ヨガ初級クラスについて来られない生徒さんにはどう対応する?

ヨガインストラクターあるあるネタの一つに「入門・初級クラスなのについて来られない生徒さんがいる!」というものがあります。

「初心者大歓迎!」「体の硬い方大歓迎!」と明確にコンセプトを打ち出していても、実際生徒さんの体の硬さが想像以上で「ほとんどポーズができない…」という生徒さんが参加することは少なくありません。

ここでは全くついて来られない生徒さんがいた場合、クラスをどう乗り切るか?について幾つかのテクニックをご紹介しましょう。

太陽礼拝は上級!?

太陽礼拝は上級!?

私たちインストラクターがRYT200などのトレーニングで学ぶもっともの基本的なヨガのシークエンス「太陽礼拝」。

アシュタンガヨガなどではこの動きがもはやウォームアップとして使用されています。

そのため初級クラスでも太陽礼拝をクラスの最初の方に持ってきて、後半ではリラクゼーションポーズ、シャバアーサナという構成を組み立てるケースが多くみられます。

しかし、全く運動をしたことのない人や体の硬い人にとって、実は太陽礼拝は「とても辛い」と感じるシークエンスの一つ。

「一年位かけて太陽礼拝ができるようになるといいですね」くらいを目標にしても良いくらいのレベル感なのです。

特に血圧に問題のある方や、めまい、高血圧などの症状を抱えている方は、太陽礼拝で「クラクラする」といった不調も起こしやすいので注意が必要です。

呼吸法と瞑想も超上級!?

呼吸法と瞑想も超上級!?

「それなら呼吸法瞑想なら簡単に楽しんでもらえるのではないか」と考えるインストラクターも多いですが、これも超初心者で体が硬い人にはかなりハード。

何がハードかというと、体が硬い人は「スッカーサナ」や「あぐら」で座ることができなかったり、深い呼吸もできなかったりするので、1分程度の短い時間でも座っていることが辛いのです。

ちょっと床に座るだけで「イタタタ」と膝や腰をさすったりする人を実際見にすることもあるのではないでしょうか。

ヨガの「八支則」では「アーサナ→呼吸法→集中→瞑想→三昧」とヨガを深めていくための順番が決まっていますが、これは非常に理にかなっていて、運動(アーサナ)ができない人が呼吸法や瞑想をするのはなかなか厳しいと言って良いでしょう。

では、そんな生徒さんがいた場合、普通にアーサナができる生徒さんにも楽しんでもらうための工夫について具体的にご紹介していきます。

ヨガ初級クラスについてこれない生徒さんも楽しめる7ステップ

ヨガ初級クラスについてこれない生徒さんも楽しめる7ステップ

ステップ1:まずはヨガをする前の現状をチェックしてもらう

まずはマットに立ってもらい、前屈や後屈、ねじりなどをしてもらいながら、現状をチェックしてもらいましょう。

ビフォー/アフターをチェックして変化を感じてもらうことは、体が硬い人だけでなく、体がよく動く人にとっても楽しめます。

今の体の硬さ、つまり、重さ、だるさ、ストレッチした時に突っ張る感じや呼吸が止まる感じなどをしっかりチェックしましょう。

ステップ2:手と腕、足と脚、頭と首をケアする

状態がチェックできたら、まずは「手と腕」をケアしてもらいます。

指一本一本を反対の手で握って引っ張ったり、手のひらや手の甲を揉みほぐしたら、手首を回し、前腕、上腕と手で掴んで捻ったりしながら脇の下までほぐしていきます。

両手・両腕が終わったら、次は頭と首。両手で頭を包み込んだら頭皮を回しながらほぐしたり、首はさすったり、鎖骨周りもさすったりしながらケアしていきます。

そして、足と脚。

やはり指1本1本を伸ばしたり、指の股を揉んだり、足裏、足の甲、土踏まずも叩いたりさすったりしてケアします。

足首もしっかり量回ししたら、ふくらはぎ、膝まわり、膝裏、太ももの前と後もぐーで叩いたり、さすったり、脚の付け根から脚全体を揺らしたりして脚全体をほぐします。

体の末端を軽くさすったり揺すったりほぐしたりするだけでも、体がポカポカしてきますし、これらの動きを誘導しながらも、例えば頭皮が硬い人はストレスが溜まっているとか、足首を回すと股関節の動きがスムーズになる、といったヨガの先生なら学んでいる解剖学の話も入れていくと生徒さんは楽しんでくれるはずですし、家に帰ってからも「やってみよう」と思うはずです。

ステップ3:大きな関節を動かしてもらう

体の末端の簡単なケアが終わったら、どんな姿勢でも良いので体にある大きな2つの関節を動かす動きを入れます。

2つの大きな関節とは「股関節」と「肩関節」です。座った状態で股関節は足の裏と裏を合わせて膝をパタパタする動きや、立位であれば簡単なハイランジポーズで股関節をストレッチするのも良いでしょう。

肩関節はサイドストレッチや指先を方に乗せて肘をぐるぐる回す動きでも良いと思います。

ステップ4:動きと呼吸を合わせてもらう

ステップ3で動きがスムーズになってきたら、その動きを呼吸と合わせて行うように誘導してみましょう。

動きをできるだけゆっくりにすることで、呼吸もゆっくり深くなってきます。

ステップ5:動いた後の体の様子をチェック

ほとんど大した動きはしていませんが、このあたりで「アフターチェック」をしてもらいます。

最初と比べて、前屈や後屈がしやすくなった、足をあげた時に軽くなった、呼吸がしやすくなった、首がよく回るようになった、といった何らかのポジティブな変化を感じ取ってもらえるはずです。

ステップ6:仰向けポーズをたくさん取り入れる

そして仰向けポーズに入りましょう。

もっと動きたいと思ってクラスに参加されていた生徒さんがいることに気がついたら、仰向けポーズの時にストレッチの負荷をかけて満足度を上げていきます。

体が硬くて足が上がらない人にも、ストラップやブロックを渡してポーズに取り組んでもらいましょう。

仰向けポーズの時は、ほとんど「他人」が気にならなくなるので、体が硬い生徒さんでも安心して、自分なりのペースでヨガを楽しめます。

ステップ7:シャバアーサナも楽しんでもらう

最後にシャバアーサナを行いますが、体が硬い生徒さんは、仰向けで休むこともきついと感じたりします。

そのため、膝の下を高くしたり、首の下に枕を入れてあげるなどして、できるだけ体に負荷がかからないようにインストラクターは丁寧にサポートしてあげましょう。

最後のシャバアーサナが気持ち良いかどうかで、またクラスに参加したいか、またヨガをしたいかが決まるといっても過言ではありません。

とにかく、シャバアーサナこそ一人一人をじっくり観察し、不快感が少しでも感じ取れたら気を配ってサポートしてあげましょう。

まとめ

ヨガ初級クラスについて来られない生徒さんにはどう対応する?

ここで紹介したパターンは一例にしか過ぎませんが「思ったりヨガができない」生徒さんは少なくありません。

ヨガではなく、手や足、関節などをほぐすプレヨガでも体が硬い生徒さんは大満足してくれます。

ビフォー/アフターで変化を感じることができれば尚更です。

動ける生徒さんを退屈させないためにも、知識をしっかりお伝えしたり、仰向けポーズでチャレンジしてもらうなど工夫をして、参加者全員が満足できる初級クラスを目指しましょう!

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