ヨガインストラクターの筆者が、気持ちを切りかえたり、やる気をアップさせたりするのに効果的な呼吸法をご紹介していきます。
休暇中に呼吸を意識してリフレッシュ!
日ごろのストレスや疲れを発散するために、休暇中は空気が良いところに出かけてリフレッシュしているという方も多いでしょう。
新しい場所へ行ったり、自然を目にしたりすると気持ちがスッキリしますよね。
空気がいいところに行ったときにプラスアルファで取り入れたいのが、呼吸法です。
普段の呼吸を少し意識して変えるだけで、リフレッシュ効果がさらに高まります。
今回は、休暇中にぜひ取り入れてほしい心身を整える呼吸法をご紹介していきます。
なぜ呼吸法でリフレッシュできるの?
呼吸でリフレッシュすることは本当に可能なのかと疑問に思われる方もいると思いますので、呼吸でリフレッシュできる仕組みをカンタンに解説していきます。
私たち人間は、1日2~3万回ほど呼吸をしていると言われていますが、常に意識して息を吸ったり吐いたりしている方はいないでしょう。
無意識にしている呼吸ですが、血液循環や体温調節、消化機能、感情などもコントロールしている自律神経と影響しあっています。
例えば、緊張したり、怒りを覚えたりすると息が浅くなりますよね。
そのとき、自立神経は交感神経が優位になっており、心臓の音が早くなり、口や目が乾くのが分かるかと思います。
「頭に血がのぼる」という言葉の通り、体内では血管が収縮し、血圧が上昇するなどの変化が起こっている状態。
浅くなった息を意識して深い呼吸へと整えてあげると、自律神経のうちの副交感神経が優位になりリラックス状態へと導くことができ、緊張はほどけ、怒りは徐々におさまっていくのです。
呼吸法でリフレッシュできるのも、交感神経と副交感神経のバランスを調整できるからです。
さっそくオススメの呼吸法を紹介していきますので、休暇中にトライしてみましょう。
休暇中のリフレッシュにオススメの呼吸法4選
片鼻呼吸法
片鼻呼吸法は、左右の鼻から交互に呼吸することで自律神経を整える効果がある呼吸法。
ヨガでは、右の鼻での呼吸は交感神経(興奮、緊張、活動)を、左の鼻での呼吸は副交感神経(リラックス、休息、回復)を優位にするとされています。
3~5分続けると、気持ちが穏やかになり頭もスッキリしてきます。
【片鼻呼吸法はこんな時にオススメ】
- 頭をスッキリさせたいとき
片鼻呼吸法の準備
- 右手の平を顔の前に向け、右手の中指と人差し指の2本を眉間のあたりに軽く置く。
- 右手の薬指や左の小鼻に、親指は右の小鼻に軽くそえる。
- 目は閉じるか、ボーっと視点を合わさず前を見る。
片鼻呼吸法のやり方
- 両方の鼻から息を吐ききる。
- 親指で右の鼻の穴をとじて、左の鼻から息を吸う。
- 吸いきったら、薬指で左の鼻の穴をとじ、右の鼻から息を吐きだす。
- 右の鼻から息を吸う。
- 吸いきったら、親指で右の鼻の穴をとじ、左の鼻から息を吐きだす。
- この流れを繰り返し行っていく。
片鼻呼吸法アレンジ
休暇中は頭がボーっとしてしまう、やる気が湧いてこないことが多い場合は、副交感神経ばかりが優位になっている可能性もあります。
アクティブな休暇を過ごしてリフレッシュしたいという人は、通常の片鼻呼吸法のように左右交互に呼吸を行うのではなく、右の鼻のみで呼吸を30秒~1分ほど行って切り替えをしてみましょう。
頭をシャキッとさせたいときには、目を閉じずに呼吸をするのがオススメです。
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腹式呼吸
ストレスが多い方は、普段から呼吸が浅くなっている傾向があります。
ヨガの基本となる腹式呼吸で、酸素を身体いっぱいに取り込みリフレッシュしてきましょう。
副交感神経を優位にすることができるので、全身の血流が良くなり身体がリラックスしていきます。
ヨガでは鼻呼吸で行いますが、休暇中のリフレッシュに取り入れる場合は鼻から吸って、口からハーっと吐き出すのも気持ちが良いですよ。
【腹式呼吸はこんな時にオススメ】
- ストレス解消したいとき
腹式呼吸のやり方
- 姿勢を正して、肩の力を抜く。
- 今ある息を吐ききる。
- おナカをふくらませ息を鼻から吸う。
- 息を吸いきったら、滑らかに息を吐きながらおナカを凹ませていく。
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胸式呼吸
お腹をふくらませて行う腹式呼吸と対となる胸式呼吸は、胸を使って肺の上の方で行う呼吸法で交感神経を優位にします。
インナーマッスルを働かせながら行うので、物理的に力を発揮したいとき、例えば筋トレやピラティスを行うときにも効果的。
また、肋骨付近のインナーマッスルをギュッと引き締めることができるので、くびれが欲しい方もぜひ取り入れてみてください。
【胸式呼吸はこんな時にオススメ】
- 体をリフレッシュしたいとき
- 力を発揮したいとき
- やる気を促したいとき
胸式呼吸のやり方
- 姿勢を正して、おナカを伸ばした状態で息を吐ききる。
- おナカに力を入れて平らにした状態を保ちながら、肺をふくらませるように鼻から息を吸う。
- 吸いきったら、口を小さめにすぼめながら息を長く吐き出していく。(鼻から息を吐いてもOK)
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ウジャイ呼吸法
少し上級者向けですが、胸式呼吸の一つであるヨガのウジャイ呼吸法もリフレッシュに最適。
ノドと鼻の奥を閉じて空気を長く吐き出す呼吸方法で、呼吸の力強さから「勝利の呼吸」とも呼ばれています。
慣れてくると、“シュー”という空気が通る音が聞こえてきます。
プラーナ(生命エネルギー)を全身に巡らせていきましょう。
【ウジャイ呼吸はこんな時にオススメ】
- アクティブな休暇を過ごしたいとき
- 体幹を鍛えて血流を改善したいとき
やり方
- 姿勢を正して、おナカを伸ばした状態で息を吐ききる。
- おナカに力を入れて凹ませた状態を保ちながら、肺をふくらませるように鼻から息を吸う。
- 吸いきったら、息を1秒ほど止めます。ノドと鼻の奥を閉じる。
- 鼻から細く長く息を吐き出していく。
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ヨガの呼吸法でカラダの内側からリフレッシュ
自立神経と深く関わっている呼吸を整えることで、心身共にリフレッシュすることができます。
夏休みやお盆など、休暇中に目的に合った呼吸法を取り入れてリフレッシュしてみてください。
また、呼吸で得られる効果の感じ方は人それぞれ。
いろいろと試してみて自分が一番気持ちがいいと感じられるものを知り、休暇中だけでなく日ごろからさまざまなシーンで役立ててみてください。
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