしてもいいの?公園でヨガを教えるにはどうしたらいいの?と思っている人も多いはず。
ここでは公園やビーチといったアウトドアヨガの許可について詳しく解説していきましょう。
パークヨガは「一時的な占有」のため許可は必ず必要
公園で数人が集まりヨガをしている風景を目にすることがありますが、おそらく数人の場合、申請や許可は取っていないケースがほとんどだと思います。
しかし、結論から言えば公園でヨガをする場合は管理者に申請する必要があります。
もちろん一人でラジオ体操的に行う分には問題なく、申請も不要でしょう。
ですが誰かに教える、誰かと一緒にヨガをするとなったら念の為に許可を取るべきです。
その前提として、公園という場所の定義を理解する必要があります。
そもそも公園とは「自然景観を美しく快適に保全育成するとともに、公衆の野外レクリエーションの利用を供するために設定される公的な園地」で、基本的には国や自治体、公共団体が設定管理しているもの。
従ってどんな公園にも管理者が存在していて、利用者一人一人も、誰もが気持ちよく使えるように配慮しながら使う公共施設の一つです。
そもそもの公園の役割を頭に入れておこう
「公園に管理者がいることがわかった。でも、私たちが公園でピクニックをしたり、散歩をしたりするのにいちいち許可は取らないだろう。だからヨガをするのだって許可なしで良いのでは?」と考える人が多いようですが、それは大間違いです。
公園とは地域住民の
- 健康づくりに役立つ
- 地域を活性化する
- 災害時の防災公園
- 環境問題への貢献
などさまざまな役割を公的に担っています。
ヨガは健康づくりにも役立つし、地域活性にも繋がるのでは、などと思われるかもしれませんが、公園はあくまで公共の場所であり、さまざまな人が気持ちよく利用するためには、繰り返しになりますが利用する一人一人がルールやマナーといった意識を持った配慮ある行動が必要です。
例えば、公園でポイ捨てをする人、犬の糞を始末しない人、悪気がなくても子どもが植物を踏みつけていたり、大人が飲酒をしていたり、ベンチで寝ている人の姿を見て、程度の差こそあれ不快に思う人がいますし、「迷惑行為」として注意されることもあるでしょう。
これと同じで、公園でヨガをしていることを不快に思う人がいてもおかしくありません。
最近の公園はどこも管理が行き届いています。
ですから、公園内でのボール遊びは禁止、公園内の自転車の乗り入れは禁止、花火の禁止など、公園ごとに細かくルールが定められています。
かつては公園で子どもたちがボール遊びをする光景は日常でしたが、いいまはほとんど見かけません。ボ
ール遊び一つ取っても議論されるのですから、ヨガも勝手にすべきではないのです。
一般の人にとってパークヨガが不快に思われる理由
パークヨガが最も不快に思われる理由の1つは「一定時間、公園の場所を占有する」ということ。
これは一人の人が長くベンチを占有していたら迷惑なのと同じです。
2つ目は自然への配慮。
公園によっては芝生などの植物育成のため、マットを敷いたり踏んづけたりすることが禁止されている部分や立ち入り禁止エリアもあったりします。
他にも公園を利用する以上、飲食・ゴミ・音楽・声・そこで語られる内容なども公共のものにふさわしいかどうかについても考えなければなりません。
だからこそ公園でヨガをする場合、それが可能かどうか申請する必要があるのです。
パークヨガの申請は難しくない、申請さえすればOKは出やすい
パークヨガをしたいと考えるのであれば、まずは使用したい公園の管理者を調べましょう。
公園内の看板などに必ず記載があります。
そこに連絡し申請書の書き方や手続きについて教えてもらい、それに沿った形で申請すればOKです。
基本的に聞かれることは「内容」「時間」「営利目的かどうか」「他の公園利用者の妨げにならないか(大音量で音楽を流すとか)」「人数」などです。
また公園によって金額は異なりますが基本的に占有料も支払うことになります。
ただし公益性が高いイベントと認められたら利用料が減免されるケースもあるようです。
パークヨガを営利目的で行うかどうかは重要な項目
「営利目的かどうか」で引っ掛かる人が多いと思います。
ヨガを教えるのにお金をいただけないの?と思われるでしょう。
パークヨガのハードルはここにあります。
基本的に公共性の高い公園ではどこも「営業行為・物販行為・宣伝・広告」禁止されています。
よく考えると当たり前のことです。
公園にキッチンカーが入っていることがありますが、当然許可は取っています。
許可なしでキッチンカーを運営することが可能になったら、他の飲食店経営者だって「場所代もかからないのだから、キッチンカーで営業しよう」となってしまいます。
大道芸人も必ず申請を取ってから芸を披露しています。
従ってパークヨガも本来は営利目的で行うべきではないですし、多少なりとも利益を得るのなら必ず申請が必要になると理解しましょう。
ちなみに公園によってはパークヨガを積極的に「公募」しているケースもあります。
横浜の山下公園や大通公園はまさに「公募型」で、民間団体(つまり営利目的のヨガスタジオ)が申請することができ、1ヶ月に2日までパークヨガをすることが可能、など近隣のヨガスタジオが営利目的であっても、同時に地域住民に貢献できる取り組みをしているようです。
申請なしのパークヨガはインストラクターの信頼を失う
数人でヨガをするくらい申請しなくてもOKでしょ、とパークヨガを軽視して強行しているインストラクターもいるようですが、場合によってはヨガの最中に管理者がやってきてヨガを中断しなければいけないケースもあります。
それではインストラクターとしての信頼がガタ落ちするでしょう。
また公園が公共施設であるという周りへの配慮が足りないインストラクターは、そもそも失客している可能性も高いのです。
まとめ
パークヨガはとても気持ちが良いものですが、開催するのであれば申請はマストと心得ましょう。
申請が面倒と思われるかもしれませんが、実際にやってみるとそれほど面倒でもなく申請書に書いて提出すればあっさりOKが出ることがほとんどです。
ヨガインストラクターこそ常識のある行動を心がけて、ヨガで地域に貢献できると良いですね。