テレビなどで鼻うがいをしているヨガ修行僧の映像を見たことがある人もいると思います。
また、花粉シーズンになると鼻うがいの話をしてくれるヨガの先生に会うこともあるでしょう。
ここではヨガの鼻うがいの効果ややり方について詳しく解説します。
鼻うがい=ジャラネッティがヨガに含まれる理由
ヨガは本来毎日行うものです。
理由は、私たち人間はただ生きているだけでも日々さまざまなストレスや不要なものが体内に発生してしまうからです。
その不要なものを日々クリヤ(浄化)していく必要があるので、ヨガは毎日行うべきだと考えられています。
毎日スムーズな排泄があることは健康にとって不可欠ですが、それと同様に体内に蓄積する不要なものは余計な脂肪や病気の原因を作るだけでなく、メンタルにおいては余計な概念(思考パターン)の定着にもつながります。
ヨガをすることで、毎日生まれ変わったようにピュアな心身で日々を重ねることはヨガの大きな目的の一つです。
アーサナ(ヨガのポーズ)は肉体を浄化するために行いますが、瞑想や呼吸法にも心身を浄化する効果があります。
さらに、ヨガでは体の中で特に汚れやすい部分を「肺などの呼吸器系」「鼻腔」「腸などの消化系(結腸含む)」「目」と考え、これらのパーツをクリヤ(浄化)する6つのテクニックを推奨しているのです。
この6つのクリヤを「シャット・クリヤ(シャット=6つ、クリヤ=浄化)」と言い、この6つの浄化法の1つに「ネティ(鼻腔の浄化)」が含まれているのです。
鼻うがい=鼻腔の浄化(ネティ)が必要な理由
では、なぜ「鼻腔」が汚れやすく、お手入れすべき場所と考えられているのか。
これには「物理的な理由」と「エネルギー的な理由」があります。
- 物理的な理由…鼻腔には鼻毛がありますが、息を吸うと空気は必ずこの鼻腔やフィルターである鼻毛を通過します。つまり鼻腔は常に空気中のほこりやウイルスに晒されている場所だから浄化する必要があるのです。
- エネルギー的な理由…ヨガではエネルギーの流れる道を「ナディ」と言います。ナディは全身に72,000本あるとされますが、主要なナディは3本で、そのうちの1本であるピンガラナディは「右の鼻腔」を、もう1本のイダナディは「左の鼻腔」を通るとされるため、鼻腔の状態が良いと神経系のバランスが取れ、脳内から全身が正常に働き、さらにその精度を高めていくと、背骨を通るもっとも大切なエネルギーラインである「スシュムナナディ」が開通すると考えられています。スシュムナナディが通った状態とは「ただそこにいるだけで至福を感じる状態」とされ、少しでもその状態に近づくために、私たちは鼻腔を常に清潔に整え、物理的にもエネルギー的にも体を整える必要があるとヨガでは考えているのです。
鼻うがい(ジャラネティ)の正しいやり方
鼻腔を浄化する場合、「ジャラネティ」「スートラネティ」の2つが主なやり方です。
ジャラ=水という意味で、ネティ=浄化、「鼻うがい」になり、「スートラネティ」はスートラ=系なので「鼻の穴に糸を入れる洗浄法」ということになります。
では、「ジャラネティ」のやり方を解説していきます。
【用意するもの】
- 35℃くらい(人肌)のぬるめのお湯300ml(大きめのマグカップ1杯程度)
- 食塩約2.7g(ティースプーン1杯弱)
- ネティポットかなければ使っていないドレッシング容器など
ジャラネティのやり方
- 沸騰させてから人肌程度に冷ましたお湯に食塩を溶かし、約0.9%の生理食塩水を作りポット(容器)に入れる。
- 頭を左下に傾け、右の鼻の穴から生理食塩水を鼻の中に流し込む。この時に「あー」と声を出しながら入れると、スムーズに入ります。
- 反対の鼻の穴から食塩水が自然に流れ落ちてきますので、流れ落ちきったら反対も同様に行います。(口から出てくることもありますがそれもOK)
- 両方の鼻の穴を浄化したら指で耳の穴を塞ぎ、「フン」と両方の鼻をかむように息を吐き出し、水を抜き切ります。(ティッシュで鼻をかんでもOK)
- 呼吸が通りやすくなったのを実感して終了。
耳鼻科医などの専門家も推奨する鼻うがいの効果
日本でも、鼻うがいはここ5年くらいで非常に注目されるようになっていて、耳鼻科医など専門家でも推奨する人が増えています。
また「ハナノア」など、鼻うがい用の洗浄液がドラックストアでも市販されるようになっています。
鼻うがいを継続することで鼻の不快感が解消されるほか、風邪やインフルエンザの予防、花粉症などのアレルギー症状の予防や緩和、蓄膿の予防や緩和といった健康効果が得られるとされ、自律神経系が整うことでメンタルの安定や集中力の向上にも役立つとされています。
鼻うがいの注意点
ジャラネティをして痛みを感じた人は、食塩の量(濃度)が間違っていますので(少なすぎても多すぎてもだめ)ここは必ず注意をしまししょう。
万一水が残っていた場合、耳や肺に悪影響を及ぼすので就寝前に行わないようにすることも大切です。
終わった時に鼻を強くかみ過ぎない、すでに風邪を引いている、喉や鼻が痛い時も行わないようにしてください。
また気持ち良いのでクセになりやすいですが、1日2回まで、1日1回でも十分ですのでやり過ぎないようにしましょう。
ヨガの鼻うがい「ジャラネティ」のまとめ
個人的にはジャラネティをすることで、鼻だけでなく目の奥までスッキリする感じがあります。
呼吸がしっかり通っているのが実感でき、今の所花粉症やアレルギーとも無縁です。
我が家はヨガをしない夫も私の真似をしてジャラネティだけはするようになっていて、風邪予防に役立っていると体感しているようです。
慣れれば歯磨きのように簡単なものなので、ぜひトライしてみてください。