それなのに、火の呼吸(カパラバティ)を継続して練習している人は少ないようです。
お腹やせを目標に、まずは3週間継実践してみては?
ここではカパラバティで特にウエスト周りが痩せていくメカニズムや、やり方について詳しく解説します。
火の呼吸(カパラバティ)ってどんな呼吸なの?
火の呼吸(カパラバティ)は、カパーラが「額、頭蓋骨」、バーティが「輝く、光る」という意味でこの呼吸法をすることで頭部が光り輝く、チャクラが活性する、と言われることが多く、スピリチュアルな効果に注目されることが多い呼吸法です。
しかし、カパラバティは実はヨガの姉妹とされる伝統医学の「アーユルヴェーダ」でも重視されていて、アーユルヴェーダでは浄化法の一つと位置付けられており、また古典ヨガでもカパラバティはスピリチュアルな効果だけでなく浄化のための呼吸法だと教えられます。
ちなみに浄化には鼻洗浄や腸内洗浄のような実践のハードルが高いものも多くありますが、カパラバティであればあくまで呼吸法ですから誰でも簡単に取り組めるのもおすすめできる点です。
私は海外でインド人からヨガの講座を受講していたときに毎朝ヨガの練習に必ずこのカパラバティが含まれていました。
それは朝が「排泄の時間」であり、カパラバティが内臓だけでなく鼻腔や眉間までを浄化するのに最も適した方法だからだと教わりました。
カパラバティのやり方
すでにヨガネス内でもカパラバティのやり方や禁忌についてはいくつか記事が紹介されていますので、そちらも参考にしていただきたいのですが、ここでもカパラバティのやり方を簡単に復習しておきましょう。
やり方
- 楽に座る(できれば安楽座か蓮華座)
- 目を閉じて背筋を伸ばし、体は余計な力を抜いてリラックス
- 鼻から深く息を吸ったらお腹を凹ませるようにして勢いよく両鼻から息を吐き出す(その際に鼻からふっと強い音が出る)
- 息を吐くと自然に呼気が入ってくるので、息を吸おうとはしない
- 20〜30回を目安に、ふっと強く吐くを繰り返し、これが楽にできたら50回、100回、最終的に1分で200回を目標に回数を増やしスピードも上げていく
→毒素排出できるカパラバティ呼吸法とは?効果は?注意点ややり方についてご紹介
カパラバティが習慣化しない、練習しない人が多い理由
カパラバティは、ヨガのクラスでもあまり紹介される機会がないと思います。
呼吸法を重視している先生であれば紹介してくれることはあるかもしれませんが、毎回必ずやる、という先生はあまりいないでしょう。
その理由は「難しく辛い」から。
カパラバティは実際にやってみるとわかりますが、「気持ち良い」とか「リラックスする」という体感はありません。
どちらかというとお腹が痛くなったり(効果が出ているサイン)、頭がくらっとしたりして辛い、苦手、好きじゃない、怖いと感じる人が多いのです。
そのためインストラクターでも、カパラバティを毎日しているという人はそれほど多くいないようです。
火の呼吸は男性に人気?! 火の呼吸を極めているアスリートたちがいる
一方、このカパラバティを極めている人たちがいます。
もちろんヨガのインストラクターでもこのカパラバティの重要性を説いている先生方は多くいますが、特に有名なのがグレイシー柔術や格闘技の選手たちです。
格闘家たちにカパラバティが広まったのは、400戦無敗の男として知られるヒクソン・グレイシーのおかげとされますが、ヒクソン・グレイシーをはじめ多くの格闘家やアスリートたちはカパラバティを実践することで「体幹が安定する」「心肺機能が高められる」「集中力が高まる」とその効果を話しています。
実際、火の呼吸には「体幹が安定する」「心肺機能が高められる」「集中力が高まる」といった効果があると、私もトレーニングで学びました。
火の呼吸がダイエットに効果的なメカニズム
火の呼吸をすることで「体幹が安定する」「心肺機能が高められる」「集中力が高まる」と言った効果が得られるのは嬉しいことですが、実は一説には3分の火の呼吸で30分のウォーキングと同じくらいカロリーを消費する、と言われているほどハードです。
本当にそんなにカロリーを消費するのかは疑問ですが、実際にやってみると(初心者は1分でもハードなので1分を目標に行う)確かにお腹が痛くなったり、急に走った後のような爽快感が感じられるはずです。
実際に火の呼吸をしているときに体の内側で何が起こっているのかを観察すると、一番よく動いているのはやはり「腹部」であることは誰でも感じるはずです。
私たちは日常生活でお腹を「動かす」ことはほとんどありません。
腹式呼吸をしているときにゆっくりお腹が上下することはあっても、お腹を揉んだり、揺らしたり、している人はほとんどいないのではないでしょうか。
腹筋が日課の人であっても、お腹を凹ますことはしていても、お腹を激しく「動かす」ことはしていないはずです。
しかしカパラバティを実践するとお腹の外側にある腹筋だけでなく、内側にあるインナーマッスルや、内臓、横隔膜まで激しく動かされます。
このために疲れたり、お腹が痛くなったりする一方で、お腹周りの脂肪や内臓脂肪がみるみる取れていくのです。
つまり辛いことをしているだけの効果は得られると思って良いでしょう。
まずは1分から、最長3分を目標に毎日取り組むだけで、なかなか取れないおへそまわりのお肉や腰についている肉が少しずつすっきりしてくるはずです。
火の呼吸で短く集中して痩せよう
ヨガで痩せたいと思っている人の多くがどんなポーズがいいの?と考えると思いますが、実はこのカパラバティにも驚くべき効果があります。
股関節を開いたり背骨を捻るよりも辛いですが、短期間でその効果が感じられるはずです。
まずは3週間を目標に毎日3分のカパラバティを習慣化させてみませんか?